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さらっと西洋建築史12〜古代建築を見直すことで生まれた新古典主義建築〜
18世紀中頃から19世紀初頭にかけて現れてきた建築的動向を新古典主義と呼びます。
これはバロック時代の古典の自由な解釈や装飾過多な様式の反省として生まれてきたものであり、より、科学的・考古学的な研究によって正確な古代建築を見直す動きに他なりません。
特にパンテオン神殿を始めとするギリシア建築遺構の実測記録が出版されるなどギリシア建築やローマ建築の再発見が促されていきました。
オーダーの再現に
さらっと西洋建築史7〜ビザンツ建築について〜
395年ローマ帝国は西と東に分裂することになります。コンスタンティノーブルを首都に置く東ローマ帝国は、徐々に独自の建築文化を形成していくこととなります。
ローマ帝国の地図 放課後の夕焼け
その中で、15世紀まで続く長い歴史の中、東ローマ帝国で建てられた建築物を総じてビザンツ建築と呼びます。
ペンデンティブを活用した新たな建築ハギア・ソフィア大聖堂初期のビザンツ建築であるハギア・ソフィア大聖堂
さらっと西洋建築史8〜地域性豊かなロマネスク建築〜
前回のビザンチン様式に対して、ロマネスク建築様式は西ヨーロッパで栄えた建築様式と一般的には分類されています。時代区分としては、おおよそ1000年から1200年頃までのゴシック建築以前の建築を指します。
ロマネスクという名称も「古代ローマ建築の参照」という意であることからも分かるように、バシリカ式建築様式を主としながら、ヴォールトを多用し、過去の技術が多く踏襲されてきました。
↓バシリカ式建築様
さらっと西洋建築史9〜光を求め続けたゴシック建築〜
12世紀の中頃、パリを中心とするフランスでは、ゴシック様式の宗教施設、大聖堂が次々と建てられていきました。
それらはそれまでのロマネスク建築とは全く異なった、光に満ちた、軽やかな建築の様式でした。
建築物の大きな進化を遂げたゴシック建築、その構造、事例について見ていきます。
↓ロマネスク建築について↓
光の空間、骨組みについてゴシック建築の特徴は光に満ちた空間にあります。
光を多く取り込むた
さらっと西洋建築史10〜古代の再生を目指したルネサンス建築〜
15世紀になるとゴシックに変わり、フィレンチェを中心としてルネサンス建築という新たな建築様式が生まれてくることになります。「ルネサンス」とはフランス語で「再生」を意味します。
当時のフィレンチェでは、富裕な商人たちが次第に政治的な権力を握るようになってきます。それと同時に彼らは芸術家のパトロンとなり、新たな文化の形成に貢献することとなります。
かつて芸術がその頂点を極めた古代の「再生」、オーダ
さらっと西洋建築史11〜プロパガンダの表現としてのバロック建築〜
バロックの語源はポルトガル語のBarocco(歪んだ真珠)といわれ、装飾過剰で大仰な建築に対する蔑称でありました。
ルネサンス建築の静的な秩序や均衡を第一としたその姿勢とは対象的となるものでした。
このような建築様式変革は時代的には宗教革命や絶対王政の時期と重なります。
カトリック教会や王政における権威の象徴(プロパガンダ)としての建築のあり方が求められていったのです。
宗教改革、絶対王政に関
さらっと西洋建築史1〜祈念性と権威の象徴を求めた古代オリエント・エジプト建築〜
さらっと建築史、まずは紀元前以前、古代の建築から見ていきます。
古代建築の本質として重要なことは、祈念性と象徴性です。
メソポタミア、エジプト、エーゲ海の古代の三大文明も、高さとして、柱として、量塊として、あるいはシンボリックな外観として、独自の表現でこれらを実現してきました。
建築は人々が使用する空間としての単なる入れ物なのではなく、この祈念性と象徴性を構築的に表現するための手法・物体として
さらっと西洋建築史2〜造形美を求め続けたギリシア神殿〜
バルカン半島の先端に位置するギリシアを含むエーゲ海一帯にはクレタ文明およびミュケナイ文明が栄えていました。その地域に紀元前1100年頃、北方からドリス人が南下して来ます。ドリス人達は先住民族の文明を受け入れつつ優れた造形原理に基づくヨーロッパ建築の源泉となるギリシア文明を開花させていくこととなります。
ギリシア文明期に建てられた代表的な建築物としてはギリシア神殿が挙げられます。
ここではギリシ
さらっと西洋建築史3〜ギリシア文明の都市構成と市民生活を支えた公共施設群〜
ギリシア建築を支える土台はなにも神殿建築だけではありません。古代ギリシアでは、各地にポリスと呼ばれる都市を中心とした小国家が数多く建設されていったのです。
市民権を持った人々による自治政治が行われていたのです。
各都市には、守護神を奉る神殿の建つ神域と市民生活のための公共施設や娯楽施設が整えられていきました。
今回はギリシア建築の中でもそのように市民に開かれた公共建築について掘り下げて見てみます。
さらっと西洋建築史4〜ローマ建築を支えた建築手法〜
紀元前1世紀末には地中海湾岸のほぼ全域の覇権を握った古代ローマは、古代ギリシアのオーダーによる美的規範を継承し、その上で、アーチやヴォールトといった工法を発展させ、人々の活動を包み込む巨大な建築物をこの世に誕生させてきました。
教会建築の発展とも重なり、建築技術、工法の発展が目覚しく進んだ時代でもあります。
現在でも活用されている建物も多く、都市の基盤や秩序を支え続けています。
今回はそんなロ
さらっと西洋建築史5〜ローマの街を支えた歴史的公共建築群〜
2世紀になると、ローマ帝国は西欧のほとんどをその領土としていくことになります。その中で、絶対的な権力を誇った歴代の皇帝は、公共施設の建設を中心とした大規模な造営事業を敢行していきます。
その当時には多くの建築物が建てられ、また人々の生活の一部として活用されていきました。
今回はこの時期に建てられた建築物の中でも代表的なものを見ていきます。
古典建築の教科書 コロッセウムの闘技場この時期に建て