青桐

美しいものがすき

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記事一覧

気持ちに名前をつけたところで

心の余白を埋める何か ふと出会ってしまった この気持ちに 名前を付けることが怖い 恐ろしいとすら感じる この揺らぎをいつか 心地いいと感じられるほど わたしはどうも強…

青桐
4か月前
3

【映画評】三島由紀夫 vs 東大全共闘 50年目の真実

わたしは創作物を愛でるにおいて、 創作者の人格にはさほど興味がない。 音楽もそう。楽曲を好きになっても 作者に興味を持たない。 それが自分が年を重ねたせいか、 (年…

青桐
6か月前
2

話すこと書くこと自分のこと

金曜日と日曜日に、 それぞれ別の友達二人ずつと久しぶりに会って それぞれ三時間ずつ笑ったり相槌を打ったり 女同士でげらげらと過ごした。 アウトプットを口から行うこ…

青桐
6か月前
2

イヤシノウタ 感想

吉本ばなな『イヤシノウタ』を読了した。 とても好きな作家さんだけれど、 「すてき」「あたたかい」「やさしい」 とにかくどの文章にも、 ほんわりと温かなワードがあって…

青桐
6か月前
9

冬先の国道のすたるじ

今どきにはもう珍しい 影のあるネオンを携えて 寂しい国道が真っ直ぐに伸びている 冬先の午後五時三十分 この道を通ったはずの 何千何万の目の中にある それぞれの人生の…

青桐
6か月前
6
気持ちに名前をつけたところで

気持ちに名前をつけたところで

心の余白を埋める何か
ふと出会ってしまった
この気持ちに
名前を付けることが怖い

恐ろしいとすら感じる
この揺らぎをいつか
心地いいと感じられるほど
わたしはどうも強くもないし
軽やかではないのだから
春の陽気に騙されて
浮ついている自分を
俯瞰で見て嘲笑うのが
精一杯の強がり

ただ素直に打ち明けたところで
報われないすべてのことに
吐き気がする

そんな生き方しか出来ない
浅はかな自分と

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【映画評】三島由紀夫 vs 東大全共闘 50年目の真実

【映画評】三島由紀夫 vs 東大全共闘 50年目の真実

わたしは創作物を愛でるにおいて、
創作者の人格にはさほど興味がない。
音楽もそう。楽曲を好きになっても
作者に興味を持たない。

それが自分が年を重ねたせいか、
(年齢を重ねると他者との隔たりが
どこか綻んでくる。他者に興味が出てくる。)
三島由紀夫文学にあまりにもここ短期間で
濃密に触れ合ってきたせいか。
ふと、動いて話をしている彼を見てみたくなった。
単純なる好奇心で見始めたこの映画を
気が付

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話すこと書くこと自分のこと

話すこと書くこと自分のこと

金曜日と日曜日に、
それぞれ別の友達二人ずつと久しぶりに会って
それぞれ三時間ずつ笑ったり相槌を打ったり
女同士でげらげらと過ごした。

アウトプットを口から行うことに
日頃慣れていないから
久しぶりに友達に会っても
学生時代のように
言葉が思うように出てこない。

もちろん、そこには大人になってからの
ちょっとした遠慮だったり、
変なプライドだったりが
見え隠れしている変な距離感があって、

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イヤシノウタ 感想

イヤシノウタ 感想

吉本ばなな『イヤシノウタ』を読了した。
とても好きな作家さんだけれど、
「すてき」「あたたかい」「やさしい」
とにかくどの文章にも、
ほんわりと温かなワードがあって、
優しい世界に包まれているので
捻くれもののわたしは正直、途中胸やけしそうだった。
あまりにもたくさんのポジティブはわたしには重たい。
いつもきれいに完結する話もしんどい。
ドリカムの音楽にも似たところを感じる。
90年代の恋愛ドラマ

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冬先の国道のすたるじ

冬先の国道のすたるじ

今どきにはもう珍しい
影のあるネオンを携えて
寂しい国道が真っ直ぐに伸びている
冬先の午後五時三十分

この道を通ったはずの
何千何万の目の中にある
それぞれの人生の彩りを思う

それは時代の移り変わりを
たっぷりと染み込ませながら
何度も何度も掘り返して重ねた
アスファルトの下に
きっとゆっくりと眠っている

目を細めると握りしめたハンドルごと
タイムスリップしてしまって
幼いわたしの陽炎の上に

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