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三段ボックスを持っていけばなくなる居場所


 日中、本が読めるぞ〜と意気込んでいたので、その勢いのまま『エレンディラ』を読了。ちょっとこわいような、でもホラーまで行かない、童話のような世界観に引き込まれていた。実は何度かブックオフで見かけていたのだけど、見送っていた作品だった。こうして友人を通して読めたので嬉しい。

 そうして次は川上未映子さんの『ウィステリアと三人の女たち』を読もうと思っていたのだけど、いつの間にか寝ていた。今日は一日中妹の引っ越し先で留守番を頼まれていた。ガス屋さんに水道屋さんに建具屋さんに宅急便屋さんに入れ替わり立ち替わり人が来るのを相手するためだった。それぞれの仕事着を来て、道具や資料を持って来ており、それぞれの専門用語を使って話してくれるので聞いているこちらは楽しかった。(一番話しやすいのはうちの地域の担当をしている佐川急便の男性だ。あの人の面白さといい融通の利きやすさと言いとても助かっている)こんなに短時間でいろんな業種の人と関わることもそうないな〜なんてぼんやり考えながら。

 引越しのために実家から持ってきた三段ボックスやら小型テレビ、テレビラック。通販で買ったこたつ机、その机を取り囲む座椅子型のソファ。安売りの時を狙って買っていたホットカーペットに絨毯、いざ揃えたものを配置してみると主に居間のスペースのみが充実し、そのほかのものはまだまだ揃っていないということがわかった。寒さを乗り越えたい気持ちだけは伝わったけれど。

 実家から持って来た三段ボックス。中身は実家に放り出されたままだったのを見つけ、母が持っていってくれないと困る〜と唸っていたので結局運んだ。妹は置いていく気満々だったらしく、取り残した中身のその後を考えていなかったようだ。天然なのかなんなのか。三段ボックスに収納できていたからスッキリしていたのであってだね…。それほど多い荷物ではなかったので、二人暮らしでは余るほど収納スペースが充実している物件なので、どうにかなるようだった。安心した。

 妹と離れるのが寂しい、といいたいところだけれども、引越し先は徒歩20秒で着くので寂しさなんてまったくない。おそらくだけど、ごく当たり前に実家に帰ってくるような気がする。そしていつでも呼ばれる気もしている(主に掃除とか料理のことで)安全な場所でいることで安心はする。彼女と彼女の恋人が選んだ場所なので何もいうことはないけれど、彼女たちはまさしく、昨日読んだ山内マリコの『ここは退屈迎えに来て』の椎名くんのようなリア充タイプだ。末長く楽しく、幸せであってほしい。

 

 そういえば今夜は皆既月食だから今すぐ外に出て空を見てごらんと母から電話がなったので、妹と一緒に出ていき、すべてが消えるギリギリの皆既月食を鑑賞することができたが、乱視でブレブレの目では三日月が二本あるようにしか見えなくて、スマホのカメラで見る方が十分綺麗に見えた。60年に一回なので、つぎに見えるとしたら80歳を有に超えてからになる。生きているか知らない年齢だ。生きている間に見えてよかった。この時だけは己の視力の悪さを少しだけ悔やんだけれど。

 そして、やっと、念願のオムライスを食べた。三日間食べたかったオムライスはとても美味しかった。皆既月食の日だとも知らずに今日までオムライスを我慢していたので、みょうに特別感を抱き、記念日じみた夜ご飯となった。幸福感が増したのでよし。

 お風呂やら諸々のことをすませて筋トレとストレッチを終えた後、新しくダウンロードしたポケモンをちょっとやろうと思って、ちょっとのつもりでやっていたらこんな時間で、頭を抱えそうになった。ゲームをするのは好きなのだけど、浪費した時間感覚をストレス発散と思えないフシがある。じゃあなんでやるねんという感じなのだけど。没入を止めるにはアラームしかないと思った。次回から実践したい。

 まだ眠たくないのでウィステリアを読みながら過ごそうかな…と考えつつも眠らないといけないような気がしているのは、この頃の不調を整えたいと思っているからだろう。明日がもっといい日になるには今寝るのがいいのか夜更かしするのがいいのか。もう少し考える。お布団はすでにほかほかで温かいのだが。

 また明日。

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