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日記

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#本を読む

あの窓から入る光を美しいと思う1日目

あの窓から入る光を美しいと思う1日目

引っ越しをした。

これが12月の一番大きな出来事で、本当は年始から住み始めるつもりだったのだけど、わざわざ年末年始にバタバタしなくてもいいよね、となり、仕事終わりや休みの日などを使って少しずつ私の荷物を彼の家に運び込んでいた。

すでに私たちは週の半分くらいは一緒に過ごしていたため、それが、住む家を変えるタイミングで、じゃあもう荷物運んでこっちで一緒に暮らそうか、そうだね、そうしよう、という感じ

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これは治癒

これは治癒

日々のことなんて、いつかは綺麗に忘れてしまうものだと思って生きている。
そうじゃないと、私の心はすぐにパンクして、全てを捨てたくなってしまうから。

あれだけ心を動かされ、涙を流し、忘れないでおこうと思っていたことでさえ、思い出になってしまうと、そう簡単には思い出せない場所に収まってしまう。そうしていつの日か何かしらのトリガーを引いた時にだけ思い出し、(ああ、そんなことがあったっけ)と思うくらいに

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本のための灯台があるならば

本のための灯台があるならば

 日記が二日前で止まっていることに気づいた今。かといって非生産な日常を送っていたので特筆することがなかった、と思う、だけど内面は結構もろもろになってしまっていた。猫を撫でただけで涙が出るくらいにはきてました、いろいろ。

 やっと少し霧が晴れてきたので、また霞んでしまう前に書く。昨日、たま子さんがわたしの最推し本の『灯台守の話』を読了したとの報告をツイートで見かけて、しかもとてもいい感想を書いてく

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わたしを置いて眠らないでまだ今日にいて

わたしを置いて眠らないでまだ今日にいて

 眠たくて寝た気がする昨日、夜中も何度も覚醒しつつも朝は5時すぎに目が覚めた。真っ暗闇の中で一人というのはとても苦しく、いつまでも収まらない動悸に身悶えした。月のものが遅れているのもあり、余計に不安定なのだろう、と思う。しばらく布団の中で過ごし、二度寝してやっと8時に布団を出た。薬を飲んで今に至る。白湯が美味しい。今日は雨。肌寒いので上着を羽織っている。とうとう裏起毛のついたベストを羽織って過ごす

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先に眠って明日へとスキップする君をみつめる

先に眠って明日へとスキップする君をみつめる

傷まない胸はないざわめきのなか、ひとりぽつんとしてしまう夜。家族が寝静まったのを合図に私は1人になり、1人になったことでこころが苦しくなる。あぁ。泣きべそをかいてしまいたいくらいだ。

日中は家族と、昨日に引き続き妹のために細々した台所用品や洗濯用品などを買ってきた。11月とは思えないほどあたたかな気候に、グレーのニットカーディガンに色味やあたたかさの場違いさを醸し出させてしまった。意地でも脱

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三段ボックスを持っていけばなくなる居場所

三段ボックスを持っていけばなくなる居場所

 日中、本が読めるぞ〜と意気込んでいたので、その勢いのまま『エレンディラ』を読了。ちょっとこわいような、でもホラーまで行かない、童話のような世界観に引き込まれていた。実は何度かブックオフで見かけていたのだけど、見送っていた作品だった。こうして友人を通して読めたので嬉しい。

 そうして次は川上未映子さんの『ウィステリアと三人の女たち』を読もうと思っていたのだけど、いつの間にか寝ていた。今日は一日中

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クセで氷を入れてしまった

クセで氷を入れてしまった

今更、こないだのBBQの時に聞いた私の恋愛に関する噂話を聞いたことを思い出していると、じわじわと、何かどす黒いものが湧いていて、いや、もはや笑うしかないのだけれど。いつかこれは何かしらの報復を受けるのだろうか。彼は。いつかの恋人は。そういうところがダメなんだよね、といいたい。連絡も絶っているのでどうしているかは知らないけれど、自分がやったことを棚に上げて何を言ってるんだ……。ただただ、『そういう

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コーヒーゼリーの上にいたアイスが溶けたことを知っていながら話し続けて

コーヒーゼリーの上にいたアイスが溶けたことを知っていながら話し続けて

  市内にあるファミレスで集まって文学談義をした昨夜。5時に会う約束だったのに軽く5時半ごろになってしまった。何事も10分前行動で生きてきたのですごく焦った。3時が4時になって、4時が5時になるという当たり前のことを完全に忘れていた。3秒くらいしか青にならない地獄のような信号機のエリアを抜け、残り6分で到着と書かれた液晶の永遠の6分を睨みつつ、渋滞をやっと抜けてたどり着いたココスの黄色い看板の眩し

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10月に読んだ本

10月に読んだ本

 月の半分以上をカラマーゾフの兄弟に注ぎ込んだ自覚はある。そうして、海外文学の面白さを改めて発見しつつ、気がつけばメンタルがだだ崩れ、その後荒治療をするかのように西加奈子さんの夜が明けるを朝方にかけて読み、いい意味でも悪い意味でも疲れ切ってしまったので少し休憩し、ゆっくりとリハビリするつもりで江國香織さんのエッセイを読み、そして、小山清さんや堀江敏幸さんの作品の優しい言葉に触れて落ち着き、ゴッホの

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美容院で洗われたから洗いたくないな今夜のお風呂は

美容院で洗われたから洗いたくないな今夜のお風呂は

髪を切った。ショートヘアになって2年。高校時代に1度短くしてからというもの、ずっとロングヘア、もしくはセミロングヘアで過ごしてきた私にとって、人生何があるか分からないな、の代表といってもいいくらい大きな変化だ。わたしがショートヘアなんて。

言葉の呪いというものはほんとうに意味がわからないくらい強い。いい意味でももちろん強い。

『あんたには似合わないよ』という言葉を信じ続けていた日々。幾度と

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閉じたことを気づかなかった瞼が開いて

閉じたことを気づかなかった瞼が開いて

 日記書かなきゃ〜何書こうとしたっけ〜と考えているうちに、座ったまま眠っていた昨日。目覚めたら深夜の2時を回っていて、ありゃ〜と思ったことは覚えていて、そこから多分自力で(いや自力以外ないのだけど)布団へ入ったのだろう、次に目を覚ませば朝だった。

おろ〜〜〜〜、と心の中で呟いた。毛布はやはり蹴っていて足元で棒状になっていた。足先は冷たかった。寝ている間の私ってすごく思うがままにやってんだなあ。起

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人生一度きりをまっとうしたHI-TEC-C

人生一度きりをまっとうしたHI-TEC-C

 昨日、人生で2度も3度も経験したくないほどの酷い腹痛を経験した。

 痛いってかもうきつい。息するだけで痛い。特に吸ったら痛い。動けない。赤子のポーズになったまま布団にくるまっていた。背中がずっと冷たい。寒い。なんなら吐きそう。ありとあらゆる痛みと寒気と戦って4時間以上。痛みがおさまった流れでそのまま眠っていた。朝目覚めてもまだぎゅる、と鳴っていた。え、まだ痛いやん。今の今まで寝てたじゃん。寝て

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はずれた時のリアクションは予想しない

はずれた時のリアクションは予想しない

 昨日からぶわぶわした気持ちを引きずり、朝も昼も夜もずっとそんな調子で、空元気という言葉がぴったりであった。江國香織さんのエッセイをまたつまみ読みしたあとは2019年から2020年にかけて開催されたゴッホ展の画集を眺めて過ごした。

 いつまでもいつまでも消え去ってくれない黒々とした不快感と光が走って行くように現れる自分への罪悪感や嫌悪感にうんざりし、白湯にコーヒーにお茶に牛乳に水にお酒に、ありと

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