15年越しの乾杯を願って。
桜舞う季節にいつも思い出すことがあるとすれば、先生のことである。25歳になった今でも忘れられない先生というのは、僕の中にもあって、冬の積雪をも暖めてくれるような思い出が蒸し返す日が、毎年来るものである。それくらい、熱い熱い先生であった。ふと春の空を眺めて、東京の狭い窓から顔を出すと、その先生の明るい笑顔が見えてくるのは、気のせいだろうか。
僕としてはもう随分前の話である。学校生活がかなり憂鬱になってきて、もう居なくなりたいと思っていた小学校3年生のときに、あの先生が僕の担任