見出し画像

「花は半開を看、酒は微酔に飲む、此の中に大いに佳趣あり・・・」

長年、仕事を共にさせて頂いている陶芸家の山﨑豪さんがインスタグラムに蓮花の蕾の画像と共にこんな投稿されていました。
「芍薬も蓮の花は3分咲き位が一番好きで、蕾の期待感も何とも言えず足が止まります。」彼も40歳手前になり、芸術家としての感性や美意識が身について来たような気が致しました。

さて、この投稿を見て思い出すのが・・・私の座右の書の一冊「菜根譚」の有名な一節

「花は半開を看、酒は微酔に飲む、此の中に大いに佳趣あり、もし爛漫もうとうに至らば、便ち悪境を成す・・・」

私も思えば五十も半ばを過ぎ、色々な失敗を繰り返しながら、やっとこの言葉の境地がわかるような気が致します。若い十代二十代の一時期は、憧れて花の満開のような場所に出入りし、酒を死ぬほど浴びた経験がありました。そして、嫌というほどその虚しさを思い知りました。 

先日、若い方とお話をしていて
「仕事も遊びもほどほどに頑張っています・・・」と言われ
「ああ、そうですか・・・」とお応えはしたのですが・・・

でもどうでしょう・・・花が満開を過ぎ、色あせ、朽ちて、散って行く姿・・・深酒をして反吐を吐く己の姿・・・悪境を知らずして、本当の佳趣が理解できるのでしょうか?

学生時代にこんなことがありました。
麻雀をしていつも講義に遅刻、欠席をする学生に、ある教授が
「お前な、そんなに麻雀が好きか・・・だったら一回死ぬほど麻雀を打ってみろ!単位はくれてやる!」
その学生、真面目なのか気が強いのか、そのあと数ヶ月本当に寝るのも惜しみ麻雀を打ち続けました。
そして、ある時学生が「先生、もう麻雀飽きたわ・・・なんだか麻雀が嫌いになりそうだ」というと
その教授は「何事も一度とことんやれば、その良さも悪さも身をもって分かるものだ・・・いい勉強になったな」と伝えたそうです。

「花は半開を看、酒は微酔に飲む、此の中に大いに佳趣あり・・・」とは私はこういう意味だと理解しているのですが・・・如何思われますか・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?