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私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【7月-その2】羊文学

私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【7月-その2】羊文学

🔷羊文学

運転しながら、職場で流れているFMを聴きながら、歌が気持ちに触れる一瞬がある。
そんな時は曲名を憶えておいて、車を止めてすぐにスマホにメモする。メモできない時には、後で放送局のオンエア曲リストで探す。

そうやって書いた曲名リストが積み重なって、何十曲にもなっている。そのリストに何度も登場する名前、「羊文学」と「カネコアヤノ」。
気持ちにゴロっと感じる違和感があって、それは少し重くて

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私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【6月-その3】東京文化会館・吉田美奈子

私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【6月-その3】東京文化会館・吉田美奈子

[トップ画像]2023年6月の夕焼け
夕焼けを見ていると、子どもの頃を思い出す。

🔷東京文化会館大ホール

このホールには来たことがあった。小学六年生の時だった。
仕事で家に帰ってくることが少なかった父とは、出かけた思い出がほとんどない。だから、よく憶えている。父が、クラッシック・コンサートのチケットを取ってくれたのだった。
といっても、私の家は決して裕福な訳ではなく、むしろ貧しい方だった。ク

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私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【6月-その2】ロザリーナ・大森靖子

私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【6月-その2】ロザリーナ・大森靖子

[トップ画像]大森靖子とともに活動しているアイドル、ナナちゃん

🔷ロザリーナ
私がロザリーナに出会ったのは、2020年の緊急事態宣言の時でした。宣言中も、私はエッセンシャル・ワーカーとして、毎日職場に出勤していました。

町には人がまばらでした。駅や商店では、皆が隣りの人が感染者ではないかと疑心暗鬼になり、殺気立っていました。咳払いをすると、睨まれました。マスクをしていないと、罵倒されることも

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私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【6月-その1】高円寺・阿佐ヶ谷編

私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【6月-その1】高円寺・阿佐ヶ谷編

とにかく新しい体験をしたい。感じることで、生きていることを実感したい。そんな私の2023年の新しい試みの一つが、中央線沿線の阿佐ヶ谷、高円寺あたりの開拓でした。今回は、新しい街での体験を少し書きます。

🔷ライブハウス 高円寺HIGH

エイプリルブルーというバンドが好きになりました。どうしてかと改めて聞かれると、よくわかりません。懐かしく感じるメロディーでしょうか。ボーカル船底春希の声でしょう

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私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【5月-その3】

私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【5月-その3】

[トップ画像]高円寺にはこういう不思議な雑貨屋さんがあります。

🔷Total Feedback

🔴シューゲイザーというジャンル
高円寺HIGHは、私が今年から行き始めたライブハウスです。毎月最終日曜日に、Total Feedbackというライブイベントを開催しています。よくは知らなかったのですが、ロックの指向性に「シューゲイザー/ドリームポップ」というのがあるそうで、そのジャンルのバンドが

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私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【5月-その2】

私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【5月-その2】

🔷大森靖子

大森靖子の「街」といえば、ファンは高円寺と新宿を思い浮かべるでしょう。それほどに、彼女は新宿に、何かと縁があります。
このライブは、4月14日にオープンした歌舞伎町タワーの中にできたライブハウスZepp Shinjukuの、こけら落としの意味を持つイベントでした。だから、歌舞伎町に縁の深い大森靖子が担うのは当然、最適任だと、私は思いました。

このライブは大規模なものでした。大森靖

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イベント参加2023(まとめ)

イベント参加2023(まとめ)

11月から、「私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023」という記事を毎週掲載しています。
2023年、いったいどれくらいの数のイベントに私は参加したのか?自分でも把握できていなかったので、あらためて書き出してみました。思ったより多くて驚いています。これほどまでとは…ちょっと遊びすぎのような…

内訳は以下のようになりました。

🔴イベントの種類別

■音楽関係のライブ…40回
■演劇

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今年の振り返り 2023年

今年の振り返り 2023年

毎年、大みそかのこの時間夕方6時頃に、ひとりで一年を振り返っている。noteだと公開が前提になってしまうので、書けることと書けないことがある。だから、以前は他の非公開のブログに書いてみたりもしてきた。
でも、今年はここにずっと書き続けてきたので、noteに書こう。

満足だったかと問われれば、今年はとても満足だった。気持ちの満たされ方は、これまでの人生で一番かもしれない。
その理由の一つは、自分で

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私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【4月-その4】

私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【4月-その4】

🔷吉田美奈子

二十代の頃に聴いていた吉田美奈子のアルバム”EXTREME BEAUTY”に入っている”LIBERTY”を聞きたくて、何度も彼女のライブに足を運ぶことになった。今回は、昨年の10月に続き2回目だった。
何十年も経った今、こんなふうに過去の記憶をなぞって、何人かのミュージシャンのライブを訪れている。自分が歩けるうちに、彼女らが歌い続けているうちに、会っておきたい。自分の生きて来た時

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私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【4月-その1】

私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【4月-その1】

🔷白井貴子

2021年6月の尾崎亜美の公演以来の大和田ホール。今年は三月半ばに開花した桜が、四月になってもまだ咲いていました。

私が見たかったのは白井貴子でした。今回はきたやまおさむとのトーク・ショーとのことで、歌はないものと思いながら見に行きました。

きたやまおさむは1970年頃に加藤和彦らとともに結成したザ・フォーク・クルセイダーズの北山修のことです。「戦争を知らない子供たち」「白い色

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私の日記をリカバリーの物語として読む① リカバリーとは?(差替掲載)

私の日記をリカバリーの物語として読む① リカバリーとは?(差替掲載)

私が、退院後の日記を整理して、noteに掲載しようと思ったはじめの理由は、「同じような経過をたどる誰かの力になればいいな」でした。
私が発病した時には、インターネットやSNSは今のようには普及しておらず、情報は本から得るしかありませんでした。私の文章が、かつての私が欲しかった「見通し」や、「他の人はどうしているのだろう?」に少しでも答えられれば、そんな気持ちで日記を公開してきました。
でも、やって

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膠原病 気持ちのリハビリ記録 | 退院して二カ月までの生活【その16】『どこにでも自由に行きたいなあ…』

膠原病 気持ちのリハビリ記録 | 退院して二カ月までの生活【その16】『どこにでも自由に行きたいなあ…』

🔹乗ってみたい車のイメージを描いてみた日◎ランクル70

私の中にある車の原型はランクル(トヨタ ランドクルーザー)70。免許を取る少し前、初めてかっこいい…と憧れた車がこれだった。将来これに乗りたいなあとイメージしていた。
釣り道具とテントと鍋釜を積んで、砂浜を海際まで入って行きたかった。

頑丈で壊れない。不得手な地形がなくて、どこまでも走れる。飾り気のない機能美。広い窓。四角い車内空間。

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祈り|終戦記念日

祈り|終戦記念日

戦争を語る世代が少なくなっていると言われます。戦争の時に二十代だった人たちが、現在の日本の最高齢の世代となっています。

戦時中、大人はどんなことを思っていたのでしょう。多分、全員が「鬼畜米英!」と叫んでいたわけではないでしょう。戦争に賛成している者や、日本が最後まで勝つと信じていた者ばかりではなかったはず。むしろ口には出さないものの、戦争を疑い、憎んでいたのではないかと思うのです。

そんなこと

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気持ちのリハビリの記録|膠原病退院後の生活【その15】 復職後一カ月『求める自由 どこにでも行ける道具がほしい』

気持ちのリハビリの記録|膠原病退院後の生活【その15】 復職後一カ月『求める自由 どこにでも行ける道具がほしい』

思うように歩けなくなった。電車に乗るにも、バリアがたくさんある。バイクにも自転車にも乗れなくなった。今、辛うじてできるのは、近距離の車の運転練習くらいだ。
手段がないだけではなく、出かける体力もない。これから先は、いつ悪化するかわからないから、遠出は難しいのかもしれない。

そんな、外出や移動の自由を失ったことが、鬱々とした気持ちの原因のひとつなのだろう。
何だか監禁されているような気分。閉じ込め

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