見出し画像

初めての毎日を生きる

小布施見にマラソンに参加した。

当日は雨予報だったが、朝6時のスタート時には柔らかな陽射しも出てきて走るのにはいい条件。

見にマラソンとは?

ハーフマラソンなのだが、民家の軒下や田んぼの畦道など、通常考えられるマラソンコースとは趣を異にしている。タイムを競うのではなく、小布施という街と人を半日かけて楽しんでくださいね、というコンセプトらしい。仮装も歓迎とのこと。

走る前
赤い彗星シャアと記念撮影


ミニオンズの皆さんと
クオリティ高し!


私は2月の10キロマラソン以来だし、夫に至っては数年前の5キロが最長というヘタレ夫婦であったが、参加してよかったと心から言える。

この大会にはゼッケンが2つある。

前面につけるのは番号が書いてあるゼッケン、背面のは「◯◯県からエントリー」の下に一言コメント記入欄があるもの。

私は「肺がんあるけど完走目指します☺」と記入した。

ショッキングピンクの大会Tシャツを着て
メッセージはサインペンで書きたかったな

複数人のランナーから「私も乳がんあるんです」とか、「手術も抗がん剤もやりましたよ」とかお声掛けをいただいた。
地元の皆さんの心尽くしのエイドと給水も美味しくいただいたけど、それよりもパワーをもらった。
自己開示をすると、新しい関係が広がることもある。すごいことだな。


2022年6月にがんがわかって一年経ったとき、主治医に私の余命について当初の見立てはどうだったのか?と聞いたら「一年後生存率は20%くらいとみていた」と。

そして「私の臨床経験の中で、あなたは最強の患者さんのひとりです」とも。


こうして走れるのも、新しい出会いを喜べるのも当たり前じゃない。


私がいまメインで使っている抗がん剤は免疫チェックポイント阻害薬(キイトルーダ)という免疫の働きを上げてがんを抑える薬。
比較的新しい薬だが、免疫が働きすぎて自己免疫疾患的な事象(免疫関連有害事象(irAE))が出ることがあり、それがきつくて使い続けられない人も少なくないらしい。
私も少し、しびれが出ている。


当たり前だけど、私は人生で初めての肺がん、初めての48歳を生きている。

私は何でも120%でやっちまうところがあり、程々にしておこう、ができない。

無理しないでね、と周りに言われるが、無理し過ぎと自己満足のギリギリのラインを攻めている。
山のヤセ尾根を落ちずに歩くようなイメージで。

ちょっと体調が良くないと副作用かな…と
ビビったりするけど、
私は私の初めてを楽しみたい。


今回の小布施で偶然、交錯した皆さんの
それぞれの毎日とそれぞれの人生を歓び合い尊ぶっていいな、と走りながら感じた一日だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?