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いのちへ


ずっと、暗闇の中にいた。

怯えた心だった。


生まれてきた理由わけを、知らない。


気づいたときには

生きてることが苦しくて、苦しくて、

やわらかな心を失った。


嬉しいって、どんな感情だったろう。

楽しいって、どんな感情だったろう。

優しいって、どんな気持ちだったろう。


自分を世界の汚れのように思った。


それでも、

体は、あった。


目はあって、光が見えた。いつもの街並みが見えた。

耳はあって、音が聞こえた。人々のさざめきが聞こえた。


空があって、風があって、

どこまでも続く広い大地があった。


わたしは、生きていた。


人の役に立ちたいと思った。


生きている人々に

しあわせが降り注がれるといいと思った。


この想いがどこから来るのか

わたしは知らない。


人は希望であり

光であり

温もりであり

喜びの源泉のように思えた。


目の前の人間たちが

どんなに苦しみ悶え

ひどいことをするように見えても。


人は人を愛する。


長い歴史の間、ずっと、ずっと、

失われなかったこと。


世界に

失われてはいけない

繋がりがある。


わたしたちは、どこかで繋がっている。


だから、あなたのどんな小さな一歩も

どんな小さなよろこびも

世界にとって、ひとつの大切な灯火なんだ。


よろこびと祝福と感動が

深いところから

あふれてくる。


あなたは、とても、

大切な

ひとり。


ようこそ、世界へ。



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