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これだけは読んで欲しい!おすすめ作品まとめ

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作者が書いてきた短編小説の中で、自信作を厳選して、まとめました。本当にオススメ作品ばかりです。
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幻交【小説】〜初投稿から二周年記念作品〜

新条光子サイドNo.1 いつもの毎日

雪が空から降っている。キラキラと光る雪はたちまち地面を真っ白にした。季節は冬。ガラス張りなので仕事中に外を見渡せる。外を見ると薄く積もった雪の上をコートに身を包んで歩いている人が沢山居た。ここ東京・銀座では何日間か続けて雪が降っている。クリスマスが近づいているせいか、カップルが街を歩く姿が多くなったような気がする。宝石店で結婚指輪を探し求めているのかと推測す

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地平線【小説】

地平線【小説】

プロローグ

長い長い道を走っている。この道を表現するなら地平線という言葉が最もふさわしいだろう。車の助手席に乗っている須田賢治は、右アシストグリップに掴みながら右窓の外に見える砂漠に目を向けた。遠くを見つめても終わりがないみたいに砂漠が続いている。空は青い。まさに大自然の中を走り抜けている。場所はアフリカ州のスーダン辺と思っている。正確な場所は分からない。ただ、ハルツームは超えている。なぜ分かる

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氷山の一角【小説】

氷山の一角【小説】

第一章 学生生活

周りを見ると真っ白な世界が広がっている。雪の冷たさと白さを感じながら立っている。地平線とまでは言わないが、この広大な土地に終わりがあるのか分からなくなりそうなくらいに広い田んぼが連なっている。ここは東北のとある田舎町。長いスカートを穿いているのに、膝から下が寒くて凍りそうになる。無意識に吐く息が白く染まる。その煙から父の吸っていたタバコを連想する。突然の風で長い髪がなびく。今日

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カウンセラー【小説】

小さな個室にはクーラーが効いている。暑い空気を吹き飛ばすように風が流れてくる。夏は暑い。それは誰もが分かることだろう。そんな中、スクールカウンセラーとして働いている僕は今山という高一の女子生徒と話している。僕は毎週木曜日に勤務していて、生徒相談は保健室の先生を通じて知らされる。週一なので相談する生徒は結構多い。その今山という生徒は僕と初めて話す生徒だ。恋愛相談とか人間関係とか進路相談とか話す内容は

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原因【小説】

原因【小説】

プロローグ今日も会社が終わった。3時間ほど、残業したので、いつもより遅い時間の帰宅となった。遅くなるので、妻にLINEを送った。『今日は遅くなるから』とメッセージを打つ。去年から新しく始まったサービスなのだが、なかなか使い勝手がいい。ユーザー数も右肩上がりで増えてきている。2010年代に入って便利な世の中になって来た。2008年に登場したスマートフォンという機種が人気急上昇中だ。

いつものように

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シングルマザー【小説】

疲れたので公園のベンチに座る。午前中に一件の仕事があった。それはとても大変で一日の体力を使い果たした。暑くて苦しいので、ネクタイを緩める。そのとき、横から赤ちゃんの鳴き声が聞こえた。ふと、右隣のベンチに目をやる。若い女性、その赤ちゃんの母親と思われる人が赤ちゃんを抱っこしながら慰めている。その赤ちゃんが男の子なのか女の子なのか分からないが、カワイイ。どちらの性別でもカワイイ。二児の面倒を見るのは大

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タイムワープ【小説】

中学三年生の春、桜はキレイに咲き渡り、その中の校内に一人の少女が居た。それは、主人公である皮井美子である。この小説は恋愛物語なので、彼女がどんな人か想像出来るだろう。彼女は勉強が得意、そして美人だ。そんな彼女の恋愛物語です。

校内、教科書を持ちながら複数人の男子とすれ違いざま、ふとグラウンドの方を見た。そこに居たのは、私が好きな男子である高井くんだ。彼はスポーツが得意でサッカー部の部長でもある。

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