ビジネス書らしくない「魚の教養書」ができるまで
こんにちは。編集部の宮藤と申します。
今回の編集日記は『魚ビジネス』を担当した私が担当します。
『魚ビジネス』は昨年4月に発売しましたが、現在9刷と重版が続き、ロングセラーになりつつあります。そして今年からは「◯◯ビジネス」とシリーズ化し、幅広く第一次産業を扱う「ビジネス×教養書」のラインナップを増やしていきます。
そこで今回は2回に分けて、前編では『魚ビジネス』、後編は第2弾として発売する『肉ビジネス』について書かせていただきます。何かの参考になればいいのですが、もし参考にならなくても気に留めていただけたら嬉しいです。
編集担当募集からスタートした企画
当社では、社長で編集者の小早川から、著者や出版企画を編集部内で紹介され、スタッフが担当するケースがあります。
特に編集未経験で当社に入社した私からすると、こうした機会に手を挙げておけば経験につながるので、チャンスでしかありません。
当時の記憶では『魚ビジネス』のほかに、もう1つテレビプロデューサーの方の出版企画の2点がありましたが、前者の方が「どんな本になるかがイメージしづらくて面白そう」という理由から手を挙げたのがきっかけでした。
執筆はわずか12日!
『魚ビジネス』を執筆されたのは、システムエンジニアから魚の魅力を楽しく発信する活動に転身された異色の経歴を持つ、おさかなコーディネータのながさき一生さんです。
ながさきさんとの制作の中で一番驚いたのは、原稿の執筆スピードでした。
本書は項目形式で構成しているのですが、その項目を作っていく際には多少の時間がかかりました。そこから執筆の段階に入るとき、ながさきさんから最初に提示された制作スケジュールは、たったの10日間でした。
「さすがに、こんなに早く執筆いただくのは難しいだろうな」
「執筆は年末年始も挟むから、早くても2週間はかかると思って気長に待っていよう」
「多少遅れても、ゲラが組めるように準備しておこう」
こう心配していたのも、今となれば大変失礼な話でした。
ながさきさんは2022年12月31日の大晦日から執筆をスタートし、原稿が揃ったのは翌年の1月11日だったのです。
しかも、ながさきさんの原稿は短期間での執筆とは思えないくらい、私のような一般人が知らない魚の知識と、偏愛っぷりに溢れた内容だったことを覚えています。こうして、原稿が上がった後にサブタイトルをつけた、「魚の教養」にふさわしい1冊となりました。
「ビジネス書か、ビジネス書じゃないか」問題
これまで一貫してビジネス書を出版してきた当社にとって、本書はタイトルに「ビジネス」とつけたものの、「ビジネス書か、ビジネス書じゃないか」という疑問は、社内にも浮かんでいたと思います。私も発売するまで、できる限りビジネスに絡めた内容を入れていただいたものの、ビジネス書とは思えていませんでした。
しかし、いざ発売すると都内の書店だけでなく、地方の書店でも手にとっていただけたことにはびっくりしました。特に、カバーに使用したマグロのイラストは、書店での販促物として使用されることも想定していませんでした。
イラストは、本書のデザインを担当いただいた金澤浩二さんのアイデアでした。なかなかイラストレーターが決まらない中、3人目にお声がけした山田将志さんのイラストも、本書をビジネス書として成立させた大きな要因でした。
『魚ビジネス』のヒットを記念して、ながさきさんと小早川と、いつか美味しい寿司屋さんに行きたいですね。最後にここでお願いしておきます。
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