あさひがのぼるまえに。6
一人の帰りはやっぱり寂しい。耳が消されても俺の存在は消えないのだから、甘えたところで何も生まれないのはわかっているけど、お分かりじゃないこの世間と目線を合わせなきゃいけないのが辛い。夜はこれからと思いたいが、俺は塗り重ねたこの時間が余計に辛い。
約束なんてできないのに、俺はみのりとの将来に期待してしまっている自分がいる。愛の類じゃないのはわかっているけど、やっぱり好きなことは確かなんだ。細かい男じゃないのはわかってるし、なんにもできないし意固地で優柔不断で世間に順応できない