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第46話 学芸員古沸妖の妄想宇宙論【実体験×科学×オカルト=ビックバン】いっしょにぶっ飛び

生き物

5.自由意思


 そうして進化と呼ばれる様々な試みが作用して、その反作用として、食物連鎖を含めた多様な生命を持つ生態系が組み立てられ、その進化の結果、人が出来上がり地球上では成長の進化が現状では釣り合っているのでしょう。

 というのはこれから人がどのように進化するのか、全くわかりませんから。

 滅亡するかもしれませんし。

 その人が生まれる状況も、全く同じ事が行われていますよね。

 精子という半分の遺伝子を持った細胞と卵子という半分の遺伝子を持った細胞が組み合わさり、遺伝子の数が揃い、電子を利用してその個体を使う魂が密着し、陽イオンを作り細胞が生命活動を始めると受精卵という生き物ができる。

 そして、受精卵は着床し、母体の遺伝子にある妊娠プログラムの発現と受精卵が相互作用を起こし、栄養素を供給する。

 ここで考えたいのが、遺伝情報も妊娠の進行も全く異常がなければ、両親の半分半分の個性を持った子どもしか生まれない。

 しかし、太ってる、やせてる、身長が高い、身長が低い、目がいい、目が悪い、両親に病気の遺伝子がないのに子どもは生まれつきの難病である、など全く同じ両親から生まれても個性が全く違う。

 性格においては、元々の心が違うのですから、個性があるのが当たり前です。

 これには精子の作られる過程で、遺伝子情報を書き換えるシステムがあるらしいから、個性が変わるという事らしい。

 卵子の持つ遺伝子情報は同じである場合も多いようだが、全てがそうであるかは証明できていないという。

 おそらくそうなのでしょう。

 ただ問題はなぜこのシステムが存在するのかという事です。

 なぜ個体に多様性を持たす必然性があるのか?

 安定して生体が成長できるなら、遺伝子は組み替える必要などない、免疫力、身体能力ともに優秀な個体が生まれたら同じように子孫に遺伝すればいいのだから、例えば、あえて病気が発症する遺伝子を作る必然性がないですよね。

 あえて染色体の異常を持ってこの世に生まれてくる必然性がないですよね。

 個性を作る遺伝子の組み替えが繁殖戦略および進化の一環だとすれば、優秀な遺伝子に右へ倣えするはずだ、適応しない個体は淘汰されるだけだ、でも現実は全くそうじゃない。

 という事は、個性の発現は進化とは別の意味を持つという事になる。

 つまりそこで考えないといけないのは、多様な個性を持つ作用の反作用は何かという事です。

 ここで、赤木館主の現実的な体験が生きてくる。

 そう、あの娘さんとの出会いで何を学んだか、それが全ての個体が個性を持つ反作用は何かという答えなんですな、つまりそれが個性を作る遺伝子組み替えのシステムがある答えでもある。

 それは前のお話しでも考えましたが、愛を向上させる為の負荷、そして、多様な学びをもたらす為の個性ではありませんか。

 つまり、この世に学びにくる魂の学びのプランに応じて、選択肢を提供する為に個性をもたらす遺伝子の組み替えが行われているのではないかと思うのです。

 という事は、その遺伝子の状態と学びのプランが合致した魂が、その状況を選択して生まれてこないとおかしいとなる。

 そして、学びのプランに対応した受精卵に、魂が密着する事で、生き物として活動を始める。

 加えてその他に両親の染色体の形や生活習慣にまで話しは発展していくのですが、それも含めてこの世に生まれてくる魂が、学びのプランに基づき、更には両親や取り巻く人々の学びのプランにも深く関係したプランを立てた魂が生まれてくるではないでしょうか。

 水頭症のあの娘さんは、自分や両親ばかりでなく、赤木館主を含め奇跡的に出会った周囲の人々にも、学びを提供しているのですから、逆にいうとそういう環境に生まれたからこそ、命が失われていないのです。

 凄い強い心と高い学びの目標を設定して生まれてきた事に、改めて心から敬意を表します。

 魂は生まれる環境を選んでいる

 そう考えると、遺伝子情報や生活環境、成長プログラム、なにより学びの内容が複雑な生き物ほどその確率は下がる

 だから、人が人工的に人の受精卵を作っても、学びのプランと合致する場合にしか生き物になれないのでしょうね。

 受精卵が出来ると母体から供給される物質をもとにして、遺伝子プログラムに沿った代謝活動と肉体の形成が始まる。

 そして、受精卵が胚となり、原始腸を形成し神経管や心臓ができると心臓が動きだし、独立して収縮拡張する心筋で動き続ける。

 その後、神経管が成長して、脳と神経ができると、魂が脳を刺激して心臓の制御を行い始めるのではないか。

 胎盤からから供給される必要な陽イオン物質を、神経のイオンチャンネルを利用して神経内部に取り込み魂がプラスのエネルギーを与えて、心臓を一定のリズムで動かす制御をしているのでしょうな。

 なぜ制御という言葉になるというと、心臓は独立して収縮拡張する特別な心筋でできていて、独自に一定のリズムで筋肉を動かすペースメーカーの機能を持っているからですな、それにしても脳からの制御と関連した物質がないと規則的に動かない。

 これは車と一緒ですな。

 スタートしたエンジンは物質からエネルギーを発生させ独立して動き続ける、でもアクセルを踏まないと進まなし、一定の速度で走れない、それは人が車を制御しているからですよね。

 人の場合にはそうしようという意思と体を動かすエネルギーが必要になります。

 たとえそれが人が自分の意思で出来る作業でなくても、そう魂が制御する無意識の意識だとしてもです。

 そしてエンジンの制御を止める、つまりエンジンを切るか、もしくは、部品が壊れるかガス欠になると止まる、そして、人は制御を辞めざるおえない。

 エンジンを切る、つまり車を物質を制御しようという心が無くなるのが脳死、脳を制御する魂が離れて機能しなくなることではないか。

 また、部品が壊れたり、ガス欠になり、エンジンを動かすエネルギーが生成出来なくなり、動きが止まり、魂が制御を辞めざるおえなくなり死を認識した魂が離れる、これが脳も含めた肉体という物質の死ではないか。

 ここで再び死を考える必要がある。

 それは、どちらの死も、魂が意識的に肉体から離れているという事です。

 肉体が死んでも体に電子は残るのですから、エネルギー的には肉体の電子が無くなるまで、つまり、完全に肉体が物質の循環サイクルに取り込まれるまで、密着できるという事になる。

 でもそれは正常な状態ではないですよね、心があっても生命活動ができないんですから、だからお葬式と言った儀式をして、死を認識させてあげる事が必要な魂も多いんでしょうね。

 心がそう認識する事で、魂がプラスのエネルギーを作るのを辞めて離れていく。

 こう考えると幽霊の存在も説明できるものになりますよね、第31話で考えた現象も、全く不思議じゃなくなる。

 死を認識していない、もしくはしたくない心を持つ魂が、建物やその場の電子を利用して存在しているのでないでしょうかね。

 憑依なども、心が波のようなものと考えると、他の魂が生きてる人にその波形を影響してる、もしくは、肉体に密着出来なくとも、接して影響してると考える事ができますよね。

 お客様、これで、オカルトがオカルトでなくなったでしょう。

 つまり科学だオカルトだと区分ける事自体が、生きる事への根本的な理解を妨げているのではないでしょうか、赤木館主は科学とオカルトが融合しないと人の未来は無いと思っているようですな。

 さて、話しを胎児に戻しましょう。

 その後、様々な臓器が形成され、胎児が成長してこの世に生まれる。

 ここから子孫を育てるという人の行為に依存する事で、相互に愛を高める作業が始まるのですな。

 成長に応じて深くたくさん新しい経験ができるように、あの世との記憶のやり取りを制限した反作用によって、この世で自由意思と肉体を持ち行動できるようになった。

 この世以外の記憶に基づく学びのプランが思い出せると、それだけをしていれば良いとなりますからな、それじゃせっかくこの世に生まれても、自由意志で多くの新しい経験を積めなくなる。

つづく
→第47話

第1話 1.プロローグ 2.ここは思念の世界です
第2話 3.物語を進めるにあたって
第3話 作用と反作用-1
第4話 作用と反作用-2
第5話 作用と反作用-3
第6話 概念における作用反作用-1
第7話 概念における作用反作用-2
第8話 心における作用反作用
第9話 思い出すってなんでしょう?-1
第10話 思い出すってなんでしょう?-2
第11話 思い出すってなんでしょう?-3
第12話 思い出すってなんでしょう?-4
第13話 オカルトなお話し-1
第14話 オカルトなお話し-2
第15話 出会い-1
第16話 出会い-2
第17話 魂と脳という臓器-1
第18話 魂と脳という臓器-2
第19話 魂と脳という臓器-3
第20話 魂と脳という臓器-4
第21話 この物語の骨子-1
第22話 この物語の骨子-2
第23話 この物語の骨子-3
第24話 この物語の骨子-4
第25話 善と悪-1
第26話 善と悪-2
第27話 善と悪-3
第28話 学びあい
第29話 死とは何か?-1
第30話 死とは何か?-2
第31話 死とは何か?-3
第32話 死とは何か?-4
第33話 ブラックホール
第34話 ゼロの点-1
第35話 ゼロの点-2
第36話 ゼロの点-3
第37話 ゼロの点-4
第38話 ビッグバン-1
第39話 ビッグバン-2
第40話 ビッグバン-3
第41話 ビッグバン-4
第42話 生き物-1 誕生1
第43話 生き物-2 誕生2
第44話 生き物-3 誕生3
第45話 生き物-4 進化


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