hiromi

2022年の6月に肺腺がんのステージ4と診断されたけど、今のところ元気。人生初の大きな…

hiromi

2022年の6月に肺腺がんのステージ4と診断されたけど、今のところ元気。人生初の大きな病気で、私にとってがんと向き合うことは全てが未知との遭遇。命の終わりの可能性を突きつけられて感じたことや、大事にしたいことをきちんと書き残しておきたい。精神保健福祉士&社会福祉士。

記事一覧

初めての毎日を生きる

小布施見にマラソンに参加した。 当日は雨予報だったが、朝6時のスタート時には柔らかな陽射しも出てきて走るのにはいい条件。 見にマラソンとは? ハーフマラソンなのだ…

hiromi
3日前
12

姓という看板

学校を卒業して四半世紀、私は自分の姓を看板として仕事をしてきた。傍から見たら「ただの会社員じゃねーか」との声もあるだろうが、私は自分の看板は自分で創る!位の気概…

hiromi
3週間前
14

ここが世界の全てじゃない

忘れられない女性の一人に、大野 一枝先生がいる。 私の中学一年生の時の国語教諭だった。 そして、今はもういない。 大野先生は私より10歳年上。新卒の国語教師として…

hiromi
5か月前
25

がん患者の退職 決断の前には情報収集②

前回からの続きです。 私自身が調べたこと ①退職後の健康保険 保険料を比較 退職前に、 健保の任意継続と国保 どちらが保険料を低く抑えられるか比較。 私の場合は国…

hiromi
5か月前
11

がん患者の退職 決断の前には情報収集①

はじめに 私は2023年11月に職場を退職した。 がんは小康状態を保っていたし傷病手当受給期間の満了での退職ではあったが、決断するまでは 「職場に退職届は出すのかな」 「…

hiromi
6か月前
27

障害を持つ子がいるということ

昼下がりの電車はガラガラだった。心地よい陽射しに半分うたた寝をしていたら、いきなり「ドスン」と衝撃がきた。 私の真隣に中年の大柄な男性が座ったのだった。こんなに…

hiromi
7か月前
24

ゲイの友人

数年ぶりに会った友人、彼はゲイだ。 LGBTQなんて言葉が巷から聞こえるようになるずっと前から、彼は私にフツウって何?っていう問いと、私も含めた異性愛者が自らがスタン…

hiromi
11か月前
37

みっともない姿でも

今日は検査で通院。 病院の待合にいると、この人もう長くないかもしれないな、と思わせる患者の姿を目にすることもある。その同じ場に患者の一人として放り込まれている状…

hiromi
11か月前
39

主治医の顔色が気になるのは、恋と似ている?!

今回の外来診察、主治医はいつになく余裕がなさそうな様子だった。病棟で急患でも出たのか首元に汗をびっしょりかいて、早口で…。 主治医は病棟と外来の両方を担当してい…

hiromi
1年前
17

ヤマビルから生きるを学ぶ

雨の翌日、丹沢の鍋割山に行った。 この時期の山登りではヤマビルが悩みの種だ。近年丹沢では鹿が増え、一緒にくっついてきたヤマビルもエリア拡大中らしい。虫除けスプレ…

hiromi
1年前
15

夫が買ってくれたミキサー

先日、がんがわかって1年たったので主治医に当初の診たてをきいてみた。 すると「このタイプのがんは抗がん剤が効きづらく1年生存率20%という見方もあった」との話だった…

hiromi
1年前
15

肺がん2年生からあなたに、身近なひとががんになった時にお願いしたいこと

がんがわかって、ようやく1年。 昨日のことのように思うときもあるし、すごく昔のことのような気もする。 がんがわかったとき、私の周りのひとの反応は様々だった。ぱった…

hiromi
1年前
28
初めての毎日を生きる

初めての毎日を生きる

小布施見にマラソンに参加した。

当日は雨予報だったが、朝6時のスタート時には柔らかな陽射しも出てきて走るのにはいい条件。

見にマラソンとは?

ハーフマラソンなのだが、民家の軒下や田んぼの畦道など、通常考えられるマラソンコースとは趣を異にしている。タイムを競うのではなく、小布施という街と人を半日かけて楽しんでくださいね、というコンセプトらしい。仮装も歓迎とのこと。

私は2月の10キロマラソン

もっとみる
姓という看板

姓という看板

学校を卒業して四半世紀、私は自分の姓を看板として仕事をしてきた。傍から見たら「ただの会社員じゃねーか」との声もあるだろうが、私は自分の看板は自分で創る!位の気概でやってきた。時に空回りしてる時もあったけどね。笑。

結婚して夫の姓になってからも元の職場では馴染み深い旧姓で通してきた。

ところが、だ。

昨年冬に仕事を辞め職業訓練校に通っているが、誰も私のことを旧姓で呼んでくれない。当たり前だ。職

もっとみる

ここが世界の全てじゃない

忘れられない女性の一人に、大野 一枝先生がいる。

私の中学一年生の時の国語教諭だった。

そして、今はもういない。

大野先生は私より10歳年上。新卒の国語教師として私の中学校に配属された。

当時、私のクラスは学級崩壊状態。

小学校から一緒だった子たちが、ある日
いきなり化粧をし出して、きれいなお姉さんに豹変したり
頭には剃り込み、学ランを短くして歩き方まで変わったり。

授業中も歩き回って

もっとみる
がん患者の退職 決断の前には情報収集②

がん患者の退職 決断の前には情報収集②

前回からの続きです。

私自身が調べたこと

①退職後の健康保険 保険料を比較

退職前に、
健保の任意継続と国保
どちらが保険料を低く抑えられるか比較。

私の場合は国保の方が圧倒的にお得だった。

国保に
『非自発的に離職した方への国保料軽減措置』
という制度があり、該当するかはハローワークの離職理由コードで判断される。

この措置によると、
給与所得を実際の給与の3割と見なして
国保保険料&

もっとみる
がん患者の退職 決断の前には情報収集①

がん患者の退職 決断の前には情報収集①

はじめに
私は2023年11月に職場を退職した。
がんは小康状態を保っていたし傷病手当受給期間の満了での退職ではあったが、決断するまでは
「職場に退職届は出すのかな」
「私の場合、退職後の失業給付は何日間もらえるのだろう」
など色んな疑問と不安があった。

そこで、水戸部ゆうこさんのnoteでお名前を知った社会保険労務士の清水公一先生にご相談させていただいた。

清水先生におしえていただいたこと①

もっとみる
障害を持つ子がいるということ

障害を持つ子がいるということ

昼下がりの電車はガラガラだった。心地よい陽射しに半分うたた寝をしていたら、いきなり「ドスン」と衝撃がきた。

私の真隣に中年の大柄な男性が座ったのだった。こんなに空いているのになんで隣に?、勢いよく座るなよ…との思いがよぎる。

私のちょっとしたイラつきはどこ吹く風、男性は全く気づいていない。

少し遅れて、80代前半とおぼしき小柄な女性が男性を追いかけるように横に座った。

「◯◯くん、そんなに

もっとみる
ゲイの友人

ゲイの友人

数年ぶりに会った友人、彼はゲイだ。

LGBTQなんて言葉が巷から聞こえるようになるずっと前から、彼は私にフツウって何?っていう問いと、私も含めた異性愛者が自らがスタンダードだと疑わない傲慢さを教えてくれた。大切な友人。

久しく会わなかったのには理由があった。

20代から30代半ばまで本当によく遊んだ。新宿2丁目に連れて行ってもらって、私はゲイやレズビアンのコミュニティがあることを知った。その

もっとみる
みっともない姿でも

みっともない姿でも

今日は検査で通院。

病院の待合にいると、この人もう長くないかもしれないな、と思わせる患者の姿を目にすることもある。その同じ場に患者の一人として放り込まれている状況に、なんで私ここにいなくちゃいけないんだろう、と心がざらっとヒリつく時がある。私もがんだから、病院に来る必然性は十分あるのだけど。

各科の受付は患者の取り違え防止のため毎回、名前と生年月日を聞く。他の患者の生年月日を耳にして「ああこの

もっとみる
主治医の顔色が気になるのは、恋と似ている?!

主治医の顔色が気になるのは、恋と似ている?!

今回の外来診察、主治医はいつになく余裕がなさそうな様子だった。病棟で急患でも出たのか首元に汗をびっしょりかいて、早口で…。

主治医は病棟と外来の両方を担当していて、呼吸器内科でも責任ある立場にいる。人間だから、調子のいい時も悪い時もあるだろう。
私自身医療職の端くれでもあったので、勤務医がどれだけ過酷な業務をこなしているかは理解しているつもりだ。

今までも風邪だ何だと色んな医者に診てもらってき

もっとみる
ヤマビルから生きるを学ぶ

ヤマビルから生きるを学ぶ

雨の翌日、丹沢の鍋割山に行った。

この時期の山登りではヤマビルが悩みの種だ。近年丹沢では鹿が増え、一緒にくっついてきたヤマビルもエリア拡大中らしい。虫除けスプレーと、アルコールスプレー、塩(ヤマビルにかけると死ぬ)、とにかく思いつくものは全て持って行った。

表丹沢県民の森にクルマを置いて出発。
うーん、やはり前に登った時よりペースが上がらない。心臓がバクバクしてる。

前日の雨で四十八瀬川の流

もっとみる
夫が買ってくれたミキサー

夫が買ってくれたミキサー

先日、がんがわかって1年たったので主治医に当初の診たてをきいてみた。
すると「このタイプのがんは抗がん剤が効きづらく1年生存率20%という見方もあった」との話だった。
え?生存率20%って?私のこと?
そんなに厳しい見方をしていたんだ、と衝撃。どうりで復職を勧めなかったわけだ。

がんが判明して抗がん剤治療を始めるにあたり、主治医からは「抗がん剤はやってみないとわからない、副作用も人によって全然出

もっとみる
肺がん2年生からあなたに、身近なひとががんになった時にお願いしたいこと

肺がん2年生からあなたに、身近なひとががんになった時にお願いしたいこと

がんがわかって、ようやく1年。
昨日のことのように思うときもあるし、すごく昔のことのような気もする。

がんがわかったとき、私の周りのひとの反応は様々だった。ぱったり連絡が来なくなったひと、腫れ物に触るかのようにどう接したらいいのかわからない様子のひと、そしていつも気にかけてくれるひと。

私はがんだとは夢にも思わずに仕事を続けていて、腰と肩の痛みが耐えられなくなって救急車で搬送された。整形の疾患

もっとみる