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詩の集まりみたいなもの

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詩、詩みたいなものをまとめてみました。
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2023年10月の記事一覧

【詩】 赤提灯

【詩】 赤提灯

夜の帳が下りる頃

己とも思えない影に乗り

情けにも似た夜風を浴びる

堰を切ったかのようにさんざめくノイズ

やりきれない自らを投影しているような

滑らかに軋む窓辺の景色

無粋で情緒のカケラもない欠けた満月

  
その曖昧さが

時に心をなぐさめる

 
明かりが灯る道すがら

自然と背中は押されてゆく

不思議だ

秋風の功名

導かれたかのように

目の前を煌々と照らす

ぬくもりを

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【詩】 侘び寂び

【詩】 侘び寂び

一杯の香りに

不思議と全てを思い出す

春の芽吹きの瞬き
夏の隆盛の時代
秋の枯草の香り
冬の銀白の出で立ち

茶葉の香りとうま味のアロマ達

その味が五味を退け

忘れていた爽やかさを醸す

身体に溶け込んでゆく

慇懃な苦みに眼を瞑り

天高く透き通る彼方に

思いを馳せる

春夏秋冬

太陽も
雲も
木々も
畑も
人々も

憩いの全てを
焼き付いた情景を

くまなく全てを闊歩させ

脳裏に

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【詩】 ブルージーに

【詩】 ブルージーに

文字にも起こせないつまずきを与えたのは一体何?

それとも一体誰?

俺には見えやしない

感じやしない

想像もつかない祈りは

時に冷たさをはらみ

黄金色の陶酔感を紡ぐ

ヒリヒリした頭痛は

孤独の原点を咀嚼する

浮き上がる視線には

虚空を睨む情念をはらんでいる

聴こえる…

力のこもった歌声

それは一杯のカクテルのような

不滅の調和に似た哀しみと罪

その響きに嘘はない

その

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【詩】 グラス

【詩】 グラス

乾いた空気が注がれる

グラスに並々と

浮き立つ気泡が

私を夢中にする

一杯のワインよりも赤く
ウイスキーよりも琥珀色で

余裕たっぷりに
透き通るような笑みで
私に微笑みかけてくる

季節の移ろいに合わせるように

その味は目を通り越し
肺に達して 鼻腔をすり抜ける

すり抜けた意識に
フラフラと浮かぶ
街の落陽の満ちた甘み

全ての通過点のように
湿り気を帯びたグラス

そのグラスに映る

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【詩】 Feeling 

【詩】 Feeling 

居心地の悪い歯切れの良い時間

色づくには惜しすぎる

散るにはためらってしまう

その感じは曖昧でいつも行儀よく

自分には常に隣にいる錯覚さえ覚える

覚える…

溺れる…

深い蒼さは愛すべき視覚であり

五感を研ぎ澄ました感受性でもある

常に隣で佇んで溶け込んでいる

曖昧さは我が物顔で腰掛ける

キツい旅にでも出たつもりか

深い意味はより深く

止まらない鳥達の羽ばたきは

絞りきっ

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【詩】 Blue

【詩】 Blue

つまらねぇ酔い方

目も当てられない

こりゃ一体何だ?

目も回るような狂おしいBlues

酔っているのか?

世界が俺に合わせてるのか?

併合しきった楽しみは痒いだけなのか?

言葉にもなりゃしない

頭が回る

これは十字路か?

運命の分かれ道か?

人生の岐路か?

魂が咆哮するのか?

悪魔に魂を売り渡してしまおうか?

ひどい頭痛

言葉にも出来ないヒドい染み

一体現実か?

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【詩】 Bluesのつもり

【詩】 Bluesのつもり

 その流れに乗ってみたい。

乗ったところで意味がない。

意義を見いだすこと自体が下らない。

特に意味なんてありゃしない。

意味を見いだすこと自体が愚かな事だ。

分かっているのに何かを後付けしてしまう。

考えても溺れるだけしかない。

その試行錯誤が自らを鈍化させる。

いっその事酔狂に思考を溢れ返させてみようか

意味がない

意味がない

意味のない漂うポーズ。

ポーズこそが全て。

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