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第48話(最終話) 学芸員古沸妖の妄想宇宙論【実体験×科学×オカルト=ビックバン】いっしょにぶっ飛び

宇宙の死


 そして始まりがあると終わりがないといけない。

 宇宙の終わりとは…

 存在する全ての魂が、究極の利他愛と究極の自己愛を合わせ持つまでに成長した時、最初の愛も成長を辞める事になる。

 それが、利他愛と自己愛の作用反作用が究極で釣り合い、愛が完全に安定した時なんですな。

 その判断材料となるのがアカシックレコードに記録された宇宙創生以来の記憶と、その内容によって自己愛と利他愛がどこまで高められたかなのです。

 つまり究極の愛、自分と自分以外という垣根を取り払って、全ての存在を同じように慈しむ心に到達できたのかという判断材料です。

 そしてそれを判断するのが、宇宙の始まりの愛。

 自分が究極な愛に成長したのを確認すると、それが全ての魂に伝えられる、全ての魂はこれ以上ない満足と喜びの中、自分と自分以外という括りが必要なくなり、あの世にある心もこの世にある心も全てが一つになるのです。

 それが愛が究極に釣り合って安定した姿です。

 それと同時にこの世の活動の全てが止まり、あの世の広がりも止まる。

 すると、どうなるか?

 作用反作用であの世とこの世のエネルギーが相殺されエネルギーは全て無に返り、空間がある世界も空間という概念の無い世界も相殺して無くなる。

 そしてこの世で作られた物質はそれと共にすべてが無くなる。

 すると、たった一つの愛の純度が数段上がった心と、その心が持つ虚数エネルギー、それに釣り合う物質エネルギーが残るのです。

 それと同時に心は無の心となり、エネルギーも完全に相殺されて、無の世界と無の心に戻る

 それが宇宙の終わりで宇宙の死です。

 その心が、ある時再び自分が愛だと気づいた時、純度の高い愛から、質の高い宇宙の創造がスタートするのではないか。

 これはハッピーエンドな終わり方であり、ハッピーエンドがあればバッドエンドもある。

 それは…

 まず物理的に考えると、次元の容量一杯にあの世とこの世が広がってしまうと、それ以上は広がらなくなる、それがどれくらいかもさっぱり想像できませんが、そこまで到達すると全てが相殺してなくなる。

 いくらあの世が死のない世界だとしてもそれには逆らえない、つまりこの世の概念から見ると、既に終末までのカウントダウンが始まっている事になる。

 という事は、核分裂反応は素粒子を増やす事で、終末への時間稼ぎができている事になる、この世の存在を増やすのですから、と考えると核分裂反応の使用は利他愛を育てる事に繋がる。

 つまり、平和利用しないとその現象の存在理由を冒涜している事になるのでしょうな。

 ならば、人が宇宙の摂理に背いて核分裂を悪行に使うならば、その代償は信じられないほど大きな負の報いとして人に返ってくる筈です、それがどんな事をしても逃げられない作用反作用の法則です。

 さて、宇宙の広がりが次元の容量に到達したという事は、愛が十分に成長しなかったという事。

 ハッピーエンドと同じく、全てが相殺されて残った一つの愛の純度がそこで止まり、目的を達成できなかった絶対的な後悔が残り、純度の低い愛となるか始まりの愛と同じ純度に戻るかして、無の心になり、無から再び宇宙の創造がスタートする。

 その結果、現在と同じような宇宙が始まるかもしれませんし、もっと辛い体験をしなくてはならない宇宙が始まるかもしれません。

 そう考えると、宇宙の死とは、現在の宇宙が無くなるだけで、新しい宇宙が始まる事につながる。

 そう、無こそ始まり

 しかし、それを突き詰めていくと、どうやっても、無の心一つが最初の最初の宇宙ができた時に、存在していないといけなくなるのです。

 そこで、次のような疑問が残る。

 最初の無の心はどこから来て、どうして存在しているのか? 
 
 ここから先は堂々巡りですよね。
 
 これ以上は想像力の限界です。

 どうやって考えても無の心が無いと何も始まらないのだが、無の心ができた、もしくは作られた、この事柄の必然性●●●が全くわからない。

 つまり、自然界の中で0+1=1が成り立った唯一の瞬間がどうして訪れたのか?

 赤木館主も、私、古沸妖も、それについては疑問のままなのです。

 作用反作用の法則が神なのか、無の心を存在させたのが神なのか、無の心が神なのか、無の心が法則そのものなのか、全くわからないのですが、森羅万象、生きとし生けるもの全てが、愛を持っているということこそが、各々の存在の中にある確固たる事実です。

 ほんの小さな愛から全ては始まり、森羅万象生きとし生けるもの全てが、そこから生まれて来たという事です。

 赤木館主の守護霊である、私、古沸妖も、お客様も、赤木館主も同じ存在で、同じ愛から生まれた仲間ですから、全ての生き物が分け隔てなく、生きているという事を認め影響し合いながら、利他愛と自己愛を高めないといけないのではないでしょうか。

 そして最後の疑問の答えは、

 お客様、

 ——あなたの心の中にある




 おや、赤木館主が赤木図書館にやって来た、さあさあ館主の思いを、守護霊で学芸員である私、古沸妖こわいようがしっかりとお客様にお伝えしましたぞ、最後は赤木館主の言葉で締めましょう。

 さーどーぞ。

「マジですか? 」

 マジですぞ。

「うへぇ」

 早くしてくだされ。

「威厳のある事言わないといけない? 」

 お好きにどうぞ。

「マジですか」

 マジですぞってば、早くしてくだされ。

「みんな仲良くしましょう、平和がいちばん」

第1話 1.プロローグ 2.ここは思念の世界です
第2話 3.物語を進めるにあたって
第3話 作用と反作用-1
第4話 作用と反作用-2
第5話 作用と反作用-3
第6話 概念における作用反作用-1
第7話 概念における作用反作用-2
第8話 心における作用反作用
第9話 思い出すってなんでしょう?-1
第10話 思い出すってなんでしょう?-2
第11話 思い出すってなんでしょう?-3
第12話 思い出すってなんでしょう?-4
第13話 オカルトなお話し-1
第14話 オカルトなお話し-2
第15話 出会い-1
第16話 出会い-2
第17話 魂と脳という臓器-1
第18話 魂と脳という臓器-2
第19話 魂と脳という臓器-3
第20話 魂と脳という臓器-4
第21話 この物語の骨子-1
第22話 この物語の骨子-2
第23話 この物語の骨子-3
第24話 この物語の骨子-4
第25話 善と悪-1
第26話 善と悪-2
第27話 善と悪-3
第28話 学びあい
第29話 死とは何か?-1
第30話 死とは何か?-2
第31話 死とは何か?-3
第32話 死とは何か?-4
第33話 ブラックホール
第34話 ゼロの点-1
第35話 ゼロの点-2
第36話 ゼロの点-3
第37話 ゼロの点-4
第38話 ビッグバン-1
第39話 ビッグバン-2
第40話 ビッグバン-3
第41話 ビッグバン-4
第42話 生き物-1 誕生1
第43話 生き物-2 誕生2
第44話 生き物-3 誕生3
第45話 生き物-4 進化
第46話 生き物-5 自由意思
第47話 生き物-6 営み


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