◆言葉と世界(言語外現実)の関係の簡易な図解 Sa:シニフィアン 記号における表現部分(音や文字) Sé:シニフィエ 記号における意味部分(概念、観念) 本来的に連続し分節のない流動体たる世界・現実に、非一様性(凹凸、濃淡、強弱の斑)を手がかりにして、言葉で分節を与える。
◆言葉などによる知性の基本「異なったものを同じとみなす」.これにより対象や現実を抽象化・固定化して操作可能にする。他方で豊饒な内包を捨象し流動性を見失う。言葉が時に拘束性として現れるとき、恣意性が自由の原理でありうることを知る。「同じとみなす」際にこそ鋭敏な感度を要求される。
◆「概念による計算」は成り立たない。ソシュールが見抜いたシーニュの恣意性=「言語外現実の連続体をいかに不連続化していくかというその切り取り方の恣意性」(丸山圭三郎「ソシュールの思想」322頁)から,概念を記述する言葉が,言語外現実を過不足なく切り取っている根拠がないからである。