2020年2月の記事一覧
【百科詩典】じょうほう【情報】
あらゆることを説明できる自分に到達するために、知と情報を得なくてはならない、日々最新のものにそれを更新しなくてはならないーしかし、この怯え切った強迫観念には実は何の根拠もない。そのような「すべて」を説明できる自我などというものを目指して、「すべて」の幻想のもとに撒布されている情報を齷齪かき集めること。それが何になるのか、私にはわかりません。
ジル・ドゥルーズの力強い言葉がありますね。「堕落した情
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<佐々木中『切りとれ、あの祈る手を <本>と<革命>をめぐる五つの夜話』より>
本というのは一枚の紙を何度も折り畳んで裁断してつくるわけです。でも、そうして折り畳んで「本」にすると、急に一枚紙の文書や二枚に折り畳んで広げた書類と違って、何回読んでもわからなくなる。何度読んでも、何度目を凝らしても、すべての知識をものにしたという確信が不意に消え果てていく。不思議なことですが、これは事実です。繰り返
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<鈴木大拙『日本的霊性』、末木文美士「解説」より抜粋>
鈴木大拙(1870ー1966)の著作はかず多いが、『日本的霊性』は主著として挙げられることの多い代表作である。本書は、昭和19年(1944)12月に大東出版社から初版が出版された。戦争の最末期である。大拙75歳。そして、再版は戦後の昭和21年(1946)3月に刊行されており、まさしく敗戦をはさんでその前後にまたがる歴史的著作である。