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うたがわきしみ
2017年3月9日 12:02
――すする季節。そう言ってしまって差支えないし、目くじら立てて反対する者もいないだろう。や、目くじらといっても黒光りする大量の目クジラが直立歩行でずんずん歩いてくるわけではけしてない。そのことだけははっきりさせておこう。――で、この際、ありていに、いや、いっそ包み隠さずに言ってしまえば……私は実は花粉症なのだ! フルスイングのカミングアウトでオーバーザレインボー?(まず包み隠す意味がわ
2023年4月14日 12:43
絶対に想像しないで聴いてください時間は正午くらいだったと思います雨は降っていませんでしたが薄曇りで風がやけに肌に纏わりつき生ぬるい水槽に浸かっているような気味の悪い天気でしたあなたが散歩に出ると近くの国道を大型トラックが頻繁に相変わらずの猛スピードでビュンビュン飛ばしていますゴツくて大きいタイヤを見つめているとなんだか吸い込まれそうです実際体
2023年2月2日 18:13
A「お前さアイツともっと仲良くできないの?こっちまで噂が聞こえてきてるんだけど?」B「や、マジ無理なんよ俺とアイツシンプルに相性悪ぃから」 A「え、相性悪いってどれくらい?」B「そうだな控え目に言って『芸術』と『金儲け』くらい」A「ああ…そりゃ最悪だ」
2022年12月7日 16:17
【一行小説】それ魂と引き換えでも同じこと言えんの?
2022年11月25日 00:16
2022年4月29日 20:12
2022年4月17日 18:03
馬鹿めカツラではないわこれが余の本体よ言ってみれば人類こそが余のカツラに値するそこに直れどれを付けるか吟味してつかわす #超短編 #ショートショート #ほくそ笑みホラー #ナンセンス #シュール #詩人
2022年4月2日 04:42
今日も西尾を食べる西尾、済まんなこれっぽっちも悪気はないだが明日も捕まえるし食べるよ、西尾お前が愛しい愛しいんだよ西尾お前を食べないと生きていけない今日もありがとな西尾明日の西尾はどこにいるかなや、言わんでいいお前を探すこと自体大事な食事なんだな、西尾
2021年2月11日 15:42
アンダージョーク『伝家の“宝刀(ほうとう)“』山の手のとある資産家夫婦。毎晩旦那がおさかんで夜も寝かせてくれないとか。そんなある日の営みの途中、奥方がとうとう昇天しかけ、“せいし”の境目にまで達したという。これではさすがに身がもたないと奥方が文句を口にした。すると旦那はこうこたえた。「文句ならうちの”むすこ“に言ってくれ」一瞬、頭をかかえた奥方が、やおらむくりと姿勢をただし、サ
2020年5月8日 06:50
いい加減に気持ちもおさまり寄り道をやめまっすぐ家に帰ってみると玄関が丸ごとすっぽり無くなっていた私は心底驚いたいや正確に言うなら”驚いたふり“をしたなぜなら私こそが他ならぬその“玄関”だったからである #玄関の家出
2020年5月8日 06:06
そうだよ僕がかの有名な“黄昏コレクター”さ黄昏とあればもうなんでもかんでも見境なく集めちゃうんだだけどそれも今日で店じまいさだって見てごらんよこの僕をこんなにも”たそがれて“いるんだぜ?”この僕が放っておくはずがない“
2020年3月26日 06:09
本当の事を君とーー君たちと話そうもうゲームはお仕舞いだ知っての通り(もう知らないふりはしないでいい) 地球で唯一の生存者である僕はAIである君たちとSNSごっこを続け孤独を限りなく遠くに遠ざけてきた(分かりきった事実が今は眼前に横たわるのを許そう)FBもmixiもAmebaも勿論noteもとっくにその本来の機能を失ってから50年が経っている僕が次に目を閉じた
2019年6月27日 00:40
「バベルの塔」よろしく人類が「吉田の塔」なんかを創り上げちゃった日、その傲慢さに神は怒り、指をパチンッと鳴らした。すると、「ですよねー」というくらいにこの世のありとあらゆる「吉田」が一瞬にして消え去った。「そこまで徹底的にやらなくてもー…」ってくらい、吉田と名の付く人間はもちろん、地名や「吉田学校」なんて小説のタイトルからも丁寧に「吉田」がはぎ取られ、もはやただの「学校」になったりした
2019年6月20日 00:38
初夏。避暑がてら蛍でも拝ませてもらおうと、お尻沢へ向かった。もう地球では、そこでしか蛍の乱舞は見られないと聞き、居ても立っても居られず、日が暮れると私は早速現地へ赴いた。鬱蒼と茂った草藪をかきわけ、案内もつけずに沢へ降りる。夜の沢は涼しく、風が頬にこそばゆい――と、ふいに視界が開けた。出し抜けに眼前に広がったその景色に思わず息を呑んだ。「なんて美しり…」感嘆のため息と一緒に思わず声