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長編自己啓発ギャグ小説

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#小説

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【フライパンズ編】14(ラスト)

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

そんなときだった。
たっくんが茂太の隣に近寄った。
『かっこいいわよ。その調子よ』

柴田と弘樹は一瞬、たっくんが何かをしでかすのではないかと不安に刈られたが、これもまた要らぬ心配だった。

一瞬だけ、たっくんを見て頷く。
茂太は心の中から、ありがとうを何度も送った。

インタビューは終始、スムーズに進み、無事に取材終了を迎えた。
出場

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【フライパンズ編】11

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

そうこうしていると、まゆからの連絡が入る。

すぐさま向かうとだけ伝えて電話を切る。

ダッシュで外に向かう茂太の後を追うように、たっくんが浮遊しながら着いてきた。

『たっくん、昼も平気なのか?』
『霊が闇夜にしか姿を見せないってのは、人間が勝手に決めた都合のよすぎる解釈だわ。確かに私も人間だった頃、霊に対してそういう偏見を持っていた

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【フライパンズ編】10

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

少しずつ少しずつ現実の世界に意識が傾く。
やがて眠りから目覚めた茂太は目の前のオカマの霊にハッと気づいた。

『おはよう、茂太』
『お、おはよう。今日は何故、たっくんの姿が見えるんだ』
『それなら気にする必要なんてないわ』

久々にその姿を見せたたっくんは、やけに清々しく妙に寂しげだった。

あまりにもこの前とは違った覇気のなさに・・・

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【フライパンズ編】9

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

『茂太くん、君が現役で活躍していたことは、当たり前のように知っている。そしてフライパンズという中堅のお笑い芸人だったことも』

茂太はけして交わることなどない関係が、実現として目の前で起きていることに感謝して一礼した。

『光栄に御座います。これからはピン芸人として一躍スターダムに登り詰めてみせます』

豪快に笑う松木をよそにいつまでも

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】14(ラスト)

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

部屋に入ると柴田は冷えたコーヒーを二人に差し出した。
火照った身体に冷えたコーヒーは格別だった。

啓太と京子は柴田にありがとうと伝えた。
だが柴田は制止して代わりに、口にくわえた葉巻に火を点けろと言わんばかりに、大きなチャッカマンをテーブルの上に置いてせがんできた。

京子が火を点けた。
『ありがとう、京子さん。やはり葉巻は米国産に限

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】13

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

旅館最終日の朝。

思わぬ男の出現から京子の出版に向けた取り組みが始まった。

結局、啓太は今回の旅行に関しては疲れに来たようなものだった。

京子は今日までこれといったものがなかった。
魅力は充分にあるものの、持てる力を発揮する機会に恵まれなかった。

柴田の存在と京子の一言が、今のありのままの京子であらたな挑戦の場所へと導き出した。

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】11

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

ごもく旅館二日目の朝を迎えた。

啓太は朝食を済ませて温泉に足を運ばせた。
啓太はようやく疲れを癒すことが出来た。

全身が温まり、血行が良くなっていくのを強く感じる。
啓太は今回の旅行ほど心労を強く感じたことはなかった。

そしてそれは出会った当初の京子を思い出させるものでもあった。

随分と見違えるほどに成長を遂げたものだなと温泉に

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】9

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

混浴でも男女、人のいりは絶えない。

それはひとえにごもく旅館の実績はもちろん、広告手段に能力が長けていたし、何よりも顧客のニーズを汲み取っていたからでもあった。

そのもっともに口コミ効果やメディアの活用だった。

最近の若者は大胆なのか、モラルに欠けているのか、ごもく旅館の混浴温泉の効能も後押しして利用客は後を絶たない。

ふと声の

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】8

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

啓太が眠りに就いて夢の第三幕あたりを味わっている頃、温泉では大ハプニングが巻き起こっていた。

京子は大胆にも混浴にはいった。
タオルで身を隠し、温まっていたとき、背後からひとりの男が声を掛けてきた。

『お隣に浸かって温まっても宜しいでしょうか?』
『はぁ、別に構いませんが・・・』
『有り難う御座います』

京子は思わず見とれた。

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】6

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

三時間の乗車時間を経て、ふたりはごもく旅館のある駅に到着した。

さすがに三時間の電車移動となると街並みは姿を変えていく。

本当に旅館に来たのだなと思わせてくれる風景が広がる。

座りっぱなしでもちろん、ふたりのお尻は筋肉痛に襲われ、このときばかりは京子の意識は自身のお尻の鈍い痛みに囚われた。

下車し終えた啓太と京子は、鈍痛を抱えな

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】5

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

温泉旅行当日。
この日は穏やかな天候に包まれた。

近所では小学生たちの元気な歓声が聞こえ、行き交う車のクラクションが平日の騒がしさを際立てていた。

啓太は爆睡したが一瞬に過ぎなかった。
結局、一睡も出来ずに朝を迎えた。

京子は啓太の充血した眼を見て心配そうに問いかけた。

『あなた、眼が真っ赤よ。大丈夫?あまりの嬉しさに眠れなかっ

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】4

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

翌日、出版社に原稿脱稿の連絡を入れた。

妻でもあり、秘書でもある彼女の役割で、少しでも夫の力になりたいと協力を申し出たことを、啓太が承諾したのだった。

最初は随分と戸惑ったものの、京子の執拗な気持ちに負けて、加筆修正や誤字脱字チェックまで今では一緒にやってくれるまでになっていた。

現在の京子は三役を買ってでていた。
妻であり秘書で

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】1

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

高木京子は作家である高木啓太の妻であり、結婚して十年の月日が経過する。

幼少の頃から日記を欠かさず綴っている。
そんな京子は高校を卒業と同時に、住まい近郊に構えるフィットネスジムでレッスン生として通っていた。

現在の夫と出会い、引っ越してからも一年のブランクはあるものの新しい環境にも慣れ、再びフィットネスジムに通い始め三十年にもなる

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】18(ラスト)

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

数日後。

『さぁ、今日は林と雄平くんのコラボデビューの日だ』
林と雄平は威勢よく柴田に返事をした。
『はい』

その声は自信に溢れていた。
『お前らはふたりでこそ、頂点に立てる』
『頑張ります。やります』

いつしか数日間、降り続けた雪もやみ、交通規制もすべてが解除された。

会場入りする四人。
楽屋から客席を覗き込む。
200名はい

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