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公務 イン ザ シティーッ!!!

中島:1992年生まれ福島県出身。日本大学工学部建築学科卒業後、地元市役所に建築技術職として入庁。紆余曲折を経て一念発起、2021年にブルースタジオに入社。元公務員としての経験を活かし、bpm事業部シニアコンサルタントとして人生爆走中。三度の飯より酒が好き。

藤森:1996年生まれ長野県出身。雑誌編集部員の時に見たブルースタジオの「まちを編集する」のフレーズにグッと来て2022年入社。クリエイティブディレクター大島芳彦のアシスタント、またコンサルタントとして日々奮闘しながら今年からbpm事業部に配属された公共1年生。得意技は野沢菜を漬けること。

藤:公共事変、第9回目です!
前回は、まちの中に高校生の居場所を増やしたり、家庭や学校以外で得られる価値観に触れられる機会を増やしていくことが、高校生が地元の地域に心を寄せられるきっかけとなるのではという話をしました。

中:青春に思いを馳せた回でしたねえ...(笑)
ところで前回、Uターンして地元で働くのは選択肢が少ないからという話もしたけど、選択肢が少ないとは言っても、コロナを経てテレワークとかリモートっていう働き方が出現して選択肢の幅は広がったのはよく言われてることだよね!

藤:ブルースタジオでも週に2、3日程度出社という形でリモート勤務を併用していますね。

中:リモートワークみたいに企業の働き方が変わると、個人の働き方だけじゃなくて暮らし方の選択肢も増えるよね。
例えば前にネットで、保育園留学なるものをやっている会社の記事を読みまして。
親がテレワークできるようになったから、東京から北海道の保育園に家族でトライアルステイみたいな形で2週間くらい滞在して、その期間子どもは北海道の保育園に留学するっていうシステムらしいんだけど、
東京の保育園では人見知りしがちだったお子さんが、北海道の大自然の中で2週間のびのび過ごしたら、人見知りはしなくなるわ、虫は平気になるわ、という成長を遂げたっていう話で(笑)

藤:初めて聞きました...!新手の荒治療?野生化?でも面白いですね!

中:おもしろいよね!そんな衝撃的な体験したら、大人になってもなんとなくでも覚えてるんじゃないかな(笑)
それに親御さんも普段東京で忙しなく働いてて、子どもにとって良い環境を与えられてるのかな?みたいな悩みもあった中で、自分自身のリフレッシュだけじゃない良い体験だったって書いてあったよ。
働き盛りの時期は子育て盛りでもあるから、働き方の選択肢が広がるっていうのは子育てにとっても良いよね!

公務員のテレワーク事情

藤:確かに!ところで民間企業はリモートワークとか進んでるところもありますが、公務員の皆さんってテレワークとかってできておられるんでしょうか?

中:それね〜。公務員、特に地方自治体のリモートは難しいところがあるんだよね〜。
というのも、個人情報とかの超絶機密情報を扱っているからセキュリティをちゃんとしたネットワークの構築が必要だし、持ち出せる書類も限られるし。あとそもそも役所って窓口業務とか電話対応とか、サービス・接客業に近い仕事なので、テレワークできない部署もあったり。

つまり、導入するのにはお金もかかるしリスクもあるわけです。
でもまあ、こんな時代なので、テレワーク自体を取り入れてる自治体は多いと思うけど、実際の運用率は低いんじゃないかなあ...?

藤:なるほど、役所ならではの制約があるのか...

中:そんなわけで、公務員のテレワークを推進するのは業務内容的に限界があるかな〜とは思っているんだけど。 

なんでテレワークするんですか?

中:でもさ、そもそも論だけどテレワークするのってなんでかな?

藤:なぜ…流行っているからとかって言ったら怒られると思うんですが、確かに何でテレワークするんだろう...
でも通勤しなきゃいけなかった時間を有効に使えるっていうのは大きいですよね。毎朝満員電車で会社に行くのはそれだけで消耗してしまうよなと思ったり...

中:そうだね、目に見えてわかりやすいのは通勤時間だね。
つまりテレワークするために働いているんじゃなくて、自分の生活リズムとかプライベートを大切にしながら快適に働ける環境が欲しい、だからテレワークを進めるんだと思っていて。
テレワークって、「暮らす」と「働く」の比重が「暮らす」に傾いてきた今の時代だからこそ、働きやすくするための一つの手段として選ばれているだけであって、テレワークをすることが目的ではないはずなんだよね。

藤:確かに!テレワークはあくまで働くための方法ですもんね。

中:そんなわけで、そもそもの公務員の「働き方・環境」って、もっとやりようないのかな〜っていうのを前々から思ってまして。
「在宅勤務」を常態化させるのは難しいけど、公務員が働く場所自体が「暮らしの中」に溶け込んでいったら面白いのでは?という...

藤:ハッ...!これはもしかしてナカジマプレゼンツ妄想事変の流れでは...!

中:妄想事変!なんでもかんでも事変つければ良くなってきたな(笑)
今回は役所の機能をまち中の空き家に分散するのはどうかな?っていう妄想なんだけどね〜
今ある公共施設って、高度成長期以降に一気に建てられたものが多くて。
庁舎もそうなんだけど、その時代の役所は「権威の象徴」というか、でっかくドーーーーン!!と厳かに作るのが自治体のプライドだったらしいんだよね。聞いた話なので真偽は不明ですが(笑)

でも確かに閉鎖的な建物は多いなと思っていて。役所ってまちの中心に位置していて、立地としては地域に接する機会が多いはずなのに、組織の仕組みだけじゃなくて建物も閉鎖的なもんだから、まちに対してものすごい機会損失してると思うんだよね〜。

藤:街の中の立派な建物は市役所、っていうイメージは確かにあるかも。それでいてそんなに街に開かれているって感じもしないのも分かる気がします。

中:だから、役所の機能ごとにまち中の空き家に分散配置させていって、商店街の路面店みたいな窓口にしたら面白いのでは...?って思っていて。
役所の建物が大きい理由って、文書主義だから保管する書類の量が膨大だったり、災害時の備蓄とか色んなものを保管する必要があるっていう要素もあるので、議場の話と同じく無理ゲー要素ばかりの話なんだけど(笑)
IT化が進んでペーパーレス・判子レスがちょっとずつ進み始めたからこそ、将来的には「できなくはないんじゃない...?」と私は思ってる!

働き方の多様性=多様な関係性

藤:今は一つの建物で役所ってところが一般的だと思いますけど、このエリアは役所街、みたいな面的な空間が街にあったらそれはそれで面白そうですね!笑 

中:だって、もしまち中に役所が分散していったら、その周辺地域との関わりは必然的に生まれるじゃない?
役所はクレーム対応が大変だってよく言われることだけど、私はクレーム対応に限らず、世の中の大半の問題はコミュニケーションの齟齬によって生じているバグだと思ってて(笑)
まちの中に公務員がいる風景が日常になって、仕事をしながら通りすぎる地域の人と「こんにちは〜今日は天気が良いですね〜」なんていう会話が生まれて、公務員がまちに馴染んでいったら、そういうバグも減るんじゃないかなって妄想しているわけですよ。

藤:お互いどんな相手か知らない状態での意思疎通ってどうしても警戒し合っちゃう部分はありますよね。市民からしても役所の中にいる大勢の中の一職員という認識か、あの部署の〇〇さんとして接するかでは大きく違ってきそうな!

中:とまあ、そんな妄想も何が言いたいかというと、「働き方の多様性=テレワーク推進」だけではないということです。
コロナで広まったテレワークだけど、なんで今も需要があるのかと言ったら、一人ひとりができるだけ快適に、自分らしく働くために何が必要か?っていうところで「テレワーク、ええやん!」となったわけで。

藤:先ほども話しましたけど、やはりどう働くかは、どう暮らすにも直結してくることですもんね。

中:働くことも暮らすことも、他人との関係性の中で成り立つものだから、「働き方の多様性」ってつまりは、働く環境の中にも多様な関係性を生み出すことが大切なんじゃないかな〜って思うわけですよ。

藤:仕事と割り切るのも一つの手ですけど、環境や仕組みが仕事を更にし易くするために作用するなら考えてみる価値はありますよね!

中:あと別の視点として、最近はテレワークとかIT化推進の補助金が経産省から出ているんだけど。
それは国策として日本のIT産業を活性化させたいという別の思惑があるので、さっきの「働き方の多様性=関係性の多様さ」っていう話とは少し論点がズレてくると思うのね。

藤:ITとテレワークって相性が良さそうなので一見、納得感ありますけど、ITに従事する人だけが地方に暮らしながら働きたいわけではないような...

中:地方では、そういう経産省の補助金使ってコワーキングスペースをいっぱい作っていて。
もちろん全部がそうって話ではないけど、なんというか地方で今作るべき多様性って、コワーキングスペースで解決するのかな?補助金の目的のIT産業の活性化と本当に合ってるのかな...?と思うところもあったりして。
目的が合っていないと、本当にやるべきこと・作るべき空間は作れないから、そこはbpmでもちゃんと考えていきたいところだよね!

藤:手段が目的化してはいないか、その地域で必要とされているものは何なのか、一緒に見つけていきたいですね!

中:そうだね、酒は飲んでも飲まれるなってことですね。
私も気をつけたいところです....!
そんなこんなで、今回の記事は以上になります。
今週も一週間、お疲れさまでした!かんぱーーーーい!

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