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「良い」天気ですね

いい天気ですね。

誰かがそういった。

It's fine today.

someone said that.

Il fait beau aujourd'hui.

Quelqun l'a dit.

どうして、「良い」天気が、晴れなんだろう。晴朗な天気のことを指すのだろう。それじゃあ一体、「悪い」天気って何? 中途半端な天気ってあるのかな。

「良い」天気なんてのも、何度も何度も思うけれど、人間の勝手な判断の領域内だ。「良い」の基準って一体なんだろう。それはだれにとっての「良い」天気なのかな。ここで気象予報士には聞くまいよ。彼らが知っている基準も、きっと誰かが恣意的に定めたものだから。

これじゃあ。世間話しもろくに出来やしないな。

いい天気ですね。ん? いい天気って何のことですか?

足元が「悪い」のはやっぱり、「悪い」天気の時だよ。足元の常態の「悪さ」が、その「悪い」天気の「悪さ」を暗喩するものとして使われている。でもそれって、足元が「悪い」のであって、必然的なある「天気」の悪さにつながるというわけではなくないか。

(都合の良いパターン化だな)

天気は「悪い」のかもね。誰かの都合に。そこには、感情的な判断が、客観的な妥当性を上回るときがある。

ファフロッキーレインでない限り、そうそう「悪い」ように見える天気なんてない。或いは、あらゆる天気は、悪くもあるし、良くもある。世間一般に迎合する態度は、往々にして、一方的な恣意性の暴力の限りを尽くしたものにしか見えない。

「良い」天気もきっとその一つなのだろう。

誰かさんにとっての、「良い」天気は、雨だもんで。




今日も大学生は惟っている。



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