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JUNKO*
2020年5月18日 22:22
看護師も駆け出しの私が田舎の国立療養所(結核と重症心身障害児)にいた頃「挨拶は人間関係の全ての基本。誰にでも挨拶をする。知らない人にも、プライベートでも」っていう伝統みたいなのがあって、若かったからいつの間にかそれが当たり前の習慣になって、都会と呼ばれる街に移り住んだあとも時々うっかりその習慣が出て怪訝な顔をされる事があった。雑多な下町とターミナル駅がある街の境目に住んて
2019年12月18日 23:03
2019年1月7日 02:01
Bitter & Sweet chocolate「あげる」そういって彼がくれたものは、ぱきんと半分に折ったチョコレート。特に高級ってこともない、明治のファミリーパックに入った小さなビターチョコをさらに半分にしたそれは、真冬なのに口の中ですぐにとろりと溶けて消えた。 職場の裏口から出たところにある、風がぴゅーぴゅー吹き込む喫煙所にはプラスチックの椅子がみっつあって、その上に座布団よろしく
2016年2月7日 15:41
朝の光は何もかもをリセットする力を持つという例えば眠れない夜の代償としての真昼の闇をまだ私がひとりぼっちを楽しんでいた頃の「カーテンを閉めきった室内で何ルクスの光を何分浴びたら体内時計はリセットされるのか」についての研究あれは入院患者が対象だったけどどんな効果があったんだっけわたしは薄暗い非常階段のカチカチ点滅する壊れた誘導灯を見ていたら何時間でも起きていられるのにな、なんて思っ
2016年2月3日 19:24
いつも雨だった幾多の問題をクリアしてやっと会える日が近づくと天気予報の降水確率はぐんぐんと上がっていくアメオトコ×アメオンナふたりを知る数少ない友人は僕たちをアメフラシって呼んでいたんだ非定型な僕たちにぴったりだと密かに気に入った呼び名だった奴には言ってやらなかったけどね僕たちは雨が好きで何故ならひとつの傘で人混みでひとつになれるからさアメフラシみたいにグロテスクにな
2016年1月25日 03:41
東京、1月某日、雪2年ぶりに引っ張り出してきたスノーブーツで、都会の雪を歩く積雪は4センチメートル途中から雨に変わったせいで、踏みしめた感覚はいまひとつだな雪かきのタイミングは‘ご近所さんがはじめたら’これがこの辺りのお約束先頭を切るのは面倒くさいから一旦家に引っ込もう10メートルも歩かないうちに踵を返す息が白い冬だな、ようやくだ、と思う振り返ると、庭先で昨日まで咲
2015年12月29日 23:27
移り変わる心も、枯れてしまえばいい**********これを書いたのは、1年ちょっと前の事。暗いなぁ(笑)作品を作る、という事に近づいたり離れたり馴れ合いが楽しかったりしんどかったりnoteとの距離感も時々により変わりましたが沢山の方と交流でき、作品や時にはプライベートをアップして沢山の方に読んでいただけて、またコメントでの感想も本当に嬉しく思いますありがとうございました
2015年12月24日 11:25
❆❆❆❆❆❆❆❆❆❆❆❆❆❆「今度連れてけよ」 目の前にいるのは殆どヤクザみたいな見た目の男。性格だってドSだし。てか命令?ぶつぶつ。連れて行けと言われているのは、さっき見せたスフレパンケーキの写真の店。焼き上がりまで30分位待つんだけどね、ホントにふわふわで美味しいんだ。バターを一欠片、メープルはたっぷりね。柔らかいパンケーキに染みこんで、それがまたとろけて。星乃珈
2015年10月26日 01:11
「あふれる涙は流れるままに決して拭ってはいけない」明日の瞼のコンディションをどう保つかの知恵だとかそんなどーしようもない事ばかり身に付いた恋だった女のさみしさを埋める穴は男の快楽を誘う穴で男と女の深い穴は入りたいのか抜け出したいのか絡みつく雫はまとわりついて濡れるとろりもうあなたに、胸は痛まないひと回りした季節を想う365日目の、秋真っ赤な林檎ひとく
2015年4月28日 22:00
あなたの好きなもの教えてくれるその殆どを私は何も知らなくてなんとなく高尚な雰囲気気後れしてる画面越しうまい言葉も出てこない急に少し小さくなる遠い って思う傍観者になってそっと、みつめる私の好きなものピンク色で可愛くて簡単で単純な捻りなんていらないの日本語のリズム 優しい歌あなたが毛嫌いするような結末の見え透いたあの物語を繰り返しLove’s inv
2015年4月12日 00:33
午後13時新宿駅東口こんな時間に待ち合わせたのは初めてかもしれない人の波に紛れて追いつけないスピードでのろのろと階段を昇る11センチヒールは封印した歩きやすくて疲れないピンクの靴紐スニーカーを履いてあの人と会う時はハイヒールそんな私でなければ相応しくないと思っていたきっとあの人もそれが当然と思っていただろう肩で風を切るいつもそんな風にあの人はスピードを緩めな
2015年4月10日 04:34
桜と月を見るふりであなたをみてるあなたはこっち見て笑うこうしてるふたりが不思議だって不思議だね不思議だよね笑うふたり不思議じゃないよあたりまえって思えるそんな空気きっとあなたも少しは感じているでしょう?ねぇちょっとだけ触れたいそんなにギュッと隠さないで手を伸ばしたら桜が舞って瞬きなごり雪桜紅月あなたそれでいいって思う桜と月を見るふりで
2015年2月19日 09:54
もう遠い過去のようでまだそばにある吐息の気配翼を得たのわたしの言葉その腕の中で永遠の泉のように絶え間なく溢れ愛と闇と束の間を唄う矛盾束の間を永遠と願う罪がわたしの言葉翼を無くし無口な罫線がわたしに問いかけるもう遠い過去なのよ歩きなさい進みなさい振り向けば海は鳴る激しい波も消し去る無機質コンクリート歩きなさい進みなさい耳を塞いで
2015年2月2日 17:12
3割増しで綺麗に残る思い出よりも悲喜交々のいまを生きたい戻りたい場所も時間もないあなたに出会わない人生にどんな平穏を約束されたとしてもわたしの人生から悲しみを消し去る魔法などいらない例え結末を知っていたとして戻りたい場所も時間もないあなたに出会わなかったわたしになんて木曜日は雪の予報通勤の足を気にしてみたり今日の夕飯のメニューを冷蔵庫とにらめっこして考えるそう