唐川恵美子(エミリー)|ほっちのロッヂ

福井県三国町育ち。じゃがいもが好きという理由でドイツ語を専攻し、学生時代はウィーンに留学。2016年に福井へUターン、坂井市・竹田地区で地域づくりの仕事に携わる。地域の中でアートが根づく「アーティスト・イン・ばあちゃんち」を主宰。ほっちのロッヂ・アートコーディネータ。

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福井県三国町育ち。じゃがいもが好きという理由でドイツ語を専攻し、学生時代はウィーンに留学。2016年に福井へUターン、坂井市・竹田地区で地域づくりの仕事に携わる。地域の中でアートが根づく「アーティスト・イン・ばあちゃんち」を主宰。ほっちのロッヂ・アートコーディネータ。

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    勝とうとするな。負けんぞと思え、という教え

    (執筆:2017年1月頃。当時執筆者は福井におりました) 福井にUターンしてきてから、何かと移住者コミュニティと新しく知り合う機会が多い。移住者のみなさんはきっと知らないであろう、「マイナーな分野で実は日本一」ブランドを誇る福井が、百人一首競技かるたというまたもマイナーな分野で「かるた王国」の二つ名を馳せていることを(ただし『ちはやふる』愛読者を除く)。 そんな王国にはかつて、さかんなところだと公民館ごとにかるた教室があった。私は小学校3年生で福井に転校して、学校でもらっ

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        1、手足を動かすこととにかく現場の感覚を知る。足を動かし、一緒に作業し、世界の内部で共有されている不文律を体験してみる。これをサボったばかりに、うまくいかなかったことの方が多い。 2、「誰か1人」の話を聞くことすべての人がユニークで個別的な物語を生きている。その中で感じている幸せのあり方、工夫、課題と解決法を学び取る。その人のためになることを全力で考える。 3、情報を入れすぎないこと事前の準備として、似た業界の取り組み、すでに展開されているサービス、流行、業界の「あたりま

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            ものは言いよう

            八方美人、一視同仁。 器用貧乏、多芸多才。 頑迷固陋、確乎不抜。 慇懃無礼、侃々諤々。 漱石枕流、朝過夕改。 安歩当車、日進月歩。 臥薪嘗胆、春宵一刻。 四角四面、知崇礼卑。 大器小用、大器晩成。 火中取栗、多情仏心。一飯之恩。陰徳恩賜。 愛別離苦、一樹之陰。 雲外蒼天、万目荒涼。 自由奔放、孤影悄然。 大胆不敵、豪放磊落、壊れた民主主義、 苛政猛虎。弱肉強食。新たな夜明け。 巧言令色、 ものは言いよう。 (詩作)2019.9.26 (参考

            3月8日は《国際女性デー》:今日のわたしたちをつくった先輩たちに感謝をささげる、たたかう女たちの映画8選②1960年代~現代まで

            3月8日は「国際女性デー」。女性の権利を獲得するための闘いの歴史をたたえ、今日もまだ絶えない性差別被害に思いを馳せる日です。いまも昔も、世界のどこかでたたかっている女性たちと時代を共にしながら、私たちも力をもらう、そんな機会にしてみては。 トップ画像:映画『ドリーム』より (C)2016 Twentieth Century Fox 『ドリーム』(監督:セオドア・メルフィ、2016年)黒人の公民権運動が盛り上がる1960年代、米国。高度な知識とひらめきをもつ有能な3人の黒人

            3月8日は《国際女性デー》:今日のわたしたちをつくった先輩たちに感謝をささげる、たたかう女たちの映画7選①19世紀~1950年代まで

            3月8日は「国際女性デー」。女性の権利を獲得するための闘いの歴史をたたえ、今日もまだ絶えない性差別被害に思いを馳せる日です。最近は、女性にサービスをする「レディス・デー」と混同されがちになっていますが、権利の平等、機会の平等、セクシュアル・ハラスメント、性暴力に立ち向かってきた女たちの影の歴史を、あらためてひも解く機会にしてみては。 タイトル画像は、女性初の米国最高裁判事に選ばれる際の公聴会でスピーチをするルース・B・ギンズバーグ(撮影:R. Michael Jenkins

            芋のような人でありたい宣言

            私は物心ついたときから、じゃがいもが大好きだ。小、中学生の頃は、母にじゃがいもを箱買いしてもらって、学校から帰ったら、レンジでチンしてマーガリンをたっぷり落としたじゃがバターを3つ食べるのが習慣だった。大人になった今でも、ここ一番に頑張った時は、フライドポテトを食べるようにしている。 そんな私の2022年の目標は「芋のような人である」ということだ。 まず、じゃがいものここがすごい。①個性豊か。 じゃがいもは、どう料理しても美味しいのだ。しかも料理法によって、さまざまな個

            ❝アートは役に立つ❞ へのささやかな反抗と、❝役に立たないアート❞ へのささやかな擁護

            1、アートは役に立つ論が独り歩きすることへの違和感と、ちょっとした苛立ちデザイン思考などと並べて論じられるアート思考とは「ゴールを設定せず、プロセスを重視する」点で他と区別されます。課題発見から解決策までを視野に入れるデザイン思考とは違い、アートには特に「当たり前とされていることに問いを投げかける」という役割を期待されている節があります。 この役割は、まぎれもなくアート活動が生み出すインパクトの一側面であるし、アーティストの視点が創作活動以外にも応用できることを強調すること

            1月27日は《ホロコースト犠牲者を想起する国際デー》:過去の過ちから何を学び、今にどう生かすかを考える映画7選

            1月27日は、国連が定める国際記念日「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」ということで、今回はナチスドイツ時代を取り扱った映画をご紹介。実在した人物をもとにした映画から、自分とは関係ないと思っている過去に何を学ぶかを教えてくれる映画まで、厳選してみました。 『アイヒマンを追え!ナチスが最も畏れた男』 (監督:ラース・クラウメ、2015年)アウシュヴィッツ強制収容所をはじめとする迫害施設に、ユダヤ人移送を指揮したアドルフ・アイヒマンを執念で追い続けた検察官、フリッツ・バウア

            年末年始、みんなで観たい《美味しい映画》まとめ

            家で過ごす時間もたっぷり取れる年末年始、家族や友人同士、もちろん1人でも観て楽しく、お腹が減っちゃう映画5選。くれぐれも深夜に観ないよう、ご注意を。 『レミーのおいしいレストラン』 (監督:ブラッド・バード、2007年)一流シェフを夢見るネズミ・レミーが、ドジな見習いのリングイニと共に厨房をのし上がる物語。忙しい厨房の様子も楽しいし、原題のラタトゥイユが出てくる場面では、野菜をじっくりコトコト煮込みたくなる気分に。 親子で楽しい度:★★★★★ 吹き替え版もあり! おなかが

            映画に学ぶ《たたかう韓国》まとめ

            noteをはじめてこのかた3年、おかげさまで900名以上のフォロワーの方に読んで頂いております。 音楽やローカルなイベント情報、ビジネスアイディアや個人的ポリシーまで、さまざまに書き散らしてきましたが、ほぼ毎月きちんと書いてきたのが映画コンテンツ「今月見た映画」でした。 せっかくなので、noteを始めるより以前に観た映画たちも交えつつ、テーマごとに(たまに)まとめていくことにしました。ということで、今回は「映画に学ぶ《たたかう韓国》」というテーマで、8作品をピックアップ。

            今月見た映画(2021年9月)

            バンクシー・ダズ・ニューヨーク(原題:Banksy does New York;2014年、米国) バンクシーがNYに来た!神出鬼没し、一夜のうちに街中に作品を置いていくバンクシーを追う市民、一攫千金を狙うギャラリストあるいは「盗人」、そして作品を「取り締まる」警察やペンキ職人。何が作品で、何が価値で、何が正義なのかを鮮やかに問い返す、ドキュメンタリー群像劇。 SNS-少女たちの10日間(原題:V síti;2020年、チェコ) 俳優たちが10代の少女に扮し、出会い系サイト

            現場と呼ばれる仕事はすべて舞台づくりに似ている気がするし、これだから舞台づくりは楽しい、という話

            まつもと市民芸術館で「パレード・パレード」という芝居を観ました。思えば、2020年の2月に以前働いていた職場でコロナ前最後の舞台をやって以来だから、もう一年半ぶりの観劇。 暗喩だらけのセリフに、何とか意味を与えようと頑張っている脳みその残り半分で、「ああ。照明に照らされた俳優の汗は美しいなあ」とか「生演奏で感じる音圧はやっぱりいいなあ」とか「この値段でこのぐらいお客さんがいるなら、予算はこれぐらいかなあ」とかぼんやり考えていました。 とどのつまり「舞台はやっぱりいいなあ」

            今月見た映画(2021年3月~8月)

            パブリック 図書館の奇跡(原題:The Public;2018年) 大寒波が襲うニューヨークで、公共図書館を路上生活者のシェルターにするべく、1人の図書館員が奮闘する物語。冒頭、施設管理や公衆衛生の観点から路上生活者を排除したい当局側の締め出しは、公共施設あるあるすぎて。エンターテイメントとしても気楽に見られる映画。 女は二度決断する(原題:Aus dem Nichts;2017年) 「そして、私たちは愛に帰る」「ソウル・キッチン」など、絶対にハッピーエンドはなく、必ずラス

            私が本当はやりたいこと、これまでやってきたこと、これからやりたいこと

            私が本当はやりたいこと私は手仕事と学問が好きです。本当は、自分の食べるもの着るものは自分で作りたいし、書物を読んで、自分の知らない歴史に触れていたいし、自分の世界を音楽や詩で表現したい。 でも、世界にはこれらを私より上手にやっている人たちがいるので、ずっと後回しにしてきました。むしろ、そういう人たちの表現を伝える方に魅力を感じて、アートマネジメントという仕事をやっています。 この仕事を通して、自分が本当にやりたいことに没頭して自分の世界にいたら、なかなかつながれなかった世