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3月8日は《国際女性デー》:今日のわたしたちをつくった先輩たちに感謝をささげる、たたかう女たちの映画7選①19世紀~1950年代まで

3月8日は「国際女性デー」女性の権利を獲得するための闘いの歴史をたたえ、今日もまだ絶えない性差別被害に思いを馳せる日です。最近は、女性にサービスをする「レディス・デー」と混同されがちになっていますが、権利の平等、機会の平等、セクシュアル・ハラスメント、性暴力に立ち向かってきた女たちの影の歴史を、あらためてひも解く機会にしてみては。

タイトル画像は、女性初の米国最高裁判事に選ばれる際の公聴会でスピーチをするルース・B・ギンズバーグ(撮影:R. Michael Jenkins)。

『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』
(グレタ・ガーウィグ、2019年)

「女は結婚して子どもを産むのが幸せ?」―原作者のルイーザ・メイ・オルコットはすでに19世紀半ばにして、女たちにもさまざまな生き方とそれぞれの夢と幸せがあったことを伝えてくれる。原作とは異なるラストも見もの。

『未来を花束にして』
(監督:サラ・ガーヴロン、2015年)

19世紀末イギリス。女性の参政権、母親の親権、女性労働者の権利のための運動が沸点に達したころ、日本語タイトルからは想像もできないくらい過激な女性運動「サフラジェット」が誕生した。運動と生活のはざまに揺れる主人公の視点を通して、こんにちの女性の権利のありがたみに思いを馳せる。

『メアリーの総て』
(監督:ハイファ・アル=マンスール、2018年)

誰もが知る小説「フランケンシュタイン」の誕生秘話…。19世紀、ヨーロッパを席巻したロマン派の時代、ロマンばかり語って実を伴わないダメ男たちに囲まれて、若き女流作家メアリー・シェリーは自分のこころとからだの経験を出発点に、筆を執る。

『大コメ騒動』
(監督:本木克英、2020年)

田舎の漁村の“かか”たちが起こした小さな小さな夜回り活動。1918年、全国に広がり時の政府をも動かした米騒動は、家の釜のメシを司る女たちがはじまりだった。「女の言うことなんぞ聞いてくれんちゃ」たまにしか家に帰らない村の男たちの捨てゼリフにもめげない、女たちに胸アツ。

『ビリーブ』
(監督:ミミ・レダー、2018年)

法廷で「sex」なんて言葉、はしたない…。米国司法史上はじめて、判決文に「inequality based on sex(性差に基づく差別)」という文言を刻み込んだルース・B・ギンズバーグの自伝映画。母親の介護をする息子が介護手当の支給対象にならない「逆性差別」を起点に、法律自体に隠された性差別をあぶりだしていく。

『ビッグ・アイズ』
(監督:ティム・バートン、2014年)

大きな瞳が象徴的な子どもたちの絵で一世を風靡したマーガレット・キーン。口はうまいが、独占欲が強く画才のない夫の名前を借り、作品を世に売り出すこととなったが…。1950年代米国のシングルマザー、女性アーティストのおかれた立場とを如実に描いた作品。

『ココ・アヴァン・シャネル』
(監督:アンヌ・フォンテーヌ、2009年)

喪服の黒をシックなイメージに変身させたと思いきや、動きやすく機能的な服や小物で女性たちの社会進出を後押ししたココ・アヴァン・シャネルの生涯。大胆な発想と持ち前の愛嬌で、周りを動かす圧倒的な才能に憧れる。

これらの映画のプロデュースに携わっている、女性映画監督たちの前途を祝して。

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