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2024年6月の記事一覧
[小説] 能登の夏-辛いから、頑張る!-あとがき 【創作大賞2024参加作品】
2024年1月1日16時10分頃、能登半島地震が発生して、半年。
あっという間に時が経ち、忘れて、関係なくなっている人もいるのではないかと、ちょっと心配。
同じ石川で、加賀と能登の違いを見たときには、あまりの違いにあんぐりしていた。富山や新潟でも被害があり、徐々に情報を収集し、全容を掴むことになる。…これには、「酷え…!」のひとことしか出ない。
そこから、能登人たちは、祭りに燃え、やれる範囲でやる
[小説]能登の夏-辛いから、頑張る!-⑤ 【創作大賞2024参加作品】 AI生成イラストつき
ヒーミーは、ずっとぐるぐる考えていた。その次の瞬間、丸まげの部分を結う練習を始めた。
「次があるんだから!」
ヒーミーは、夜、部屋で1人で泣いていた。
「と言っても、中止は辛い。…でも、泣いとっても、頑張るしかないがやちゃ」
と次に期待した。 ノロシーは、この後、キリコを9月に出せると自治体から聞いて、嬉しくなり、どんどんと組み上げて、キリコは完成。
「やった~。これで、9月に出せるぞぉ!」
ノ
[小説]能登の夏-辛いから、頑張る!-④ 【創作大賞2024参加作品】 AI生成イラストつき
お隣、富山の高岡。川の近くで液状化して、被害が確認されたところ。しかし、影響は祭りにはないということで、御車山祭りは通常開催。 タカは、山車を出せると満足気なものの、どこか物憂げな表情。これでいいものか、と自問自答している。
「ノトーとノロシーは、苦労してるのに、おら、何しとんげん?」
「ヒーミーも、祭り中止で泣いとんがに…」
タカは、何も言えなかった。伝統の継承は大切だが、苦労している友達のこと
[小説]能登の夏-辛いから、頑張る!-③ 【創作大賞2024参加作品】 AI生成イラストつき
ノトーの友達、ノロシーは、珠洲に住むキリコ師。地震と津波で、キリコが流されて、残骸だけが残る町にいる。この地区のキリコは、きれいなことで有名だった。 ノロシーは、保管庫の中を見て、何も言えず、ただただ後退りしながら、また覗きを繰り返す。
「キリコが…」
と言いながらも、次のキリコのための材料を準備する。悲しみと寂しさと不安。これが、期待に変わるのは、まだ後だった。保管庫の中の無惨な状態を見ると、涙
[小説]能登の夏-辛いから、頑張る!-② 【創作大賞2024参加作品】
「何か、感動した〜」
ノトーは、感動の涙でぐしょぐしょになったまま、話した。
「辛い時こそ、頑張るんだ」
「うん、そうだな!!」
ノトーは、手をぐっと握り、拳を突き上げ
「頑張るぞぉ〜」
「オー!!」
みんなで思いを新たにした。そして、イカの町、小木の復興へ駆け出した。 次の日、ノトーは、仲間たちと漁の準備をした。イカ漁の船に括りつけられた伴旗は、初夏の風にはためいていた。『能登向復興(能登、復興
[小説]能登の夏-辛いから、頑張る!-① 【創作大賞2024参加作品】 AI生成イラストつき
ノトーは、能登町に住む、祭り師。ここは、イカの町、小木。とも旗祭りが毎年開かれていたが、今年は地震の影響で中止。ノトーは、がっかり。肩を落として、呆然としていた。
「伝統が、失われる…」
危機感を感じていた。それと同時に、寂しさが募っていた。ノトーはイカ漁師でもあるため、何か物足りない思いもして、複雑な面持ち。それでも、前を向こうとする。ノトーは、泣きそうになるのを堪えていたが、とうとう堪えきれな