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高井宏章 雑文帳

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徒然なるままに。案外、ええ事書いてます
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2020年1月の記事一覧

『読みたいことを、書けばいい。』というパンドラの箱

『読みたいことを、書けばいい。』というパンドラの箱

田中泰延さんの『読みたいことを、書けばいい。』を読んだ。

最初は本屋でニヤニヤしながら立ち読みして、その2週間後くらいに買ってニヤニヤしながら再読して、その後、ツイッターで田中さんにウザ絡みするようになってまた読んだ。
3回目、腰を据えてじっくり読み、QRコードのリンク先の記事もすべて読み、それ以外の田中さんのインタビューや対談も読んだ。
そして私は戦慄した。

「おいおい、本気かよ」、と。

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「清々しいほど分からない」のに最高に面白い 『宇宙と宇宙をつなぐ数学』

「清々しいほど分からない」のに最高に面白い 『宇宙と宇宙をつなぐ数学』

最初に正直に白状しておこう。

私は本書のテーマ「宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論」を全く、何も理解できていない。おそらく理解度を数字で表せば0.0001%以下、いやそもそも自分の理解度がどの程度か想像もできないほど、分かっていない。

『宇宙と宇宙をつなぐ数学』KADOKAWA 加藤文元/著

世界の数学者がその難解さと新奇性から距離を置いて様子見している新理論が、理解できるはずもない。

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小林先生がいた 「神様」を倒したビリヤードの巨星

小林先生がいた 「神様」を倒したビリヤードの巨星

1月16日、昨年11月に77歳で急逝された「小林伸明先生を偲ぶ会」に出席した。ご縁のあった者として、ビリヤード界の巨星のご功績を故人の思い出とともに記しておきたい。

伝説の世界チャンピオン世間で「小林伸明」を知る人は少ないだろう。
だが、ビリヤードの一種目「スリークッション」において、小林先生は世界中のプレイヤーから敬愛される伝説的な存在だった。

現役屈指のプレイヤー、ダニエル・サンチェスが来

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1ヶ月で宇宙飛行士2人と友達になった話

1ヶ月で宇宙飛行士2人と友達になった話

久々の通勤投稿にチャレンジ!
TwitterやFacebookあるあるの、謎の外国人アカウントからの友達申請ネタです。

Facebookはアラブの銀行家と米国の女性兵士、あと身も蓋もないエロがメーンですが、昨年末はなぜかTwitterに2人続けて米国人宇宙飛行士からメッセージが来まして。
でも、最初の一言は日本語(笑)

「お!」と思ってプロフィール見たら、フォロワー20人くらいなんですよ。

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父は語り、娘は描いた 「膝のり赤ちゃん」が成人するまで

父は語り、娘は描いた 「膝のり赤ちゃん」が成人するまで

今日、長女の成人式があった。
誕生日は少し先だけど、まずは御成人、おめでとうございます。

「noteに何か書き残しておこう」と、ゴロゴロしつつアイデアを練っていたら、バイトから帰った御本人にボディプレスをお見舞いされ、「グフッ!」と声がもれた。
ついでに「何を書いたらいいかねぇ?」と相談してみたところ、

「いかに素晴らしい娘か、20年分、書いたら!?」

という臆面もない提案があった。「けっこ

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「部活マンガの完成形」が問う進歩と停滞 『帯をギュッとね!』

「部活マンガの完成形」が問う進歩と停滞 『帯をギュッとね!』

いよいよオリンピックイヤー、2020年だ。
本コラムでも『SLAM DANK』(井上雄彦、集英社)以来、1年ぶりにスポーツマンガを取り上げたい。

(こちらマンガコラム最大のヒット。未読でしたら)

柔道漫画の黄金期 『帯をギュッとね!』(小学館、以下『帯ギュ』)は河合克敏の連載デビュー作にして代表作だ。

『週刊少年サンデー』上の連載期間は1989年新年号から1995年まで。完結から20年

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「AI並みの革新」量子コンピューターの入門書

「AI並みの革新」量子コンピューターの入門書

Googleの開発チームがスパコン超えの「量子超越」を宣言し、にわかに脚光を浴びた量子コンピューター。人工知能(AI)と並ぶ注目の新テクノロジーだが、人間の知性とのアナロジーで威力や脅威が想像しやすいAIと違い、量子コンピューターは「何が何やら分からない」という方が多いのではないだろうか。

私は、ガチガチの文系人間のくせに昔から理系本が好きで、その延長線上で量子コンピューターに関する入門書や解説

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竹内まりやの「駅」の「私」は、最後のLalalaでもう一度電車に乗る

竹内まりやの「駅」の「私」は、最後のLalalaでもう一度電車に乗る

帰省中、ツイッターに糸井重里さんのこんなツイートが流れてきた。

「駅」は私も大好きな曲なのだが、中森明菜への提供曲だったとは知らなかった。しかも、中森バージョンに山下達郎が異を唱えたという。

「私だけ」は片思い?ワケが分からない。
あの曲に、そんな「火種」みたいな要素があっただろうか? Wikipediaでは判然としなかったが、もうちょいググってこんなサイトを見つけた。

一部引用する。太字は

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2020年に『おカネの教室』続編をnoteで連載します!

2020年に『おカネの教室』続編をnoteで連載します!

あけましておめでとうございます。

私にとって2019年はnoteの年でした。
ちなみに2018年は「『おカネの教室』を出した年」でした。
2020年はどんな年になるのだろう。
わたし、「年初の目標」なんてものを守れた試しがない人間なのですが、そのようなものを3つほど。

その1『おカネの教室』続編 noteで連載(たぶんね)noteで『おカネの教室』第1章、第2章を全文公開したのは、読者が広がる

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