マンホールがはずれた日
ポスティングをしていた時
初めての住宅街に利用者と行った。
あと少しで終わる…という時
私はいきなり派手に倒れ
左足に強い衝撃が走った。
一瞬何が起きたか分からなかった。
どうやらマンホールの蓋が外れたらしく
私の左足はその中に落ち
そのまま足をとられて
私は転倒したらしい。
ズボンは泥だらけになり
左足がズキズキと痛む。
タイツ等を履いている為
施設に戻らないと傷の確認ができない。
私は左足を引きずりながら
利用者と施設に戻った。
左足は縦20cm×横20cmくらいの広い範囲で
赤紫色に変色し
切り傷からは血が出ていた。
…想像以上のひどさに絶句した。
これは痛いわけだ。
その日は職員の休みが多く
怪我後もいつもより動いた一日だった。
施設長はマンホールがはずれていたことを通報するように伝え
リーダーは「定時で上がりましょう。足お大事になさってください。」と言った。
毎日薬を塗っているが
二週間以上経った今もまだ傷は治らない。
別の同僚もかつてマンホールがはずれて足を縫ったそうだから
私はまだマシなのかもしれない。
足は痛かったけれど
私は何度も思う。
利用者が怪我しなくてよかった、と。
あの日は近くに車が停まっていて
道が狭く
誰かがマンホールの上を歩かざるを得なかった。
もしも私が落ちなければ
利用者が落ちていたかもしれない。
利用者がこの傷を負ったのかもしれない。
左足はまだ治らないけど
そういう意味ではよかった。
もうマンホールの上は歩かないようにしよう。
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