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読書感想『ウクライナから愛をこめて』
命は理不尽に奪われてはならない。
遠い外国のことと思っていても、明日には自国で起きることかもしれない。
よく知らないからこそ、知らねばならないと思い、図書館のデータベースで「ウクライナ」と検索して表示されたのがこの本だった。
著者のオリガ先生はウクライナの最高峰であるキエフ国立大学をご卒業後、同じ「赤門」をシンボルとする日本の最高峰である東京大学で博士号を取得され、現在はキエフ・モヒラ・ビジネス
読書感想『パリ警視庁迷宮捜査班』
"Poulets Grillés”
by Sophie Hénaff
『パリ警視庁迷宮捜査班』
ソフィー・エナフ 著
山本知子・川口明百美 訳
エリート警察官としてのキャリアを築いてきた元射撃オリンピック選手でもあるアンヌ・カペスタンは過剰防衛による容疑者殺害のために6ヶ月の停職となり、夫に離婚され、落ち込んでいたところを呼び出され、問題警官たちを集めて作られた特別捜査班の指揮を命じられる。
読書感想『せかいでさいしょにズボンをはいた女の子』
“MARY WEARS WHAT SHE WANTS”
by Keith Negley
『せかいでさいしょにズボンをはいた女の子』
作 キース・ネグレー
訳 石井睦美
女の子はきゅうくつで、ごわごわしたドレスを着るのが当たり前、と言われていた時代に、メアリーは動きやすいズボンをはいた。そして大騒ぎになった。
「私は男の子の服をきているんじゃない、私は私の服を着ているのよ」
国際女性デーなので、
『パパ・ユーア クレイジー』
The 5th of 7 days book cover challenge.
“7days book cover challenge”5冊目。
『パパ・ユーア クレイジー』
ウィリアム・サローヤン 著
伊丹十三 訳
10歳の少年が語る、作家である父親との生活。
この作品に関しては、サローヤンというよりも、伊丹十三の作品ではないかと思えるほどの名訳で、瑞々しい感性や言葉の
『風の名はアムネジア』
The 3rd of 7 Days Book Cover Challenge.
『風の名はアムネジア』
菊地秀行 著
全人類を未曾有の災害が襲い、荒廃した世界を1人の少年と1人の女性が旅する、という、銀河鉄道777のような、よくあるディストピア小説ではあるものの、お得意のエログロナンセンスな部分も含めて、菊地秀行さんはこれこそがいちばんの作品であり、他は『吸血鬼ハンターD』含め、全て自
『春になったら苺を摘みに』
The 2nd of 7days Book Cover Challenge.
ブックカバーチャレンジ2冊目。
『春になったら苺を摘みに』
梨木香歩 著
私が現代の作家さんで最も日本語が美しいと尊敬している梨木香歩さん。
英国で児童英文学を研究されていた時代を思い返されたエッセイ。下宿先のイギリス人婦人や下宿人との交流も含め、ここからかの名作「村田エフェンディ滞土録」が生まれたのではない
『ナチの亡霊』読書感想
“Black Order” The Sigma Force Series 2
by James Rollins 『ナチの亡霊』シグマフォース2
ジェームズ・ロリンズ 著
桑田健 訳
シグマフォース・シリーズ2作目。アメリカ国防総省の秘密組織、科学者てしての頭脳を持つ軍人たちからなるシグマフォース2代目司令であるペインター・クロウがヒマラヤで見たナチの遺産「釣鐘」とは?
コペンハーゲンで行われ
『オックスフォード物語ーマリアの夏の日』感想
“The Warden’s Niece”
by Gillian Avery
『オックスフォード物語 ーマリアの夏の日』
ジリアン・エイブリー 著
神宮輝夫 訳
19世紀のイギリス。両親を早くに失い、老いた叔母に育てられたマリアは寄宿制女子校に入学させられるが、厳しい指導に耐え兼ね、オックスフォード大学で学寮(ウォーデン)を務める大伯父の元に逃げ込む。
研究のために始終思索に耽り、浮世離れした
読書感想『エレノア・オリファントは今日も元気です』
“Eleanor Oliphant Is Completely Fine”
by Gail Honeyman
『エレノア・オリファントは今日も元気です』
ゲイル・ハニーマン 著
西山志緒 訳
エレノア・オリファント 、30歳、独身。デザイン会社の経理。毎日同じ服を着て、同じ時間帯に働き、同じ夕飯を食べ、週末は本を読んでお酒を飲んで寝る。週に一回、毒親の母と緊張しながら話す。
顔の火傷と、合理
読書感想『なにかが首のまわりに』
『なにかが首のまわりに』
チママンダ・ンゴチェ・アディーチェ 著
くぼたのぞみ 訳
ナイジェリア内戦を体験した女流作家であり、フェミニストとしても活躍し、そのスピーチがディオールやビヨンセに取り上げられ、国際的なオピニオンリーダーとしても活躍するアディーチェの短編集。
ナイジェリア内戦の最中を生きる人々、難民としてアメリカに渡ったためにアイデンティティを白人の気にいるように変えていかざ