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第4話 学芸員古沸妖の妄想宇宙論【実体験×科学×オカルト=ビックバン】いっしょにぶっ飛び!

作用と反作用

2.すべては作用と反作用-2

 ──さて、作用と反作用の裏にあるのは、力学的なエネルギーが釣り合うように働く事でこれが最重要ですわな。

 それが地球の重力圏を抜け出して宇宙に行っても成立しているのは明白なようです。

 巨大な太陽の重力によって、運動エネルギーが釣り合うように、太陽の周りを太陽系の星々は楕円軌道で回っている。

 なぜ楕円なのかもきちんと解説できるそうなのだが、赤木館主は難しすぎて考えないようにしているようだ、へっへっへっ…。

 火星や月でもそれは実証されているし、地球より重力が少ない分、月では——月の映像がNASAの作ったCGでなければ——少しの力でジャンプしてもびよよーんと舞い上がれるようだし、マーズローバーは浮き上がらずに火星の地表を動いて、作業しながらリアルタイムに映像を送っている。

 その昔、土星の重力を利用してスイングバイ(星の重力を利用して放り出されること)して宇宙空間に投げ出された惑星探査機ボイジャー1号2号は、太陽系を飛び出していった。

 スイングバイをしないと、土星の周辺で進行が止まっていたようです、いくら真空の中を飛んでいっても、少なくとも太陽の重力の影響には逆らえませんから、少しづつ減少していく運動エネルギーが釣り合って最後には止まってしまうのですな。

 太陽系を抜け出したボイジャーも今後どこかで、何かのエネルギーの影響によって静止するもしれないし、異星人のビーム砲の標的とされ爆発するかもしれない、へっへっへっ。

 結末は誰にもわからないが、打ち上げられて50年ほども経つのに、今だに原子力電池によって電気が供給され通信が届いているという事は誠に凄い。

 この先も運動エネルギーが釣り合うまでは飛び続けるのだが、どんな結末がまってようがきっと宇宙の果てまでいったときには、宇宙が広がっているエネルギーに影響されて消滅するのではないでしょうか。

 そこまで行くのにどのくらいの年月が必要なのか分かりませんが、加えて物質の耐久性が持つかどうかは疑問ですが、なんていったって人間の作ったものですからね。

 つまり物質世界では作用と反作用、エネルギーの釣り合いを根底において考えても間違いないようだ。

 さてここで疑問です。
  
 作用と反作用は、つまり釣り合うようにエネルギーが働くっていうのは物質ありきだからでしょうか?

 空間ありきだからでしょうか?

 へっへっ…お客様、あなたが神様だったらどうします?

 そうこの世を創造した絶対的な摂理だとしたらです。

 なにを言ってるかというと、赤木館主は物質やエネルギー以外の概念について考えてみたのです。

 例えば、心、感情、生、死、裏、表、肉体、霊魂、光、影、善、悪、正、負、正解、間違い、犯罪、償い、善行、人徳、などなど世の中には尺度となる概念が一杯ありますよね。

 これらも全部作用と反作用の関係で釣り合う事を前提として考えてみることはできないかと…。

 逆にあなたが、創造主ならこっちには適応させて、こっちには適応させないなんてできますか?

 矢のように時間が流れていく現生という空間で、生まれてから死ぬまでどれだけ大量な経験をして、ものすごいスピードで選択をこなしている何億という人間、及び、それ以上の多くの概念や動植物、自然現象。

 その一つ一つにこれは適応させて、こっちは適応させないという事を、ものすごいスピードで取捨選択することをいっているのです。

 そんなことやってたらいちいち難しくて忙しくてやってられないでございましょう? 

 そしてちょっとでも気をぬくと宇宙がどんどんめちゃくちゃになっちゃう、考えるだけでも面倒くさいし、嫌になっちゃうじゃございません?

 だから赤木館主はこう考えた、物質ありきではなくて、森羅万象作用と反作用、釣り合うことありきで事が始まってるのではないかと

 勿論二元論やら陰陽思想、宗教観、死生観、などなど色々な事でそれが伝わっているが、宇宙の始まりだって、きっとそうなんですよ──とね。

 宇宙の始まりビッグバン、ある一点から物質やらエネルギーがぶわわわんと吹き出して空間や時間が生まれた、そこにだって釣り合う事がないといけない。

 だから、ある一点を境に繋がった正負の宇宙が二つあるなんて論理が出てくる。

 でもね…お客様…実はそれじゃ釣り合わないんですよ、そこに加えるのが「ぶっ飛んだ」理論ですな、へっへっへっ。

 いやいや何も難しくない、実は身の回りの事を考えるだけで終わるんですな。それを赤木館主は実体験の中で考えてきただけの事、そしてちょっとの疑問を持って見方を変えてみただけの事。

 さて、作用と反作用、釣り合いは、物質だけに特化した現象なんでしょうかね?

 お客様——どう思います?

つづく
→第5話

第1話 1.プロローグ 2.ここは思念の世界です
第2話 3.物語を進めるにあたって
第3話 すべては作用と反作用-1


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