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加齢黄斑変性。硝子体に注射する抗VEGF薬治療で進行抑制。肥満との因果関係も⁉︎

こんにちは、翼祈(たすき)です。
加齢黄斑変性とは、真っ直ぐのものが“歪んで見える(変視症)、視野の中心が欠けてしまう、視野の中心が暗い膜の様なものが出たりなる、見たいものがはっきり見えなくなる、色がわかりにくくなるなど、様々な症状が出現します。

網膜の中心には「黄斑」という部分があって、人間は多くの情報を黄斑から見ています。加齢黄斑変性は、この黄斑の働きが弱くなる病気です。

網膜中心にある黄斑部にもろい新生血管が発生し、血液・浸出液の漏れやむくみなどを発症し、視力が低下します。視力が低下することで、失明に至るケースもあります。国内では毎年平均でおよそ2500人に1人が発症していると推定されています。

従来は欧米人に多い病気でしたが、ここ数年は日本でも増加しています。専門家は、「日本でも高齢者人口の増加や食生活の欧米化などが、日本で加齢黄斑変性が増加している原因の1つと推測されます」と懸念しています。

今回は治療法である硝子体注射の抗VEGF薬治療のこと、2023年に明らかとなった肥満との因果関係について発信します。

加齢黄斑変性の治療法、硝子体注射の【抗VEGF薬治療】

視力低下の原因である黄斑浮腫は網膜下で発症し、網膜内の毛細血管から漏れ出る血液成分や新生血管の増殖・成長によって発症します。抗VEGF薬治療を眼内に直接注射することで、血管成分や新生血管の漏れを抑制する新しい治療法となっています。

硝子体注射とは、糖尿病網膜症や強度の近視、加齢性黄斑変性などを治療するために実施します。これらの病気はどれも眼球内の血管に異常が発生する病気で、原因の物質の働きを抑制する薬剤「抗VEGF薬」を注射することで症状の緩和に繋がります。

現在、日本では硝子体注射の時に使用される抗VEGF薬は、ルセンティス、マクジェン、アイリーアが許可されています。抗VEGF薬は、眼の表面から硝子体腔へ、極細針を使用して注射するやり方で薬が投与されます。

硝子体注射が有効な病気は、●加齢黄斑変性症 ●網膜中心静脈閉塞症 ●近視性脈絡膜血管新生 ●糖尿病網膜症 ●網膜静脈分枝閉塞症

です。いずれの疾患も保険適応となっています。

画像引用・参考:硝子体注射 吉田眼科

治療の仕方

まず点眼麻酔と散瞳薬を点眼の前処置とします。目を洗浄して消毒した後、瞬きをしない様に開瞼器と器械をまぶたに置きます。

白眼に細い針で抗VEGF薬を注射をし、異常がないことを確認できたら終わります。その後2時間程度注射を受けた患者には眼帯をして貰います。

画像・引用:硝子体注射 南桜井はば眼科

雑菌が入らない様に、基本的には洗顔や入浴はできません。

眼帯を外さず、顔に水が入らない様に首から下のシャワーを浴びることは問題ないです。洗顔をする代わりに濡れタオルで顔を拭く時には、眼の周囲を避けて拭いて下さい。

また、注射をした眼の方に眼帯をしていることで、立体視ができず距離感が掴めないこともあり、車や自転車、バイクなどの運転は避けて下さい。

画像引用・参考:抗VEGF抗体硝子体注射 梅の木眼科クリニック

加齢黄斑変性症では、最初は1ヵ月に1回、連続3回硝子体注射をします。その後は定期的に経過観察を受けながら、一般的に、2~3ヵ月に1回の硝子体注射で状態が安定するまで継続します。

網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症、強度近視による脈絡膜新生血管などの病気では、視力が安定するまで月1回硝子体注射を受けて、それからは症状に適応して注射をします。どの場合も、治療の間隔は作用や症状に適応させて適宜調整をします。

抗VEGF薬による硝子体注射は、一度は症状が回復しても薬の作用が減弱することで、再発するケースもあります。その時は再度硝子体注射を行う必要がある場合があります。気付かない間に症状が進行しながら視力が落ちたり、見えにくい範囲が拡大してしまうと改善が困難になるケースもあって、定期的な検査と治療が必要です。

抗VEGF療法の費用

加齢黄斑変性に対する抗VEGF療法には、保険診療が適応されます。一般的な負担額は以下の通りです。

3割負担(70歳未満) 約60,000円/月
3割負担(70歳以上) 上限44,400円/月
1割負担 上限12,000円/月

引用:抗VEGF療法(硝子体注射) らいおんコンタクト 伊丹中央眼科
 

視覚障害者手帳交付の原因疾患

第1位 緑内障
第2位 糖尿病網膜症
第3位 網膜色素変性
第4位 黄斑変性症
第5位 高度近視

画像・引用:抗VEGF薬治療(硝子体内注射)  なつみだい眼科

加齢黄斑変性と肥満の因果関係が明らかに!

肥満が関係しているとも言われている眼の病気の加齢黄斑変性は、一度太ると痩せた後も症状が悪化するリスクが高水準のままであることがマウスを使用した実験で明らかになったと、京都大学やカナダ・モントリオール大学などの研究チームが公表しました。

その研究データの論文が2023年1月6日、科学誌[サイエンス]に掲載されました。

加齢黄斑変性を発症する仕組みは不明な点がまだまだ多いですが、肥満や喫煙との因果関係を指摘した報告も出ていました。

研究チームの眼科学が専門の京大特定講師の男性らは加齢黄斑変性のマウスを使用して、炎症に関係する血液中の免疫物質「サイトカイン」の量を調査しました。

その研究データを分析すると、過去に太っていたマウスは、標準的な体重になっても免疫細胞から「サイトカイン」が過剰に分泌され、加齢黄斑変性の症状を悪化させることが明らかとなりました。免疫細胞を分析した結果、「サイトカイン」を合成する遺伝子の機能が、脂質からの刺激によって活性化していました。

眼科学が専門の大阪大教授の男性は、
「過去に肥満していたことが加齢黄斑変性に関係していたことを確認できたのは今回が初めてでした。このことが、人でも同様の現象が起きているとしたら、新しい加齢黄斑変性の治療法の開発へと結び付くと期待が持てます」
と述べています。

参考:「痩せても免疫細胞が記憶」過去の肥満でも加齢黄斑変性悪化リスク…京大などチーム 読売新聞(2023年)

疲れやすくなりました。

今年に入り、この記事の様な専門的な記事も書いていきたいと思って、去年より難しい記事に挑戦する様になりました。そういう専門的な記事は書けば書くほど難しく、これまでの記事よりリライトするにも時間がかなりかかる様になりました。

なかなか満足のいく感じに仕上げるのも難しく、難しい顔をして、記事を書いている時が増えました。書き終わった後、ホッとすると同時に目が凄く疲れているなと感じます。

疲れ過ぎて目がボーッとなりますし、専門的な記事をこの1ヵ月書き出してから目以外にも身体にも疲れが残りやすく、寝落ちしてしまったり、1回仕事のある日に前の日の21時半過ぎから翌朝の7時半過ぎまで寝ていたこともありました。

去年から書こうとしていた題材も多く、まだ幾つか書きたい記事が多いのですが、何でもある程度区切りが大事ですし、後少し専門的な内容を書いたら、少しそういう記事を書くことから暫く離れようと思います。

それ位神経も体力も色々すり減らして書いています。もちろん新しい論文のニュースが入って来ればその記事も積極的に書いていきたいですし、今書こうとしている記事が終わったらマイルドな記事に戻りたいと思います。

支援員さんにも「いつも眠くて、凄く疲れているみたいだけど、大丈夫?」と色んな方から心配されますし、自分を労わることも大事だなと思っています。


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