蒼野由枝

東京都在住。会社員。海と空、桜が好きです。すべての経験を学びに変えて、人と温かな人生を…

蒼野由枝

東京都在住。会社員。海と空、桜が好きです。すべての経験を学びに変えて、人と温かな人生を歩んでいこうと思います。昨日より今日、今日より明日がより素晴らしくなる未来を思い描いて。見つめていたいものは、失われることのない、この世界といのちの輝きです。

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  • 生きること、楽しむこと。

    生きる中で大切だと思う、気づいたこと、感じたことの記事たちです。

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言葉の力

長いこと、本がうまく読めなかった。 頭が、壊れてしまったから。 それは、15歳のときのことだった。 文字が読めるようになりたかった。 必要な情報を得たり、広い世界…

蒼野由枝
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忘れられない

星野富弘さんの、忘れられない詩がある。 がくあじさいの絵とともに 綴られたその言葉は、 暮らしの一瞬を どんな宝石より美しい時に変えた。   ――――――――――…

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7日前
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自分を愛すること

自分を愛すること それは、熟れたりんごが赤く熟していくように 心を艷やかにする。 新鮮な香りと、からりとした明るさ。 自分を愛する人は、 周囲を幸せな気持ちにする…

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絵本作家の眼差し

子どもの頃から、絵本作家さんが見せてくれる世界が好きでした。 やさしく、ユーモラスに、ときにリズムカルに刻まれることばたち。 一枚の葉っぱや虫たち、そこ登場する…

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秋のおたより

空が澄み渡っていく秋が大好きです。 あっという間に変化し過ぎ去っていく、 でも忘れたくない、秋の風景を贈ります。 * いかがお過ごしでしょうか。 少しずつ、体が…

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間をつくる

子どもの頃、話題になっている漫画について、 「どのキャラが好き?」 と聞かれて、答えられなかった。 わたしが好きだったのは、 その物語に出てくる“誰か”じゃなく…

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いのちへ

ずっと、暗闇の中にいた。 怯えた心だった。 生まれてきた理由を、知らない。 気づいたときには 生きてることが苦しくて、苦しくて、 やわらかな心を失った。 嬉しい…

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おびえから、一歩外へ。

おびえてちゃ、いけない。 そう、よく思っていた。 親がけんかをしていると、居場所を失うような怖さがあった。 家という場所、家族がそろっている場所が いつなくなる…

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魂のおいしいところ

魂のおいしいところ というと、どんなことを想像されるでしょうか。 今日は谷川俊太郎さんの作品で、 私がいちばん好きな詩をご紹介します。 この詩に出会ったのは、 高…

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空と海を見に

海を見に行きました。 行ってきたのは逗子方面。神奈川県の相模湾に面した海岸です。 空も海も綺麗で、ずっと眺めていたいと思いました。 昼間はこんな感じでした。 そ…

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秋の訪れ

先週、雨上がりの公園に行ってきました。 仕事が忙しい日々が続いていますが、そんな中でも植物たちの中に入ると、優しい気持ちになれます。 月や太陽の光、 風のやわら…

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人の喜びを喜びとする人

知り合いで、HSPと呼ばれる体質の人がいる。 HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)の略で、視覚や聴覚などの感覚が敏感で、刺激を受けや…

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日の光の下で

少し前になりますが、 今年も可愛らしい紫陽花たちに たくさん出会えました。 6月の雨が降る季節。ときに雫をたくさん乗せて 日の光の下で、きらきら輝いていました。 紫…

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見ている世界は繋がっていた

ある日のこと。 父と母に久しぶりに会い、外でランチをした後、 そのまま一緒に公園を歩いた。 その公園は広くて木がたくさんあって、多くの人に人気の場所だ。小さい頃…

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楽しんでほしいんです

「楽しんでほしいんです」 そう言ってくれたのは、治療家さんだった。 その頃は、仕事で体がしんどくて仕方なくて、月に2回ほど整体院に通っていた。 その治療家さんは…

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新緑の公園へ

天気の良い日に、公園に行くことができました。 大きなケヤキの木。 大地の優しさを感じさせてくれる。 ツツジが満開でした。 萌え出る草たち。 葉っぱの下で。ハクウ…

蒼野由枝
2年前
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言葉の力

言葉の力

長いこと、本がうまく読めなかった。

頭が、壊れてしまったから。

それは、15歳のときのことだった。

文字が読めるようになりたかった。

必要な情報を得たり、広い世界を

知りたかったから。

一生懸命、本が読めるようになろうと思い、

簡単な本から読んだ。

詩の本もよく読んだ。

短い文だったら、
なんとか意味を追うことができたのだ。

それでも、黙読だとあまり頭に入ってこないから、何度も

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忘れられない

忘れられない

星野富弘さんの、忘れられない詩がある。

がくあじさいの絵とともに
綴られたその言葉は、
暮らしの一瞬を
どんな宝石より美しい時に変えた。

  ――――――――――――――――――――
星野富弘さんは元々体育の先生で、
  指導中に大怪我をして
  首から下を動かせなくなってしまい、
  美しい絵と詩を口で加えた筆で描き続けた
  詩人・画家です。
  ―――――――――――――

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自分を愛すること

自分を愛すること

自分を愛すること

それは、熟れたりんごが赤く熟していくように
心を艷やかにする。

新鮮な香りと、からりとした明るさ。

自分を愛する人は、
周囲を幸せな気持ちにする。

太陽の光を浴びて、
すくすくと育った花々のように
愛らしく、凛としている。

遠くを見つめる狼のように
生命力に満ち、目標に向かって駆けてゆく。

それは決して、自分勝手なことではない。

自分勝手さは
自分と他者を隔てている

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絵本作家の眼差し

絵本作家の眼差し

子どもの頃から、絵本作家さんが見せてくれる世界が好きでした。

やさしく、ユーモラスに、ときにリズムカルに刻まれることばたち。

一枚の葉っぱや虫たち、そこ登場するものたちに対する、深い洞察。

声を出して読んでいると、そこには人から人へと伝えられてきた、確かなぬくもりを感じるように思えました。

以前、絵本作家のかこさとしさんの展覧会に行けたことがありました。

代表作は『だるまちゃんとてんぐち

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秋のおたより

秋のおたより

空が澄み渡っていく秋が大好きです。

あっという間に変化し過ぎ去っていく、
でも忘れたくない、秋の風景を贈ります。



いかがお過ごしでしょうか。

少しずつ、体が回復してくれて、以前より穏やかな日々を過ごせるようになりました。

次なる道を模索して、少しずつついてきた体力で、半歩、半歩、また一歩、と動き始めていました。

昨年、一昨年と、ひどく体調が悪い中、職場もかなり殺伐とした状況にあった

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間をつくる

間をつくる

子どもの頃、話題になっている漫画について、

「どのキャラが好き?」

と聞かれて、答えられなかった。

わたしが好きだったのは、
その物語に出てくる“誰か”じゃなくて、
キャラとキャラの間にある
信頼関係や親密さだったからだ。

心から離れないのは、
誰かが誰かを見つめるときの瞳だったり、

沈黙の中、寄り添い合う二人を包む
温かな空気、だったりした。

間にあるもの、

それは、一人では生まれ

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いのちへ

いのちへ

ずっと、暗闇の中にいた。

怯えた心だった。

生まれてきた理由を、知らない。

気づいたときには

生きてることが苦しくて、苦しくて、

やわらかな心を失った。

嬉しいって、どんな感情だったろう。

楽しいって、どんな感情だったろう。

優しいって、どんな気持ちだったろう。

自分を世界の汚れのように思った。

それでも、

体は、あった。

目はあって、光が見えた。いつもの街並みが見えた。

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おびえから、一歩外へ。

おびえから、一歩外へ。

おびえてちゃ、いけない。

そう、よく思っていた。

親がけんかをしていると、居場所を失うような怖さがあった。

家という場所、家族がそろっている場所が
いつなくなるかわからないと思っていた。

「おびえている自分は、ダメだ」

いつも、ぐっとこらえて、
怖くてふるえている自分を
出てこないように押し込めた。

そのせいか、大人になってから、
何も悪いことしてないのに
なぜかびくびくしてしまう自分

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魂のおいしいところ

魂のおいしいところ

魂のおいしいところ

というと、どんなことを想像されるでしょうか。

今日は谷川俊太郎さんの作品で、
私がいちばん好きな詩をご紹介します。

この詩に出会ったのは、
高校生の頃と思います。

「魂のおいしいところって、なんだろう?」
と、素朴に思いました。

それでも、
この詩に感じられた
幸福感、世界の多重性、
そして今日を生きる勇気こそ、
『魂のおいしいところ』なんだ
と感覚で理解したのです。

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空と海を見に

空と海を見に

海を見に行きました。

行ってきたのは逗子方面。神奈川県の相模湾に面した海岸です。

空も海も綺麗で、ずっと眺めていたいと思いました。

昼間はこんな感じでした。

そして、夕暮れ時。
ずっとこの光景を見たいと思っていました。

広やかな空と、移りゆく光の情景を見ていると
心がおだやかになります。

こちらは朝の様子です。

太陽と海の織りなす光。

壮大で、すべての生命を包み込み、
守ってくれて

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秋の訪れ

秋の訪れ

先週、雨上がりの公園に行ってきました。

仕事が忙しい日々が続いていますが、そんな中でも植物たちの中に入ると、優しい気持ちになれます。

月や太陽の光、

風のやわらぎ、

植物たちの優しい彩り、

鳥の鳴き声や、虫の音。

目には見えない、無数のいのちたち。

それらの佇まいや、優しい共鳴が、
疲れたからだを癒やしてくれる。

そんなふうに、思います。

少しだけ、色づき始め。

そんな、日に日

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人の喜びを喜びとする人

人の喜びを喜びとする人

知り合いで、HSPと呼ばれる体質の人がいる。

HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)の略で、視覚や聴覚などの感覚が敏感で、刺激を受けやすいという特性を持っている人のことをいう。

彼は生まれながらに、人の心にとても敏感なのだそうだ。人が持つ悲しみや心の痛みにふれると、鳥肌が立ってしまうほど、深く感じてしまう。

そんな繊細さを持っていたから

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日の光の下で

日の光の下で

少し前になりますが、
今年も可愛らしい紫陽花たちに
たくさん出会えました。

6月の雨が降る季節。ときに雫をたくさん乗せて
日の光の下で、きらきら輝いていました。

紫陽花は、日本原産だそうです。

小さな花が寄り集まって咲く様子は、
なるほど、和を大切にしてきた日本に
よく合うように思います。

青から紫、やわらかな桃色、
水彩画のにじみのように
色がまざりあって生まれたような色合い。

見れば

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見ている世界は繋がっていた

見ている世界は繋がっていた

ある日のこと。

父と母に久しぶりに会い、外でランチをした後、
そのまま一緒に公園を歩いた。

その公園は広くて木がたくさんあって、多くの人に人気の場所だ。小さい頃に母や祖父母と来たこともあって、なかなか思い出のある公園だった。

そんな昔の記憶をたぐりよせようと、きょろきょろ周りを見回していたら、不意に、父の、母に向けた言葉が耳に入ってきた。

「…何言ってんだ。結婚する前、つき合っているときに

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楽しんでほしいんです

楽しんでほしいんです

「楽しんでほしいんです」

そう言ってくれたのは、治療家さんだった。

その頃は、仕事で体がしんどくて仕方なくて、月に2回ほど整体院に通っていた。

その治療家さんは、人の体にも心にも感性が深い。

体の状態と話の内容から、私の問題を見抜いたのだと思う。

いつも未来に怯えて緊張していた私は、心の底からリラックスして、楽しむことができなかった。

自分が楽しんでいいとも思えなかったし、幸せになるこ

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新緑の公園へ

新緑の公園へ

天気の良い日に、公園に行くことができました。

大きなケヤキの木。
大地の優しさを感じさせてくれる。

ツツジが満開でした。

萌え出る草たち。

葉っぱの下で。ハクウンボクという名前のお花。
花言葉は「愛の旅」「朗らかな人」「壮大」。

光との共演。
その鮮やかさは、これから来る夏を思わせる。

葉っぱがキラキラ透けて光るユリノキ。
大好きな木になりました。

新緑の爽やかな風が、地球いっぱいに

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