礼節の効能
観たことがない人でも、「孤独のグルメ」についてはご存知の方が多いかと思います。
松重豊さん演じる主人公、井之頭五郎が様々な町でフラッと見つけたお店でただただ食べるというドラマです。
役者の松重さんは、ひょろっと背が高く、優し気で剽軽な雰囲気で演じていらっしゃいますが、実は原作はどちらかというともう少し硬派な感じなのです。
2巻まで刊行して、作画家がお亡くなりになられたので、残念ながらもう漫画版は終了してしまっているのですが、絵のタッチはまさに劇画調であり、主人公にもハードボイルド感が漂っています。
ドラマでも本当に最初の頃にお披露目されたようですが、祖父から古武術を習っていて現在もトレーニングは怠っていないという設定の体育会系ゴリゴリの主人公。
原作から入った身としては、ドラマで演じる松重さんとのギャップに最初の頃は戸惑いを覚えたものです。
今ではすっかりドラマの方が主流になってしまい演技にも慣れてしまいましたけど。
そんな主人公ですが、原作の漫画の中では、ただ静かに食べるだけでなく、理不尽にスタッフを叱り飛ばす店主に関節技を極めちゃったりしています。
楽しみにしていた美味しい食事の時間、目の前に食べたくてオーダーした食べ物が出てきているのに、カウンターの向こうの厨房では、スタッフがひたすら大声で店主に暴言を浴びせられたり、ネチネチと嫌味を言われ続けたりしている。なんなら、軽い暴力まで振るわれている。
せっかくの食事に集中できないどころか、一緒の空間に居ることで言葉の暴力も浴びせられ、視覚的な暴力も目に飛び込んできます。
まさに「飯がまずくなる」とはこのことです。
見るに見かねて口や手を出して、反撃してきた店主にアームロックを極める。
最終的には被害を受けていたスタッフに止められて、なんなんだ、とモヤモヤした気持ちのまま食事を残して店を後にする、なんてエピソードがありました。
今のほのぼのしたマンネリズムからは想像つかない話の展開ですよね。
ベストセラーとなった、「Think CIVILITY 『礼儀正しさ』こそ最強の生存戦略である」という本があります。
礼節の効能について、それがいかに自分も人も幸せにする要素であるかが多くの事例を用いられて分かりやすく説かれています。
そして「礼節を守る」ということは、実は「無礼な態度を取らない」ということにも通じます。
先に述べたような店主の無礼な態度は、組織内に当てはめると以下のようなデメリットがあると言います。
つまり、無礼な人を組織の中で放置するということは、実害以外何もないどころか、マイナスコストがかかるということです。
本では以下の様に締めくくっています。
礼節をもって接することを通して、部下たちに「自分の持っているものを職場に惜しみなく提供したい」と思わせる環境を整えていくことが上長としての役割なのです。
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