マガジンのカバー画像

毎日読書メモ

544
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

春のみみずく朗読会、雑誌掲載(「新潮」2024年6月号)(毎日読書メモ(536))

春のみみずく朗読会、雑誌掲載(「新潮」2024年6月号)(毎日読書メモ(536))

2024年3月1日、早稲田大学大隈記念講堂で開催された、「早稲田大学国際文学館主催 村上春樹ライブラリー募金イベント Authors Alive!~作家に会おう~特別編 『村上春樹×川上未映子 春のみみずく朗読会』に行ってきた、その時の記録が雑誌に掲載された。

「新潮」2024年6月号、創刊120周年記念号でもあり、川端康成文学賞発表業でもあり、そこに「春のみみずく朗読会」特集をつけ、当日読まれ

もっとみる
恩田陸『spring』(毎日読書メモ(535))

恩田陸『spring』(毎日読書メモ(535))

4月に刊行された恩田陸『spring』(筑摩書房)を読んだ。雑誌「ちくま」に2020年から2023年にかけて連載されていたバレエ小説。

バレエ。その鋭さ、その華やかさ、その躍動感、それをどう言語化するのか。その試みは、かつてピアノコンクールの情景を言語化してみせた『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)に通ずるものがある。というか、先行する『蜜蜂と遠雷』を意識せずには読めない。それがこの小説にとって幸福だったの

もっとみる
宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』(毎日読書メモ(534))

宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』(毎日読書メモ(534))

複数の紹介記事で見かけて心惹かれた、宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』(朝日新聞出版)を読んだ。予想以上に、物語に心を残してしまう、これまで読んだどんな物語とも似ていない、不思議な物語だった。それは近代史のおさらいでもあり、先進IT国家となったエストニアの生存戦略のガイドブックでもあり、犯罪のないミステリでもあり、青春小説でもあった。

印象の淡い表紙(金子幸代装画)は、物語の中盤まで来た時に、

もっとみる
原田ひ香『三千円の使いかた』(毎日読書メモ(533))

原田ひ香『三千円の使いかた』(毎日読書メモ(533))

原田ひ香『三千円の使いかた』(中公文庫)を読んだ。単行本が出たのが2018年、文庫になったのが2021年8月だが、それ以降、新聞広告でどれだけプロモーションされてきたことか。めっちゃ重版されてる。
テレビドラマにもなっていたが、本読む前にイメージできちゃうのがいやだったので見ていない。なので、新聞広告で見た以上のイメージはなしに読み始める(なので、イメージ持ちたくない方はこの先は読まない方がいいで

もっとみる