『糸結』

ずっと、彼女が好きだった。

フラレても忘れられないほど、好きだった。

だから、この共演は最後の機会だと思った。

絶対に逃すんじゃない、という神様からの。

だけど、決して無理はしないと決めていた。

自然とお互いを大切に思える存在になるため。

細くて柔らかい糸しか持たなかった僕だけど、

それは今、僕達の指にしっかり結びついている。

横を向けば、いつでも君が隣にいる。

ずっと、彼女が好きだ。妻になった、今もなお。


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