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随想

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取り止めのない、日々の想いをツラツラと書いていきます。
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#仏教

“きれいごと”を言い続ける

“きれいごと”を言い続ける

「われわれの指は引き金にかかったままだ」

10月7日に端を発したパレスチナ問題は未だ緊張状態が続く。
11月下旬には、一時戦争を停止し人質開放などの合意がなされたが、冒頭のイスラム組織ハマスの声明が物語る通り、平和への糸口は見えない。

そのような中、埼玉在住の元イスラエル兵ダニー・ネフセタイさんの活動が目を引いた。
イスラエル内では次第に徹底的な報復を求める声が高まり、ガザ地区への大規模な攻撃

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お国言葉を見直してみる。

お国言葉を見直してみる。

みなさんは自分のお国言葉に誇りをお持ちだろうか。
いわゆる方言である。
私は東北出身なので、学生の頃までは典型的な訛りがあった。
今でも地元の友人と話すときは「んだんだ。んじゃ、そこにいくべ!」となる。
東京に出てきてからは恥ずかしさがあり、自然と抑制されていったが、今改めて考えると方言とは文化であり、守るべきものだと感じる。

先日、北海道でこの様なニュースが巷を賑わした。
「アイヌ語でバス出発

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「めでたくもあり、めでたくもなし」

「めでたくもあり、めでたくもなし」

室町時代の禅僧 一休宗純は正月を次のように詠んでいます。
「門松や(正月や)、冥土の旅の一里塚めでたくもあり、めでたくもなし」
一体どういう意味なのでしょうか。

日本には「数え歳」という文化があります。
日本仏教の行事は数え歳を基本にする事が多いです。
それは、この世に生まれた時から生命が始まるのではなく、お母さんの体内に生命が宿った時から命を頂いている、と考えるからです。
生まれた時に1歳、そ

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稲葉俊朗×早島英観 「いのち」について

稲葉俊朗×早島英観 「いのち」について

稲葉俊郎先生 新刊記念オンラインイベントにファシリテーターとして参加させて頂きます!
新刊『いのちは のちの いのちへ』

『いのちを呼びさますもの ―ひとのこころとからだ―』の第2弾として新刊『いのちは のちの いのちへー新しい医療のかたちー』が発売されました。

改めて、いのちとはなにか?私達が求めている医療とはどんなものかを、稲葉さんにお伺い出来ればと思っております。
今回、ファシリテーター

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オフラインとオンラインの「場」は同質?

オフラインとオンラインの「場」は同質?

お寺界隈にもコロナの影響は着々と忍び寄っている。
葬儀や法事の規模縮小や延期はもちろんの事、お寺さんの集まりや勉強会などもオンラインで行う機会が増えた。
おそらくどの業界よりもアナログに重きを置く人達が多い。
しかし、その固い頭と重い腰を一気に動かす程の衝撃なのだと改めてコロナの脅威を感じる。

先日、友人の誘いで初めてZoomの勉強会に参加した。時間は2時間程度だが、予想以上に快適だった。当初は

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「本を贈る」

「本を贈る」

1月31日〜2月1日で、私は書坊(https://shobo.machitera.net)のスタッフして二子玉川本屋博に出店しました。
そこで私は、書店員の真似事デビューを果たした訳ですが、お客様と本を通して会話をすると、相手も悩みや課題を打ち明けやすいのではないかな?と感じました。
お客様の課題や悩みに応じて、最適ではないかもしれないけど、自分なりに頭を悩ませて本を紹介するという体験はとても充実

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人に本を紹介してもらう効果

人に本を紹介してもらう効果

明けましておめでとう御座います。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

さてさて、note読書の方々は本好きの方も多くいらっしゃると思いますが、みなさんは「次何読もうかなぁ〜」と悩んだ時、どのようにして本を探しますか?
私はAmazonなどのオススメを参考にすることも多くありますが、やはりフラフラと立ち寄った本屋で偶然出会う、という体験も捨てづらい魅力があり好きです。
しかし、ここ最近意識している

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バタフライは禁止です!

バタフライは禁止です!

みなさんは、少し大きなき悩み、深い悩みを抱えた時、どうしますか?
誰かに相談する人もいると思います。
一人で抱えてしまう人もいると思います。
気分転換を図る人もいるでしょう。
悩みも様々ですから解決方法を様々です。

私は本当に大きな悩みを抱えた時は本堂でボーッとします。
ただ仏様を見て過ごす時間を作ります。
誰かに相談すれば良いのに、なぜそんな無駄な時間を?
と感じるかもしれませんが、私が欲しい

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ちょっと読書で涼みませんか。

ちょっと読書で涼みませんか。

ここ2〜3日ですが曇りがちで強烈な真夏の暑さが抑えられ、甲子園も優勝校がきまると少しだけ秋の気配を感じますね。
秋の夜長には読書、とは良く言ったもので、落ち着いて本を読んでいると、夏の火照った心身をクールダウンさせてくれます。

先日、書坊でもお世話になっている、book pick orchestra川上洋平さんのイベントに参加してきました。
このイベントは、川上さんに最近の出来事やテーマ、その日

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知っているつもり〜お盆の由来〜

知っているつもり〜お盆の由来〜

東京はお盆が無事に済み、もうすぐ田舎はお盆の時期になります。

お盆は実家に帰省し、お墓参り等をしながら親戚や家族とゆっくりとした時間を過ごす、
そんな方が多いのではないでしょうか。

花火や夏祭り、蚊取り線香の香りと色々な情景が浮かびます。

まさに夏の風物詩といった感があります。

昔から親しまれている「お盆」ですが、本当の所どんな意味があるのでしょうか?

せっかくなので、これから訪れるお盆

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『私はこれでダイバーシティを知りました』

『私はこれでダイバーシティを知りました』

ダイバーシティとは、多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと。
(コトバンクより)

私たちの業界(おぼうさん)もしっかりと社会勉強しなければダメだ!という機運が高まっており、日々色々な研修会が企画され、色々な研修会に参加をしています。
リーダーシップやファシリテーションなどなど。直近参加したのが「ダイバーシティ」を学ぶという会でした。
中でも「ダイバーシティとは、決して“少数派の許容”

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苦行の先に見える世界

苦行の先に見える世界

午後7時、職場を後にして一心不乱にある場所へ向かう。「あぁ、早くととのえたい」
今日は疲れた。理不尽なクレームもあった。時間ばかり過ぎる会議もあった。何より座りっぱなしで身体が痛い。最近、気持ちよく汗をかいていないな。
そんな事を考えながら、歩き続ける。
ヘトヘトの身体を引きづり、ようやく辿り着いた。
慣れた手付きで受付を済ませ、いよいよ突入する。
ここは相変わらず100度近い熱風が渦巻き、何人も

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「私の左手食べてくれた?」

「私の左手食べてくれた?」

もし、あなたの愛する人の最上級の愛情表現が、あなたに食べてもらう事だったらどうしますか?
私たちは両親に命を頂いてから、今日まで数えきれない程多くの“いのち”を食べてきました。
その多くの“いのち”を体に宿し、共に生きている命の集合体が私たちです。
その愛する人の集合体の一部に私もなりたい、と強く願う「カニバリズム」の女の子と、何も食べなくても一生動き続ける事が出来るロボットとの恋愛ストーリー。ご

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「おい、おまえは死んだらどうしてもらいたい?」

「おい、おまえは死んだらどうしてもらいたい?」

みなさんは、もし自分が死んだらどうして欲しいですか。
みなさんは、大切な人をどの様に送りたいですか。
とても大切な事なのに、日常ではあまり話し合わないですよね。
必ずやってくる人生の終わりについて話し合う事を避けていると、結果、精神的にも金銭的にも負担は増し、逆に死を悼む“ゆとり”がどんどん奪われてしまいます。
昨今、時代の流れは「手軽に安く効率的に」が主流です。それはお葬儀に関しても例外ではあり

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