茅榎

そこはかとなく、書く。

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記事一覧

なんでもない朝のお話 #旅のようなお出かけ

わずかに残るまどろみの中、まぶたを開ける。 ジリリリリッ 目覚まし時計の音に反応して自然と手が伸びる。 朝の5時30分、体に染み付いた起床時間も今日が最後になる予定だ…

茅榎
4年前
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読書レビュー #6:辻村深月 『子どもたちは夜と遊ぶ』

思い出深い夜遊びがある。 友達二人と、人生で初めてカラオケオールした。 お世辞なのは確実だけど、人生で初めていい声だと褒められた。 そしてなぜか、声が枯れてきた朝…

茅榎
4年前
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シュピナートヌィ・サラート・ス・ヨーグルタムの休日 #同じテーマで小説を書こう

「ねえ、なんか面白いことないの?」 退屈そうな声と柔らかな感触、ほのかな甘い香りがおりてきた。 「面白いことねえ...」 ソファの背もたれ越しに、首に巻きついてきた…

茅榎
4年前
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読書レビュー #5:辻村深月 『冷たい校舎の時は止まる』

高校の制服って、校則とは別にローカルルールみたいなのがある気がする。 スカートの裾は長い方がイケてるか、短い方がイケてるか。 腰パンはするか、否か(腰パンって死語…

茅榎
4年前
9

ありがちな恋愛とありがちじゃない恋愛

テレビの番組切り替えの時期は、音楽特番が増える気がする。 ずっと追いかけているアイドルを見つつ、 「なんか、好きかも」と思えるアーティストや歌に出会える 貴重でお…

茅榎
4年前
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読書レビュー #4:辻村深月 『スロウハイツの神様』

知らない間に同居人が増えていた。 湿気がとても好きで、梅雨が一番居心地がいいらしい。 名前はPenicillium(ペニシリウム)...。 すみません、アオカビです。棚に生えま…

茅榎
4年前
9

欅坂の改名に思うこと

大学2年生の時に、私は欅坂46と出会いました。 それまではアイドルには興味はなかったし、どちらかと言えば嫌いでした。 けれど、気が付いたらハマっていました。 それは…

茅榎
4年前
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KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!

先日、衝撃的なニュースが発表されましたね。少なくとも、欅坂のファンには。 2015年8月25日に結成された「欅坂46」。結成からのファンである私も、衝撃と喪失感に見舞わ…

茅榎
4年前
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読書レビュー #3:住野よる 『君の膵臓をたべたい』

気がついたら7月になってしまった。 俗にいう社会人なるものになって、3ヶ月が過ぎた。102日目、24 × 102 = 2448時間、2448 × 60 = 146880分、146880 × 60 = 8812880秒…

茅榎
4年前
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読書レビュー #2:新海誠 『言の葉の庭』

梅雨ですね。 雨で服の裾が濡れるのも、ジメジメとした湿気も嫌いですが 雨の音はとても好きです。 だから最近の雨の休日は、家に引きこもってなるべく全ての音を消して 静…

茅榎
4年前
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読書レビュー #1:朝井リョウ 『武道館』

パンプス、苦手なんです。「量産型就活用パンプス」みたいなのとか。つま先痛いし、階段の昇り降り難しいし、何より転びそうになるし。 だから、ヒールつきのパンプス履い…

茅榎
4年前
2

のんびり、ゆったりと思って下書きまで書いた。けど、思いがけない、いや、思いつくはずなのに目をそらしていたことが現実に起きて。私にとっては大きなことなのに、世界にとってはちっぽけなことなのが納得いかなくて。でも、整理するために、進むために、たくさんのいまを言葉に残していこうと思う。

茅榎
4年前

note、はじめてみた

はじめまして 茅榎(ちか) と申します。 この投稿を開いていただき、ありがとうございます。 自己紹介この春に長い(?)学生生活に終止符を打って、社会人になりました…

茅榎
4年前
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なんでもない朝のお話 #旅のようなお出かけ

なんでもない朝のお話 #旅のようなお出かけ

わずかに残るまどろみの中、まぶたを開ける。
ジリリリリッ
目覚まし時計の音に反応して自然と手が伸びる。
朝の5時30分、体に染み付いた起床時間も今日が最後になる予定だ。

「春樹!起きて!」
朝ごはんの準備を終え、息子の部屋へ向かう。
部屋から漏れる目覚まし時計の音が、まだ息子が眠りの世界から戻ってきてないことを教えてくれる。
全く、本当に4月から一人暮らしなんてできるのだろうか?
そっとため息を

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読書レビュー #6:辻村深月 『子どもたちは夜と遊ぶ』

読書レビュー #6:辻村深月 『子どもたちは夜と遊ぶ』

思い出深い夜遊びがある。
友達二人と、人生で初めてカラオケオールした。
お世辞なのは確実だけど、人生で初めていい声だと褒められた。
そしてなぜか、声が枯れてきた朝の4時に、人生で初めて90点台を叩き出した。
卒業を機に疎遠になってしまっているけど、3つの「人生で初めて」に付き合ってくれた二人の友達は元気だろうか?
ちなみに、90点台を出した曲は乃木坂46さんの『ハルジオンが咲く頃』です。

さて、

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シュピナートヌィ・サラート・ス・ヨーグルタムの休日 #同じテーマで小説を書こう

シュピナートヌィ・サラート・ス・ヨーグルタムの休日 #同じテーマで小説を書こう

「ねえ、なんか面白いことないの?」
退屈そうな声と柔らかな感触、ほのかな甘い香りがおりてきた。

「面白いことねえ...」
ソファの背もたれ越しに、首に巻きついてきた沙羅の腕をほどいた。
「だってせっかくの休みなのに、さっきからずっと本読んでる。ひとりだけで休日満喫していてずるい」
不満な顔をした沙羅が隣に座ってきた。
同棲を機に買ったソファは安物のせいか、二人で座ると少しだけバランスが悪くなる。

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読書レビュー #5:辻村深月 『冷たい校舎の時は止まる』

高校の制服って、校則とは別にローカルルールみたいなのがある気がする。
スカートの裾は長い方がイケてるか、短い方がイケてるか。
腰パンはするか、否か(腰パンって死語?)。
靴下の長さや色、夏場でもベストを着るかどうか...。
個人的には、「自分の地元の女子高生はスカートの丈をとっても短くする」って話したとき、
教授さんが「それはいいじゃないか!!!」って食いついたのが良き思い出。

さて、今回も読書

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ありがちな恋愛とありがちじゃない恋愛

ありがちな恋愛とありがちじゃない恋愛

テレビの番組切り替えの時期は、音楽特番が増える気がする。
ずっと追いかけているアイドルを見つつ、
「なんか、好きかも」と思えるアーティストや歌に出会える
貴重でお得な時期だな、と思う。

テレビで放送されることがほとんどない
シングルのカップリング曲やアルバムのリード曲。
実はそこに自分にとっての名曲も隠れていたりして、
テレビで出会ったアーティストの公式youtubeとかをしっかり漁ってしまう。

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読書レビュー #4:辻村深月 『スロウハイツの神様』

読書レビュー #4:辻村深月 『スロウハイツの神様』

知らない間に同居人が増えていた。
湿気がとても好きで、梅雨が一番居心地がいいらしい。
名前はPenicillium(ペニシリウム)...。
すみません、アオカビです。棚に生えました。
棚の中身全部出して掃除したから、家が初期化されていく...。
梅雨明けはありがたいけど、どうしよう、この子たち...。

そんなこんなですが、辻村深月さんの『スロウハイツの神様』の読書レビューでも書こうと思います。

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欅坂の改名に思うこと

大学2年生の時に、私は欅坂46と出会いました。

それまではアイドルには興味はなかったし、どちらかと言えば嫌いでした。
けれど、気が付いたらハマっていました。
それはデビュー直後の田舎っぽさが残る彼女たちが、キラキラした姿に変わっていくのを見るのが嬉しかったから、そしてメッセージ性の強い楽曲にたくさん励まされたからです。

だからこそ、欅坂の活動休止や改名を聞いた時、寂しい気持ちになりました。

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KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!

KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!

先日、衝撃的なニュースが発表されましたね。少なくとも、欅坂のファンには。

2015年8月25日に結成された「欅坂46」。結成からのファンである私も、衝撃と喪失感に見舞われました...。
活動休止、改名については、少し整理してから書くことにして
7月16日(木)に開催された
KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!
の感想をまとめていきたいと思います。
(長く

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読書レビュー #3:住野よる 『君の膵臓をたべたい』

読書レビュー #3:住野よる 『君の膵臓をたべたい』

気がついたら7月になってしまった。
俗にいう社会人なるものになって、3ヶ月が過ぎた。102日目、24 × 102 = 2448時間、2448 × 60 = 146880分、146880 × 60 = 8812880秒...。
同じ時間でも細かく考えるほど、長く感じません?(締め切りからの逃避)

さて、今回も読者レビューです。

1. 作品紹介(詳細なあらすじは、リンク先をご覧ください)
住野よる

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読書レビュー #2:新海誠 『言の葉の庭』

梅雨ですね。
雨で服の裾が濡れるのも、ジメジメとした湿気も嫌いですが
雨の音はとても好きです。
だから最近の雨の休日は、家に引きこもってなるべく全ての音を消して
静かに過ごすのがお気に入りです。
...自分、結婚はきっと向いていない。

さて、前回投稿に引き続き、読書レビューを書いてきたいと思います。

1. 作品紹介
(詳しいあらすじはリンク先をご覧ください)
今ではその名を知らない人はいないと

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読書レビュー #1:朝井リョウ 『武道館』

読書レビュー #1:朝井リョウ 『武道館』

パンプス、苦手なんです。「量産型就活用パンプス」みたいなのとか。つま先痛いし、階段の昇り降り難しいし、何より転びそうになるし。
だから、ヒールつきのパンプス履いて、笑顔でパフォーマンスしているアイドルの足元、思わず見ちゃうんですよね。
痛くないのかなーって。
これって、私だけですかね?

さて、今回は『武道館』(朝井リョウ著)の読書レビューです。

1. 作品紹介(あらすじはリンク先をご覧ください

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のんびり、ゆったりと思って下書きまで書いた。けど、思いがけない、いや、思いつくはずなのに目をそらしていたことが現実に起きて。私にとっては大きなことなのに、世界にとってはちっぽけなことなのが納得いかなくて。でも、整理するために、進むために、たくさんのいまを言葉に残していこうと思う。

note、はじめてみた

note、はじめてみた

はじめまして 茅榎(ちか) と申します。
この投稿を開いていただき、ありがとうございます。

自己紹介この春に長い(?)学生生活に終止符を打って、社会人になりました。
趣味は読書、アイドル鑑賞。運動も好きです。
大学院では植物学、農学を専攻し、研究が好きすぎて週7日でラボに行ってました(個人的には第二の青春時代でした...)。

noteを始めたわけ忘れたくない言葉や感情を、忘れずに覚えていたい

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