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「邂逅 山門をくぐりて/随想 人は出逢う」
この度、noteで長年で書いて参りました短文と加えて小説を自社の印刷物として出版致しました。(「邂逅 山門をくぐりて/随想 人は出逢う」発行 アートスクウエア観)
noteという掲載の場で気ままに自分の思いを書かせて頂いたことを感謝しております。
この頃は投稿をしておりませんでしたが、今年はまた再開したいと思っております。
以下に出版の思いとして、著書のあとがきを掲載させて頂きます。ご一読
「哲学を持って生きた人間が最後には勝つんだよ」
これは数年前に亡くなられた尊敬する漆工芸家・小島雄四郎先生が最後に私に残してくれた言葉です。
先日、昭和のビジネス界を代表する最後の人物・・・稲盛和夫氏が天寿を全うされました。生前稲盛氏にお会いする事は叶わなかったのですが、多少のご縁を感じております。
私がまだ小学生の低学年の頃、両親の仲人でもあった名僧の通山宋鶴老師が師家として住職をされていた京都八幡の名刹円福寺僧堂によく家族で遊びに行
湘南ラッキーキャット物語
長年共に仕事をして来た信頼する陶芸家が、肩の力を抜いて余技で作った作品に、戯れに思いを込めて・・・
「湘南ラッキーキャット物語」
湘南のサザンビーチにほど近い閑静な住宅街・・・
芝生の手入れの行き届いた小さな庭のある一軒の家・・・
庭に面した窓から、いつも5歳になる小さな男の子が芝生越しに見える路地を行き交う人を見つめていた。男の子は難病を患い外で遊ぶことを許されていなかった。彼の唯一の
利き手を封じられたら、もう一方の手で活路を・・・
隅田川の屋形船でコロナの感染が発生して、一年が過ぎようとしている。
係留されている屋形船で、若い船頭が黙々とメンテナンスと掃除をしていた。シーズンオフとは言え、先の見えない作業・・・どこか胸が痛む。
隅田川の桜・・・両国の花火大会・・・彼らの晴れ舞台・・・隅田川の川面を競うように滑り・・・何十艘の屋形船がお客のために絶好のビューポイントへと急ぐ。これも江戸から続く下町の男たちの仕事・・・
うらをみせおもてをみせてちるもみじ
「うらをみせおもてをみせてちるもみじ」
この歳になり色々な経験を経て、良寛のこの句の意味が実感できるようになった気が・・・
私には2分と記憶のもたない九十一歳になるが母親いる・・・戦中戦後と強烈な個性とパワーで生きて来た彼女・・・バブル後事業に失敗・・・それでも生来の気の強さは年をとっても健在であった。
常に自分を肯定し続けて来た彼女がぽつり・・・
「わたしは、もしかしてお前やまわりの人
どうか、孤独に強くなって下さい。
世間では悲しいことに自死の連鎖が続いています・・・
先日、仕事仲間の作家さんから自分の友人の子供が自殺をして、どういう風に声を掛けていいのか分からない・・・また、違う若い作家さんからは、どうしてこの頃自殺が多いんですか?という話題を振られましたが、その時は時間がなく話が出来ませんでしたが、この場を借りて・・・
むかし、知り合いの心理学者と話をしていたら、こんなことを教えてくれました。
命
自分を苦笑いできる自分で有りたい・・・
我がことを振り返るほど余裕のある日々を過ごしている訳ではないのですが、齢五十後半にもなれば、否応なしに我が身を振り返えざるを得ないのです。
この頃つらつらと、我が思考はどうしてこうなったのか?と考えています。時にはその思考が人との軋轢を生み、時には人から面白いと褒められる。さてさて、どこから来たものなのか?
年を取って唯一面白いと思うことは、人に嫌われたとき、どうして嫌われるんだ?人に好
七十五年前の夏・・・
毎年のように日本が猛暑に包まれる頃・・・終戦記念日がやって来ます。
今年はこのコロナの騒ぎの陰で、政治の世界では「専守防衛」という戦後日本が守って来た壁が崩されようとしています。
歴史が物語るように、戦争は些細な出来事から簡単に始まり、そして、それを終わらせるには多くの困難と犠牲を伴います。
七十五年前の夏、一握りの心ある政治家が文字通り命懸けであの戦争を終わらせました。
「昭和20年
私はあなたを止めません・・・でも・・・
私の恩師は、禅僧としても学者としてもとても著名な方でしたが、その生い立ちは苦労に満ちたものでした。
父親は自分が生まれる前に借金を残し蒸発、母親は自分を生んだお産で死に、十歳以上年の離れた自分を育ててくれた実の姉は、恩師が十歳の時に過労で病に倒れこの世を去った。
少年期の恩師は「自分はこの世に必要のない人間」と思い込み、常に自殺を考えているような子供であったと語られていました。
学生時
「花は半開を看、酒は微酔に飲む、此の中に大いに佳趣あり・・・」
長年、仕事を共にさせて頂いている陶芸家の山﨑豪さんがインスタグラムに蓮花の蕾の画像と共にこんな投稿されていました。
「芍薬も蓮の花は3分咲き位が一番好きで、蕾の期待感も何とも言えず足が止まります。」彼も40歳手前になり、芸術家としての感性や美意識が身について来たような気が致しました。
さて、この投稿を見て思い出すのが・・・私の座右の書の一冊「菜根譚」の有名な一節
「花は半開を看、酒は微酔に飲む