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福祉の仕事

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2022年2月の記事一覧

キャー!と叫ぶ利用者

キャー!と叫ぶ利用者

利用者「キャー!ヤダー!エッチー!」

いたって真面目な支援中なのだが
その利用者は気に入らないと
みんなの前で大声で叫ぶ。

女性職員だろうが
男性職員だろうが叫ぶ。

だからなるべくは
女性職員が直接的な体を触る支援は行う。

 
ある日
男性職員がその利用者を送迎していた時
その利用者が車から降りた瞬間

「キャー!ヤダー!エッチー!」

と、叫んだ。

 
周囲には一般の方がたくさんいて

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朝は不機嫌な利用者

朝は不機嫌な利用者

朝、不機嫌な利用者Aがいる。

私「Aさん!おはようございま~す!」

 
Aさんは私の顔をチラリと見るなり
顔を逸らし
苦虫をかみつぶしたような顔をした。

 
母親「こら、A!どうもすみません。」

親が頭を下げる。

 
私「いえいえ、今日もこうしてAさんと会えて嬉しいです。」

私は答えた。

 
前の職場では「おはようございます。」と言うと
「ぶっ殺してやる!」と言う利用者がいた。
「お

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デートがしたい利用者

デートがしたい利用者

利用者「明日は休み?」

 
私「そうだねぇ。」

 
利用者「じゃあデートしようよ。」

 
私「デート!?」

 
利用者「驕るよ。」

 
私「何を?」

 
利用者「たこやき。」

 
私「たこやき(笑)」

 
利用者「帽子も買ってあげる。お揃いの。」

 
 
私は想像した。

大好きな利用者とペアの帽子を被り
たこやきを一緒に食べるのは
楽しそうな気がした。

その日一番笑ったのが

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自宅で過ごす利用者の課題

自宅で過ごす利用者の課題

コロナ禍で施設をお休みしている人には在宅支援をしている。
利用者Aさんとは毎日テレビ電話をしている。

Aさんの母「職員の皆さんは小顔フィルターを使っていますか?うちの娘は顔が3倍のような…。」

Aさんは私より身長が3cm低くて
体重差は30kg以上だ。

 
施設では毎日運動していたし
給食は低カロリーだが
自宅ではのびのび過ごし
おいしい物を食べている。

在宅支援になり
体重は更に増えたよ

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職員給料日と利用者工賃日

職員給料日と利用者工賃日

前の職場は
A日が職員給料日でB日が利用者工賃日だった。

それを頭にインプットして
10年以上経過したからいまだに慣れない。

 
今の職場はB日が職員給料日で
A日が利用者工賃日なのだ。

違和感を感じる。

もうすぐ転職して1年が経つ。

 
今の職場指定の銀行の通帳は持っていなかったから
転職を機に作り
私はその通帳にずっと給料を貯めている。

まだ一度もおろしていない。

 
まるで頑張

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新しい仕事担当

新しい仕事担当

今年から某薬局から仕事をもらえることになった。

薬局からのお知らせを封筒に入れ
宛名シールを貼る仕事だ。

 
同僚が私に仕事のやり方を教えてくれた。

そして 
私にその仕事を任せた…………
 
そう
いつの間にか私がその仕事担当になっていた。

初回は勝手が分からず
バタバタしたが
なんとか終わった。

 
同僚が納品時に単価を交渉した結果
単価が1.5倍に上がった。

これから毎月
この仕

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私はその犯人を許さない

私はその犯人を許さない

某利用者は毎日バスに乗って登所している。

そして同じ時間のバスに乗り
同じ席に座っている。

それを誰かが知っていたのか
無差別だったのかは不明だが
ある日その席に針が仕込まれていて
利用者は座った時に足を怪我してしまった。

 
その利用者の怪我はもう治ったし
もう数ヶ月前の出来事だが
今でもそれを思い出す度に
腸が煮えくりかえる。

 

ハサミの保管や使用

ハサミの保管や使用

前職時代は不穏になるとハサミで他者の衣服を切り刻む利用者がいた為
ハサミは厳重に保管された。
ハサミはササッと使ってササッと片付けた。

その利用者以外の利用者にも
ほとんどハサミを触らせなかった。

 
転職した今の職場では 
活動や作業でハサミを使う為
利用者は自分で道具箱からハサミを用意し
ハサミを上手に使う。

 
同じ福祉施設でも
場所が変わるとルールも変わる。

お母さんとの約束を書いたノート

お母さんとの約束を書いたノート

問題行動が多い利用者がいる。

施設側も注意するが
それでも直せない場合は母親に連絡となる。

母親は家で叱り
本人に「○○はしない。」と約束を書かせ
その紙を次の日持参する。

そんな日が続いたが
約束ごとが多すぎて
ある日母親は約束ごとを
ノートに書くことに切り替えた。

今のところノートは6ページに渡り
ジャンル別に付箋が貼られていた。

 
それを見て私は思った。

クレヨンしんちゃんのマ

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雇われの身と不法侵入疑惑

雇われの身と不法侵入疑惑

利用者A「(僕は)雇われてるの?」

 
私「うーん…まぁ……施設長に雇われているね。」

 
利用者A「え~?なんで?」

 
私「AさんやAさんのお母さんが、ここで働きたいって思ったからじゃない?」

 
利用者A「(真咲さんは)雇われてるの?」

 
私「そうだねぇ。雇われてるねぇ。」

 
利用者A「証拠は?」

 
私「働く時は雇われ通知や契約書が必要なんだよ。」

 
利用者A「じゃあ

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朝、ただいまと言った利用者

朝、ただいまと言った利用者

昨日用事があって利用者が休んだ。
その利用者が施設を休むことは大変珍しい。

 
次の日の朝のことだ。

「ただいま~!」

「…おかえり~!」

おはよう、と言うところを、ただいま、と言った。
日常に帰ってきた感覚なのかもしれない。

 
「俺の代わりは誰がやったんだ?」

 
昨日はその人が食器洗いの当番だった。

当番日
離席があったりして、集中できる時間は他者に比べたら短いが
それでも、で

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誕生会の主役の望み

誕生会の主役の望み

誕生会の日
とあるレクレーションで利用者をチームに分けた。

リーダー「各チームに職員が一人つきます。誰がいいですか?」

誕生会の主役の利用者A「私、真咲さんがいい!」

その言葉が本当に嬉しかった。
ありがとう。

指示に従わない利用者

指示に従わない利用者

午後某部屋で
利用者AさんとBさんと三人で作業をしていた。

Aさんは不穏になりやすい為
部屋に一人にしてはおけない。

「Bさん、Aさんと真咲さんで作業資材持ってくるね。ここで待っててね。すぐ戻るからね。」

そう言ったが
Bさんは無言でついてきた。

だから三人で作業資材を持って
また元の部屋に戻った。

 
そんなことが何回か続いた。

 
Bさんは
ほんの数分でも
一人でいたくなかったのか

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マンホールがはずれた日

マンホールがはずれた日

ポスティングをしていた時
初めての住宅街に利用者と行った。

あと少しで終わる…という時
私はいきなり派手に倒れ
左足に強い衝撃が走った。

一瞬何が起きたか分からなかった。

どうやらマンホールの蓋が外れたらしく
私の左足はその中に落ち
そのまま足をとられて
私は転倒したらしい。

 
ズボンは泥だらけになり
左足がズキズキと痛む。

タイツ等を履いている為
施設に戻らないと傷の確認ができない。

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