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第27話 学芸員古沸妖の妄想宇宙論【実体験×科学×オカルト=ビックバン】いっしょにぶっ飛び!

人はなぜ生きるか?

13.善と悪-3

 さて、生き物は植物や人間だけではありません、野生動物は善と悪という概念があるのでしょうか?

 簡単な例でいうとライオンとハイエナです。

 ライオンは生きる為に他の動物を狩ります。

 そして獲物の命を奪い、肉や臓器を食べて自分の養分に変換させます。

 そして最大の本能がオスとメスで愛を育み、その結晶である子孫を生みます。

 寿命の限り生き延びたいという自己愛、子孫を生み残す為に、オスは何頭ものメスをまもり交尾をする。

 もちろん、愛がないと交尾にはならないです。

 やはり利他愛と自己愛を育んでいるのです、逆にいうとそういった学びの為にオスとメスという区分けが発生したのではないかと赤木館主は思ったのですな、それもビッグバンの進行課程で出てきます。

 ただし人間のように多様な感情や高度な知能は持っていないようですから、野生動物たちはやはり究極の愛を目指す為の肉体として、魂が成長する途中過程なのでしょう。

 弱肉強食という野生の過酷な状況にも負けず魂が用意してきた学びを完遂した時、寿命となり死を迎えその反作用として、心の成長を手に入れる。

 ここでいう寿命とは、老衰だけではありません、もちろん怪我や病気、もしくは他の肉食動物に襲われる事かもしれません。

 人も同じです、老衰だけが寿命をまっとうしているわけではないのですね、持って生まれた課題や自由意思によって寿命は決まるのでしょう。

 こうした事を繰り返すうちに、野生動物の魂は、地球では食物連鎖の頂点に立つと言われている、人間の魂の域まで成長し、人として生まれ変わる事により、より複雑な学びをし、より大きな愛に成長させる。

 さて、ここで考えたいのは、ハイエナがライオンが狩りをした獲物を横取りする行為です。

 それは、悪なのでしょうか?

 環境や身体的特徴がライオンの獲物を横取りする行為につながりますが、獲物から自分の生命エネルギーを取り込むという観点では、ライオンと全く一緒です。

 また獲物に食いつく肉食の鳥、死体を分解する微生物、その養分によって育つ植物、全ての生き物が同じ事をしています。

 そこには善悪の概念が全くないのです、悪があるとしたら、お腹が空いた以上に快楽的に獲物を殺しまくるといった場合など(野生動物にそういう場面があるのかは分かりませんが)自己愛を歪ませた行為のみではないでしょうか?

 必要以上に獲物を狩りすぎると、そのうち自分たちも生きていけなくなるのを本能で知っているから、そういった行為は基本的に行わない。

 しかし、ハイエナはなぜ悪そうで嫌われるのか? それは人間の善悪の概念、目安を当てはめて考えているからに過ぎないからです。

 純粋な自然界には善悪という概念は存在しないのです、高度な知能を持ち、複雑な社会環境で生活している人間のみに備わった概念なのです。

 ただ、人間は時折自分の快楽や自己満足、お金儲けだけの為に、生きるという目的とは違い必要以上に毛皮を剥いだり、象牙をとる為だけに像を殺したりします。

 考え方は全く同じです、歪んだ自己愛を剣にして利他愛の成長を退行させているに過ぎない、これも同じく絶対悪です。

 ただし貧困が理由で発展途上国の現地の人々は、そうした行為に走る事がありますが、やはり余裕のある国の善意を集結して、そうした人々の生活を向上させる必要があるのでしょう、もちろん、そういった行為に尽力されている組織や個人もたくさんいます。

 やはり、こういった方々には同じ人間として感謝の念が湧きます。

 つまり、生きる目的でその養分を体内に取り込む場合、もしくは寒さに耐える、雨露を凌ぐといった生きる目的の必要に迫った場合に限り、他の命をいただくことが悪ではなくなるのです。

 それは、動物だけが対象ではありません、生き物である以上植物だって対象となります。

 現在、地球の資源を人間の生活のしやすさだけに特化して無茶苦茶した結果、どうなっているでしょう?

 過度な森林伐採や二酸化炭素の過剰な排出、プラスチックによる海洋汚染などなど、地球環境を歪ませ、砂漠化、温暖化、洪水、土壌汚染、環境の変化による野生種の絶滅…ありとあらゆる問題を引き起こしていますよね。

 この先にあるのは地球の死です。

 必要以上の豊かを求める事、人間の必要以上の身勝手さで、地球を殺す事は生き物を殺すと同様絶対悪です。

 人間が生き物である以上、地球も星々も、ひいては宇宙も同じところから発生した、生き物なのです。

 それが人間の魂と同じものであるかは分かりません、想像もつかないような大きな魂かもしれません。

 ただ星にも寿命がある、同じ生き物として星を考えるなら、その死を迎えた結果生まれるブラックホールにおいても、同じ事が起きているのではないでしょうかね…。

 

つづく
→第28話

第1話 1.プロローグ 2.ここは思念の世界です
第2話 3.物語を進めるにあたって
第3話 作用と反作用-1
第4話 作用と反作用-2
第5話 作用と反作用-3
第6話 概念における作用反作用-1
第7話 概念における作用反作用-2
第8話 心における作用反作用
第9話 思い出すってなんでしょう?-1
第10話 思い出すってなんでしょう?-2
第11話 思い出すってなんでしょう?-3
第12話 思い出すってなんでしょう?-4
第13話 オカルトなお話し-1
第14話 オカルトなお話し-2
第15話 出会い-1
第16話 出会い-2
第17話 魂と脳という臓器-1
第18話 魂と脳という臓器-2
第19話 魂と脳という臓器-3
第20話 魂と脳という臓器-4
第21話 この物語の骨子-1
第22話 この物語の骨子-2
第23話 この物語の骨子-3
第24話 この物語の骨子-4
第25話 善と悪-1
第26話 善と悪-2

 


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