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8月はアジア・太平洋戦争の終結した季節。あなたは誰の目から戦争を見る?【ドキュメンタリー編】

8月はアジア・太平洋戦争の終結した季節。あなたは誰の目から戦争を見る?【ドキュメンタリー編】

8月6日は広島、9日は長崎に原爆が落とされた日。8月15日は終戦記念日、多くのアジア諸国にとっては植民地解放と新たな戦争が始まった日。人間が最も残酷にならざるを得ない「戦争」という非日常空間を二度と経験しないために、あなたは誰の目から、どんな戦争を見る?

『ひろしま』(監督:関川秀雄、1953年)

原爆が落とされた日からたった8年でも、その時の記憶は風化する。広島の教職員たちがあの日を次世代に

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実際に弾いている!演奏シーンがとにかくすごい。必見・必聴の音楽映画6選

実際に弾いている!演奏シーンがとにかくすごい。必見・必聴の音楽映画6選

『戦場のピアニスト』(監督:ロマン・ポランスキー、2002年)

中学生の時に映画館で観て、色々な意味で衝撃を受けた名作。ポーランドを代表する作曲家であり、生涯亡命を余儀なくされたショパンの美しいピアノ音楽が、ポーランドのユダヤ人が置かれた境遇と重なり、映画全体を印象づける。

物語のクライマックスで弾かれる命を懸けたバラード第1番はもちろん(モデルとなったピアニストのシュピルマンは、実際には「遺

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3月8日は《国際女性デー》:今日のわたしたちをつくった先輩たちに感謝をささげる、たたかう女たちの映画8選②1960年代~現代まで

3月8日は《国際女性デー》:今日のわたしたちをつくった先輩たちに感謝をささげる、たたかう女たちの映画8選②1960年代~現代まで

3月8日は「国際女性デー」。女性の権利を獲得するための闘いの歴史をたたえ、今日もまだ絶えない性差別被害に思いを馳せる日です。いまも昔も、世界のどこかでたたかっている女性たちと時代を共にしながら、私たちも力をもらう、そんな機会にしてみては。

トップ画像:映画『ドリーム』より (C)2016 Twentieth Century Fox

『ドリーム』(監督:セオドア・メルフィ、2016年)黒人の公民

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3月8日は《国際女性デー》:今日のわたしたちをつくった先輩たちに感謝をささげる、たたかう女たちの映画7選①19世紀~1950年代まで

3月8日は《国際女性デー》:今日のわたしたちをつくった先輩たちに感謝をささげる、たたかう女たちの映画7選①19世紀~1950年代まで

3月8日は「国際女性デー」。女性の権利を獲得するための闘いの歴史をたたえ、今日もまだ絶えない性差別被害に思いを馳せる日です。最近は、女性にサービスをする「レディス・デー」と混同されがちになっていますが、権利の平等、機会の平等、セクシュアル・ハラスメント、性暴力に立ち向かってきた女たちの影の歴史を、あらためてひも解く機会にしてみては。

タイトル画像は、女性初の米国最高裁判事に選ばれる際の公聴会でス

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1月27日は《ホロコースト犠牲者を想起する国際デー》:過去の過ちから何を学び、今にどう生かすかを考える映画7選

1月27日は《ホロコースト犠牲者を想起する国際デー》:過去の過ちから何を学び、今にどう生かすかを考える映画7選

1月27日は、国連が定める国際記念日「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」ということで、今回はナチスドイツ時代を取り扱った映画をご紹介。実在した人物をもとにした映画から、自分とは関係ないと思っている過去に何を学ぶかを教えてくれる映画まで、厳選してみました。

『アイヒマンを追え!ナチスが最も畏れた男』
(監督:ラース・クラウメ、2015年)アウシュヴィッツ強制収容所をはじめとする迫害施設に、ユダ

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年末年始、みんなで観たい《美味しい映画》まとめ

年末年始、みんなで観たい《美味しい映画》まとめ

家で過ごす時間もたっぷり取れる年末年始、家族や友人同士、もちろん1人でも観て楽しく、お腹が減っちゃう映画5選。くれぐれも深夜に観ないよう、ご注意を。

『レミーのおいしいレストラン』
(監督:ブラッド・バード、2007年)一流シェフを夢見るネズミ・レミーが、ドジな見習いのリングイニと共に厨房をのし上がる物語。忙しい厨房の様子も楽しいし、原題のラタトゥイユが出てくる場面では、野菜をじっくりコトコト煮

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映画に学ぶ《たたかう韓国》まとめ

映画に学ぶ《たたかう韓国》まとめ

noteをはじめてこのかた3年、おかげさまで900名以上のフォロワーの方に読んで頂いております。

音楽やローカルなイベント情報、ビジネスアイディアや個人的ポリシーまで、さまざまに書き散らしてきましたが、ほぼ毎月きちんと書いてきたのが映画コンテンツ「今月見た映画」でした。

せっかくなので、noteを始めるより以前に観た映画たちも交えつつ、テーマごとに(たまに)まとめていくことにしました。というこ

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今月見た映画(2021年9月)

今月見た映画(2021年9月)

バンクシー・ダズ・ニューヨーク(原題:Banksy does New York;2014年、米国)
バンクシーがNYに来た!神出鬼没し、一夜のうちに街中に作品を置いていくバンクシーを追う市民、一攫千金を狙うギャラリストあるいは「盗人」、そして作品を「取り締まる」警察やペンキ職人。何が作品で、何が価値で、何が正義なのかを鮮やかに問い返す、ドキュメンタリー群像劇。

SNS-少女たちの10日間(原題:

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今月見た映画(2021年2月)

2月に見た映画!民主主義のありがたみについて勉強した1ヶ月でした。

ヒトラー暗殺、13分の誤算(原題:Elser;2015年)
1939年、ポーランドに侵攻したヒトラーがミュンヘンで行った演説会で、ヒトラー暗殺を試みたゲオルク・エルザーを題材にした映画。連行される場面から始まり、尋問されるたびに過去に戻るという構成。時代考証はちょっとハテナなところがありますが、そもそもこの人の手がかり自体が少な

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今月見た映画(2021年1月)

今年も積んでいきます、含蓄のある映画。たまに息抜きも。

キッチン〜3人のレシピ〜(原題:Kitchen;2009年)
思いがけず、今年一発目の映画が息抜き映画。シン・ミレのファッションと、傘屋さんが可愛い。ストーリーは韓国の恋愛映画らしく、予想のナナメ上を行く展開。

ドリーム(原題:Hidden Figures;2017年)
元気になりたくて、2度目の鑑賞。女性差別×黒人差別の複合パンチを受け

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今年見た映画(2020年下半期)

今年は本当に時間が早い…。おそらくこれから年末まで息つく暇はないだろうということで、2020年上半期に引き続き、下半期に見た映画をまとめました。

スウィング・キッズ(原題:스윙키즈)
EXOのD.O.が出ているというだけで観た映画(笑)。朝鮮戦争時代、米軍が巨済島に作った捕虜収容所がモデルになっています。時代考証がどのくらいきちんとしているかは謎ですが、ディオのタップダンスが上手でした。

タク

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今年見た映画(2020年上半期)

前回の投稿から早くも1年近くが経過してしまいました!メモをもとに記憶をさかのぼりつつ、2020年上半期に観た映画をピックアップしてみます。

ビリーブ 未来への大逆転(原題:On the Basis of Sex)
米国初の女性最高裁判事として歴史に残る偉業を残し、今年87歳の大往生を遂げたルース・ベイダー・ギンズバーグが、弁護士としてのキャリアをスタートさせるまでのドキュメンタリーフィクション。

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今月見た映画(2019年5月~12月)

いや、もはや「下半期見た映画2019」ですが。今年は今までにないくらいあっという間に時間が過ぎていく。少ない中でも巡り会えました、良い映画。

オーケストラ・クラス(原題:LA MÉLODIE)
パリのとあるやんちゃな教室で、厳格な音楽教師がオーケストラを教える。音楽を通して体験する挫折や失敗も、頑張った末の成功も、環境のせいで将来をあきらめがちな子どもたちを変化させていく―。

同じような筋書き

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今月見た映画(2019年4月下旬)

昼間が長くなって、ちょっと嬉しくなる毎日ですね。日が長いと、仕事帰りに買い物して、家帰ってごはん作って、ごはん食べながら映画見て…という人間らしい生活ができます。ずっと春だったらいいのに。

「万引き家族」のあと、タガが外れたように見まくった映画の数々です。

命をつなぐバイオリン(原題:Wunderkinder)
軍靴の音が近づくウクライナで、音楽の才を授けられた3人の子どもたち。ウクライナがソ

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