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「邂逅 山門をくぐりて/随想 人は出逢う」

 この度、noteで長年で書いて参りました短文と加えて小説を自社の印刷物として出版致しました。(「邂逅 山門をくぐりて/随想 人は出逢う」発行 アートスクウエア観)
 noteという掲載の場で気ままに自分の思いを書かせて頂いたことを感謝しております。
 この頃は投稿をしておりませんでしたが、今年はまた再開したいと思っております。
 以下に出版の思いとして、著書のあとがきを掲載させて頂きます。ご一読して頂ければ幸いです。

              あとがき
 もう四十年近く前のことになるでしょうか。我が恩師鈴木格禅先生が六十歳の時だと思います。午後の陽ざしが射しこむ駒沢大学の教授室でいつものように私がお茶を入れて、差し出すと先生は笑いながらこう仰いました。
「お前、若いと思っているだろう・・・でもな、明日の朝目ざめたらお前は六十歳なっているぞ」
私が「そんなばかな・・・」と言うと「馬鹿者、わしがそうだからだ・・・人間な,おぎゃーと生まれた時から片足を棺桶に突っ込んでいるんだ・・・人生など一日の出来事だ・・・心に刻んで生きろ」そう言って笑っておられました。まるで昨日の出来事のように覚えています。
 そして、先日朝目ざめたら私は六十歳になっていました。この四十年間決して平坦な人生ではなく色々なことを経験致しましたが、過ぎ去ってしまえば恩師の言葉通りまるで一日の出来事のようでした。

 一昨年の暮れに運命を共に生きてきた母親が九十三歳で他界致しました。激動の人生を歩んだ母親を見送ってどこかほっとしていたら、今度は私に病が見つかりました。
「明日目ざめたら・・・いや今度は目ざめられるのか・・・」とそう思ったとき、生きている間に自分は何をしたいのか、何ができるのか、真剣に考えるようになりました。 そして若い頃に一生に一度は本を出そうと決めたことを思い出し、これを機に書き溜めたコラムと短編の小説を一冊の本に致しました。
 振り返れば、私の人生は恩師をはじめ多くの善き人との出逢いによって助けられて来ました。「人生は己の力だけで切り開かれるものではなく、人との出逢いによって開かれるものである」この歳になりそう実感をもって言えます。
 そんな思いから著書のタイトルを『「邂逅」人は出逢う』と致しました。拙い文章ではありますが、そんな思いを汲みとって頂ければ幸いです。
 出版にあたり、童話作家・編集者の原和正さんと詩画家のほんまちひろさんに編集やレイアウトをして頂きました。大切な私の友人でもあるお二人に心より感謝申し上げます。
                              近藤智禅 

アートスクウエア観 ネットショップサイトで販売はしております。


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