マガジンのカバー画像

歴史考察

662
歴史について考察した記事をまとめています。
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

〇〇史・〇〇地理、自由選択

〇〇史・〇〇地理、自由選択

私は「実用地歴提案会ヒストジオ」だけに
歴史や地理について
投稿することが多いのですが、

「歴史」や「地理」という言葉は
「人間」や「会社」と同じように、
とても包括的な言葉です。

人間は、千差万別。
会社は、千差万別。

ゆえに「その人」「その会社」について
記さないと、ちっとも具体的ではない。
総論的、誰にでも当てはまるような話は、
一面では、あまり「自分の」役には
立たない話になりがちで

もっとみる
「複業的な」歴史のものの見方

「複業的な」歴史のものの見方

学校の授業において歴史の授業というのは
「好き」/「嫌い」、「得意」/「苦手」に
二極分化しがちなものである。

目を輝かせて楽しみにしている人もいれば
「寝る時間」と決め、聞く気のない人もいる。

どうしてこんなに差が出るのか?

私はその原因の一つに、
歴史を「自分が登場する物語」として
感じられるかどうか、
言い換えれば「自分ごと」として
とらえられるかどうかが
二極分化している現状がある、

もっとみる
宮崎駿監督:クリエイター・バーサーカー伝説

宮崎駿監督:クリエイター・バーサーカー伝説

日本のアニメ界の第一人者、といって
まず真っ先に名前が挙がるのが
宮崎駿(みやざきはやお)監督だろう。

1941年の生まれ。ほぼ、戦後世代。
スタジオジブリの設立者でもある。
日本のみならず、世界でも
「ミヤザキ監督」「ハヤオ監督」
「スタジオジブリ」の響きは、
抜群の知名度を保っている。

何度も引退宣言をしては、
その宣言を撤回することでも知られている。

例えば1997年に公開された『もの

もっとみる
手塚治虫:クリエイター・バーサーカー伝説

手塚治虫:クリエイター・バーサーカー伝説

「漫画の神様」こと手塚治虫。
1928~1989。
彼は、彼自身も漫画のキャラクターに
なれそうなほどの、破天荒で異才を持つ
漫画家だった、と言われている。

彼が医学博士でもあることは、
『ブラック・ジャック』を読んだことが
ある人なら知っているかもしれない。
医者にして漫画家という人は、
なかなかいないだろう。

さらに彼は
アニメーター(アニメ監督)でもある。
『虫プロダクション』という

もっとみる
江戸川乱歩:クリエイター・バーサーカー伝説

江戸川乱歩:クリエイター・バーサーカー伝説

エドガー・アラン・ポーをもじって
筆名を作った作家がいる。
江戸川乱歩(1894~1965)。
日本推理作家協会初代理事長にして、
日本における探偵小説の草分け的存在。

彼が日本のエンタメ界、
すなわち、娯楽分野、サブカル分野に
与えた影響は、ものすごいものだ。

試しにリアル本屋に行って、
小説や漫画などのジャンルから
「推理もの」「ミステリーもの」「犯罪もの」
「恐怖もの」「エログロもの」「

もっとみる
水島新司さん:クリエイター・バーサーカー伝説

水島新司さん:クリエイター・バーサーカー伝説

2022年1月10日、水島新司さんが亡くなった。
82歳だった。

代表作に『ドカベン』『野球狂の詩』がある。
野球狂!
まさに、水島さんの生涯を表現するのに、
この言葉ほどふさわしいものはない、と思う。

野球漫画を描く人は数多くいるが、
名作を連発できる人は、少ない。
水島さんは、その一人だった。

『男どアホウ甲子園』『球道くん』『一球さん』。
ドカベンだけでは、ない。
高校野球を舞台にして

もっとみる
夏目漱石:クリエイター・バーサーカー伝説

夏目漱石:クリエイター・バーサーカー伝説

「夏目 狂セリ」

イギリスに留学していた夏目漱石
(本名は違いますがこの記事では漱石で統一)
が発狂したという電報が、日本に届いた。

「これは大変だ、日本に連れて帰れ」

本国から指示が飛び、
急いで漱石は帰国することになった。
実際に会った人の話では、それほど
大変な事態ではなく、電報は大げさな
誤報だったことになっている。

しかし、夏目漱石が英国留学で
精神を病み、そのあとの生涯でも

もっとみる
吉田松陰:クリエイター・バーサーカー伝説

吉田松陰:クリエイター・バーサーカー伝説

吉田松陰(よしだしょういん)という人がいた。

…というのが、通り一遍の説明。

もう少し詳しい方、例えば
司馬遼太郎の小説『世に棲む日々』や
大河ドラマ『花神』『花燃ゆ』に
触れた方であれば、

「子どもの頃に藩主に兵学講義をした天才」
「黒船に乗って渡航しようとして失敗」
「幕末の志士は、彼の刑死で奮起した」
なども、知っているかもしれない。

ただ、その人生は、知れば知るほど、
良くも悪くも

もっとみる
ベンサムを弁じ、ミルを見る

ベンサムを弁じ、ミルを見る

多数派か、それとも少数派か?
ある集団内における行動は、その意見に
賛同する人が多いかどうかで
左右されがちなものです。

「多数決の原理」を全面的に採用するなら
多数の人が賛成する意見が正しい。
しかし「少数意見」が誤っているのか、
というと、そうとも限らないのが
難しいところです。

例えば、ビジネス、企業などの中では
集団の中で権限に差があり、

多数の人が賛成する意見を無視して、
少数の権

もっとみる
自由(な投稿)からの逃走

自由(な投稿)からの逃走

自由とは爽快な反面、怖いものでもあります。

「何をすればいいのかわからない」
「やることを誰かに全部決めてほしい」
「自由なんていらないよ」

縛り上げられている時はあれほどに
自由を切望していたのに、

いざ自由を手にすると、戸惑い立ちすくみ
何かにすがって、自らその自由を
手放してしまうこともあり得ます。

1941年、エーリッヒ・フロムという人が
『自由からの逃走』という本を出しました。

もっとみる
しなやかなシナリオ

しなやかなシナリオ

シナリオとは脚本、筋書きとも訳されて、
主に映画やテレビの台本の意味で使われる。
また「政権交代へのシナリオ」のように、
何かの計画を実現するための
過程を想定したもの、としても使われる。

語源は、ラテン語のscena。
イタリア語風に読めば「シエナ」で、
英語で言えば「シーン(場面)」である。
この「場面」をつなぎあわせた
筋書き、という意味の「シナリオ」が、
徐々に映画やテレビ等での脚本の意

もっとみる

「三顧の礼」の諸断面

『三国志(演義)』の物語の中で
有名な「三顧の礼」のエピソード。
そう、主人公の劉備が、軍師の諸葛亮を
三回も訪れて自軍に加えるというアレです。

現在で言えば「会社のトップが自ら
三回も足を運んで人材をスカウトする」
というところでしょうか?

このエピソード、
日本での三国志人気もあってか
とてもよく知られておりまして、
故事成語にもなっている。

本記事では三つの断面から考えていきます。

もっとみる
ランナーの後ろにある歴史

ランナーの後ろにある歴史

2022年の箱根駅伝では花の2区で、
2人のケニアからの留学生が並んで走る姿が
お茶の間に流れました。

1人はイエゴン・ヴィンセント選手、
もう1人はライモイ・ヴィンセント選手。
大学は異なりますが、同じ名前。
しかも同じ国から来た留学生が一生懸命
箱根路を走る姿をご覧になっていた方も
多いのではないでしょうか↓

ヴィンセントという名前の由来には、
「打ち破ること、征服すること」
という意味が

もっとみる