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いえのこととか

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#障がい児

ふつうって言わない

ふつうって言わない

息子が生まれた時、娘は3歳だった。

娘の超スローだった発達ぶりに比べて、息子の発達はとても速かった。僕ら夫婦の感覚でいうと、あっという間に寝返りをし、おすわりをし、はいはいをし始めた。周囲のものごとに盛んに興味を示し、活発に動き回った。

共同注視も早かった。「ほら、お花が咲いてるよ〜」と親が指し示すと、赤ちゃんもそっちを見るっていう、あれだ。娘はこれをやっても全く反応しない赤ちゃんだった。息子

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娘が走った、保育園の運動会

娘が走った、保育園の運動会

うちの娘が通っていた保育園は、普通の公立の保育園だった。1〜2歳の頃は、あまり明確に「障がい児」という感じでもなく、ちょっと発達がゆっくりな子、というぐらいの認識だった。4歳ぐらいになって、軽度の知的障害があると診断されたけれど、保育園ではそれまでとまったく変わらず受け入れ続けてくださった。保育士の皆さんには、本当に感謝の言葉もない。

それに、お友達もすばらしかった。日頃から何かにつけて娘に話し

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ママがずっといる夏休み

ママがずっといる夏休み

さて新学期。

妻が仕事を辞めて初めての夏休みが無事に終了。

息子(小1)は夏休みの最初の一週間ぐらいでこの未体験の楽しさに気づいたようで、旅行や帰省などのメインイベントはまだだったのに、すでに、
「夏休み、たのしいなぁ〜」
とニコニコ。

無理もない、と思う。

息子は2月生まれ。1歳になってすぐに保育園に預けられ、以来5年間、お盆や正月などを除き、ほぼ年中無休で保育園。彼の辞書には「夏休み」

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ごくまれに、会話っぽい

ごくまれに、会話っぽい

ベランダで洗濯物を干していた。

うっかり娘の服を落としてしまった。

あいにく、鉢植えの水が流れてきていたところに落としてしまい、洗い直し確定。

「あ〜」と小さく叫んですぐに拾い上げ、部屋の中に持って入る。

僕の声が聞こえたらしく、娘が、

「どうしたの?」

と聞いてきた。めずらしく的確な聞き方だったので、このひと言だけでもちょっと、ハッとする。

「ごめん、きみの服、落としちゃった。」

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こだわりは、よくない

こだわりは、よくない

小学校の夏休みが始まりました。

登校日があって、娘(小4)の支援学級でも、ちょっとお勉強してからプール!っていう楽しい日が今週は3回設定されてました。娘は最初の日は風邪気味で欠席し、2, 3回目は体調は問題なかったのに、なぜか行くのを拒否。プールは好きなはずなのに…

ちょうど僕が退院して、けど体力的にまだ出勤は無理で家にいたので、その頑なな拒否ぶりを見ることができました。あまり激しく嫌がるわけ

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もう、ひとりごとじゃない

もう、ひとりごとじゃない

娘は記憶力がよくて、薬の名前をよく覚えている。

昨日、僕はちょっと胃の調子が悪くて、妻が胃薬を出してくれていたら、

娘「それ、なあに?」

妻「これ?ガスター。」

娘「あ、ガスター?」

と、ここだけ切り取ると、なんか普通の会話っぽい。

その後はまた、娘独特のボキャブラリーを使った、片言の発話に戻っちゃったけど。

娘のひとりごと期娘は外では極端に寡黙だけど、家ではかなりよくしゃべる。1〜

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天気予報が見たい

天気予報が見たい

娘(小4)、最近始まった新しいこだわりは、「テレビで天気予報を見てからじゃないと、寝ない。」というもの。

昨日も、息子(小1)が先に寝てしまい、10時頃に娘を寝かそうとしたところ、

「あっ!てんきのほう(天気予報)は?」

夫婦で顔を見合わせ、(気付いちゃったか〜)と苦笑い。

しかたなく各チャンネルを見ていくも、天気予報はやってない・・・。新聞のテレビ欄を見ると、11時前まで天気予報はなさそ

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支援学級でも恋をするのだ

支援学級でも恋をするのだ

娘(小4」の抱える問題は、知的な発達の遅れと、運動が苦手なことと、体が大きすぎること。運動は、たとえば全力疾走はいまだにできません。体の大きさについては1年半ほど前に精密検査をして、特に異常なし。つまり病気ではなく、体が大きいのは個性のようでした。でも、その時のホルモンと骨年齢の検査から、大きさだけでなく体の中も「立派に思春期です」とのことでした。

それ以降、心も思春期らしい感じになってきて、父

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子どもの強すぎるこだわりを解くヒント

子どもの強すぎるこだわりを解くヒント

子どもが時おりみせる頑ななこだわりを解きほぐすのは難しいものですが、支援学級の先生にはプロのノウハウがあると、最近知りました。

ここでいう「こだわり」っていうのは、シェフのこだわりの一皿、とかのこだわりではなく、支援学級の子どもたちによくある、特定のものごとに対する強いこだわりのことです。支援学級に限らず、どんな子どもにも時おりみられると思いますが。

うちの娘(小4)にも、朝食の前にフォークを

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娘が、初の林間学校から無事に帰ってきた

娘が、初の林間学校から無事に帰ってきた

娘は、2泊3日の初めての林間学校から、無事に帰ってきました。2000円のお小遣いを使って、家族にお土産も買ってきてくれました。100円ほどしか残っていなかったので、こんなにギリギリまで使い切る計算を娘ができるとは思えず、先生がサポートしてくださったんだろうと思います。

妻には、「かわぐちこ、たのしかった」とポツリと言ったそうで、楽しめたようです。本人からはこれ以上の言及はありませんでしたが。

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娘がいない時の息子の甘えっぷりから、我が家の「#きょうだい児」問題がみえる

娘がいない時の息子の甘えっぷりから、我が家の「#きょうだい児」問題がみえる

娘(小4)は、近隣の小学校の支援学級が合同で開催する林間学校に参加中。水曜日から2泊3日、帰って来ません。ふつうの林間学校にはなかなか参加が難しい支援学級の子どもたちのために毎年行われるこのイベント、4~6年生が対象なので、娘は初参加です。娘はちょっと不安そうで緊張していましたが、なんとか出発。いちおう今まで特に連絡はないので、なんとか無事にやっているいるようです。

な・の・で!

息子(小1)

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娘のおんがくの授業を見にいった話

娘のおんがくの授業を見にいった話

娘(小4)が通う支援学級に、授業参観にいってきました。授業は「おんがく」で、楽器は鍵盤ハーモニカと、マリンバと、和太鼓。テストの日だったので、子供たちはひとりずつ、音楽の先生の伴奏にあわせて演奏していきます。

鍵盤ハーモニカはけっこう厳しくて、どの音をどの指で弾くかをきっちり指導されている様子。みんな教わったとおりの運指で弾こうと、ゆっくりと一生懸命に演奏していました。

マリンバは、ちゃんと共

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小4の娘が主語を使うということ

小4の娘が主語を使うということ

小4の娘は知的な面で遅れがあり、小学校の支援学級に通っています。言葉の遅れが特に目立つのですが、先日は妻と娘と小1の息子の3人で出かけて、「そろそろ帰ってくるかな」と思っていたら娘が一人で帰ってきたので、

「あれ?ママは?」と聞いたら、

「ママは、○○くん(弟の名前)、むかえにいった」と、ゆっくりと小さな声で説明してくれました。

後で妻に聞いたら、帰途に脱走してあらぬ方向に走り去った息子を追

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