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2019年9月7日 10:56
「ブラック部活」という言葉の広がりとともに、部活動を改革しようという動きが盛んとなっています。現在、教育現場では、スポーツ庁の公表した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」や、文化庁の公表した「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」に基づいた部活動改革が求められています。ひとことで言えば、「練習のしすぎは、生徒にとっても先生にとっても良くないから、これまでのやり方を見
2019年5月22日 17:05
突然ですが、現在の日本において教育の目的とはいったいなんでしょう。今日は最近の教育政策における「教育の目的」について書いてみました。本記事のポイント◎教育の目的が「人格の完成」と「平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」から「人材の育成」に事実上置き換わっている。◎こうした「人材的人間観」の強まりは人権等の観点からリスクがある。教育基本法か
2019年5月18日 23:34
昨日のnoteで、教育再生実行会議で行われている議論がエビデンスに基づいていない可能性があるのではないかと指摘しました。本日は、昨日から新たに調べたことを書き、さらに高校生の学習意欲を高めるには、どんな政策を進めてほしいかという話について書いてみました。本日のポイント・(高校普通科の改革に関する)現在の提言は、高校生の学習意欲の向上につながる根拠に乏しい。・学習意欲を高めるキーワードとし
2019年5月17日 22:16
教育再生実行会議(教育再生実行本部)の議論というのは、本当にエビデンスに基づいたものなのでしょうか。普通科は学習意欲が低い? 聞いたことないぞ。自民党の教育再生実行本部が14日にまとめた提言では、今の高校の普通科について「大学入試に困らない指導をするあまり、生徒の学習意欲が低下している」などと指摘しています。そのうえで、「学校ごとに特色を出した新たな枠組みを作り、指導方針を明確化することが必
2019年5月8日 23:59
昨日、こんな記事を書きました。記事の中では「ゆたぼん」と名乗る少年の「不登校は不幸じゃない!」という意見の背景にあるものについて考えた上で、義務教育という憲法の規定を考えた時に、大人は「学校に行かなくていい」を強調するだけではなく、代替的な学びの場を確保する義務があるのではないかと述べました。そんな中で、今日は、こんな記事を読みました。他にも不登校YouTuberがいたのか……という驚
2019年5月7日 23:59
長かったゴールデンウィークも終わりました。そんな中でネット上で二つの記事が話題になっています。一つ目は、とある不登校少年についての記事です。「少年革命家 ゆたぼん」を名乗っており、「不登校は不幸じゃない」というメッセージを発信し続けていると記事には書かれています。もう一つは、小1の息子が「家庭内起業」をしたというnoteの記事です。おこづかいがもう少し欲しいという気持ちをキッカケにして、お
2019年4月26日 18:30
こんなニュースが話題となっています。文部科学省が出している放射線副読本をめぐって、滋賀県野洲市の教育委員会が内容を問題視し、回収をしているという報道です。この副読本については、以前から思っていたことがあります。せっかくの機会なので、今回はそんな「放射線副読本」の問題点を少し書いてみたいと思います。最新の放射線副読本は、こちらのサイトからダウンロード可能です。小学生向けと中高生向けがあります
2019年4月24日 23:58
いつも悩んでいることがあります。「いじめ」「差別」「ハラスメント」といったものについての線引きは誰がどのようにするのかという問題です。ここでは「いじめ」について考えてみたいと思います。いじめを定義するということいじめ防止対策推進法によると、「いじめ」とは、児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影
2019年4月10日 14:54
第70回全日本合唱コンクール(2017年)で都留文科大学合唱団が演奏した曲「混声合唱とピアノのための『ぼくの村は戦場だった』 - あるジャーナリストの記録 -」の楽譜が出版になったそうだ。2012年にシリアで凶弾に倒れたジャーナリストの山本美香氏の著作を、作曲家の信長貴富氏がテキスト構成・作曲した作品。今回は、信長氏のしたためた「まえがき」を引用しながら、感じたことを書いてみたい。思いつい
2019年3月6日 13:06
「やりがい搾取」という言葉がある。Wikipediaには次のように書かれている。経営者が金銭による報酬の代わりに労働者に「やりがい」を強く意識させることにより、その労働力を不当に安く利用する行為をいう。東京大学教授で教育社会学者の本田由紀により名付けられた。出典:やりがい搾取 - Wikipediaこの「やりがい搾取」という言葉が広まるにしたがって,最近は「やりがい」という言葉そのものに