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レビーの事〜面前DVを受けて育った人が介護をすると〜

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お山座りは、20代半ばから約5年間、レビー小体型認知症の義母の介護をしました。全てが敵に見えた。色んな事を諦めて、失って、壊して、傷付けて、傷付いた。
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記事一覧

レビー小体型認知症①『介護丸投げ』

レビー小体型認知症①『介護丸投げ』

在宅介護。

ある日急に

始まった。

それまで

義姉が

連れて行っていた

義母の通院。

ある日

ポストに

診察券

お薬手帳

保険証

などが

入っていた。

丸投げ。

バイト先が

撤退し、

私はこれから

不妊治療に

専念しようと

思っていた。

ストレスなく

タバコ臭い

職場環境からも

離れ

体調も悪くない。

そんな時だった。

義母はまだ動けた。

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レビー小体型認知症②『要支援1の体感心労は要介護3』

あれ?

最初の方

あんまり覚えてない…

バイトを辞めて

義姉に

丸投げされて、

そのあと、

義母の眼科に

付き添ったんだ。

タクシーで。

何日後かに、

義姉と、

包括センター

の人が来て、

デイサービスを決めて

帰って行ったんだっけ。

デイサービスの送迎時に

必ずいなくては

いけなかった。

週3回から

始まった。

荷物は特に無かった。

着脱も、飲食も

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レビー小体型認知症介護③『面前DVの影・抑止力』

レビー小体型認知症介護③『面前DVの影・抑止力』

介護度が上がった事で

入れる施設の

選択肢が増えた。

この頃、

尿便失禁に加え

入浴も

自力では

難しくなっていた。

週3回から4回

家で

入浴介助をした。

滑らない様に

浴槽の下に滑り止めを敷いた。

縁をまたげず、

足を高さまで持ち上げる。

「痛い痛い!」

そう言って

入ってくれる日は

まだいい。

『お風呂入って』

と言っても

「入らない」
「アンタが入

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レビー小体型認知症介護④『ごめん』

レビー小体型認知症介護④『ごめん』

脊椎管狭窄症の

リハビリの為

義母を整形に

連れて行く。

車椅子がまだ

なかった頃、

徒歩10分位の

病院でも

タクシーを利用していた。

歩行介助しながら

タクシーに乗せて

病院名を告げる。

『近いんですけど、○○整形までお願いします』

病院に着き

『車椅子が必要なので少し待っていて下さい』

とお願いした。

「チッ」

タクシーの運転手さんが

舌打ちをした。

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トラウマ

しんどいなぁ…

まだ

思い出すのが

しんどい。

うーん、

何を書こう。

否定も肯定もしなくていい。
ただ、憎め。
憎む事で守れ。
父親が父親であることを
恨め。
憎んで恨みきって
進め。

手を挙げそうになった時
あいつを思い出すのは
私も同じ。
多分、
お兄ちゃんも。
お母さんも。

それは
トラウマという物。

私が、
全て壊れて無くなれ
と思ってした行動が
貴女に
トラウマを

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レビー小体型認知症介護⑤『失禁・点滴・看護師の言葉』

レビー小体型認知症介護⑤『失禁・点滴・看護師の言葉』

毎日

尿失禁をする。

トイレの床が

ビシャビシャになっている。

お尻を床に擦って移動する為

廊下も尿の跡がついて

汚れている。

脱衣所も、台所も

玄関も、茶の間も

義母の部屋も

ソファーも座布団も

義母が移動した床

全部に、

尿臭がついた。

毎日、毎回、

洗濯洗剤を霧吹きで撒いて

床を拭き、

アルコール除菌をした。

うんざりした。

大人用紙オムツを渡し

説明

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レビー小体型認知症介護⑥『妄想幻覚徘徊・介護者の謝罪・理解されない』

レビー小体型認知症介護⑥『妄想幻覚徘徊・介護者の謝罪・理解されない』

徘徊。

義母は、支えなしでは

歩けない。

動く時は

足を伸ばして座ったまま

お尻を擦って

移動する。

深夜が多いが

明るい時も

妄想幻覚と徘徊があった。

幻覚は

子供が走り回ってて言うことを聞かない。

一緒にパンを食べる。

一緒に相撲をみる。

玄関に座っている。

縁側から男の人が入って来た。

ただの壁が扉になっていて、開けようとする。

子供の頃住んでいた家になる。

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レビー小体型認知症介護⑦『しんどい』

レビー小体型認知症介護⑦『しんどい』

義母の異常行動を

紙にメモり、

ケアマネに見せた。

メールでも

送ったりしていた。

その施設には

認知症の人はいても、

レビー小体型認知症は

義母だけだったから、

私のメモは

生きた資料の様になった。

普段から

義母の行動を知らせて

こんな気持ちでしんどい

という事を

伝えていたせいか、

急な泊まりにも

対応してくれた。

でも、ちゃんと伝わっていない

スタッフ

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レビー小体型認知症介護⑧『もう無理です。ごめんなさい。』

レビー小体型認知症介護⑧『もう無理です。ごめんなさい。』

縁側の奥に、ポータブルトイレを置いた。

サービスを利用して、借りた。

トイレはここで!と、

何度も何度も教えた。

でも、見てないとどうしても

家のトイレに行く。

ポータブルトイレ…

中に尿が固まる粉を入れてから袋を結んで

処分をするタイプ。

便も。

何だかもう、何がいいのか悪いのか

分からなくなった。

かかとに褥瘡が出来て、

抗生物質を飲んで

下痢をする。

褥瘡の処置

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レビー小体型認知症介護⑨『介護終了』

レビー小体型認知症介護⑨『介護終了』

義母は、新しい施設に入る頃には

話す事も、歩く事も

出来なくなっていた。

あんなにぎゃあぎゃあ言って

拒否してたくせに。

レビーの進行は進んでいた。

施設で着る服を届けに行った時

全部に名前が書かれてる事を

褒めてくれた。

職員の手間が省けたらしい。

使っていた

防水シーツも沢山渡した。

義母は、

発熱を繰り返していた。

病院に何度も運ばれた。

もうそろそろ危ないとい

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