しまっち

大阪府在住。ゲイ。いわゆるうつ病。元アートディレクター、ウェブデザイナー。ウェブ、展示…

しまっち

大阪府在住。ゲイ。いわゆるうつ病。元アートディレクター、ウェブデザイナー。ウェブ、展示映像、インタラクティブコンテンツ、アニメーション、音楽、イラスト制作などを仕事にしていました。居眠りと猫と茶とゲームとシンセと紙と文字と設計と食べることが大好き。

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新劇場版farmworkschema

 新劇場版farmworkschemaは、2013年に映像作品として作ることを念頭に置いて作りました。2005年にカバーさせていただいた曲を、4パターンのアレンジ、作曲・ボーカルの収…

しまっち
3週間前

自作ゲーム『A23』イメージカット・修正版

自作ゲーム『A23』イメージカットの修正版。髪とか目とか肌の輪郭線とか、色々直してみた。A4の300dpiで描いてるので、1度印刷してみても良いかな。

しまっち
9日前

自作ゲーム『A23』イメージカット

しまっち
10日前

しかし、回り込まれた。

「……おや?」  ──どうしたね。 「僕の……僕の、所持金が、半分になっている」  ──それがどうかしたのかね? 「どうか……って、何時の間に?全然気付かなかっ…

しまっち
2週間前

2023年制作分

 2023年にDTMで制作した、自作曲をまとめました。使用DAWは「Cubase 13 Pro」、VST音源は「HALion Sonic SE(Steinberg)」「Orchestral Essentials 1・2(Project Sam)…

しまっち
3週間前
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村上春樹『羊をめぐる冒険』

村上春樹『羊をめぐる冒険(上)(下)』(講談社文庫)、再読了。3部作の完結編。 余りにも好きで、読んだのは随分昔なのに、文章を丸々覚えているところがあったりして…

しまっち
3週間前

村上春樹『1973年のピンボール』

『1973年のピンボール』村上春樹(講談社文庫)、再読了。 前作『風の歌を聴け』のような勢いもなく、次作『羊をめぐる冒険』のような圧倒感もない、三部作のちょうど間で…

しまっち
3週間前

村上春樹『風の歌を聴け』

今日書店で買った村上春樹『風の歌を聴け』(講談社文庫)を、即日読了。 初めて読んだのは働いていた時、仕事の師から借りて夢中で読んだ。読み直したくて、やっと手に入…

しまっち
3週間前

おじいさんの時計

 おじいさんの大きな古時計は、おじいさんが生まれた朝に買ってきた時計でした。おじいさんが子供の頃も、結婚式の日も、ずっと時計は時間をカチカチ刻み続けていました。…

しまっち
4週間前
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銀河回転寿司999

[スシロー]  わー。  これが銀河回転寿司かぁ。 [メーテル]  そうよ、スシロー。  これが銀河回転寿司。  人が己の欲するものを求め、  それを欲するがままに …

しまっち
4週間前
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ファジイな痛み

どうしてか言えば良かったのかな  僕はPSY・S(サイズ)というアーティストが好きだ。中学生時代、これを聞きながら僕は青春時代を過ごしたのだ。ちょうど初めて人を………

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4週間前

匂い

 部屋の中で干した洗濯物の匂い/かび臭くて、水の妙な匂いがする/あんなに透き通っている水の匂いがこんなだなんて、裏切られたようなそんな気持ちになるからこの匂いは…

しまっち
4週間前

嫌悪

 嫌い/大嫌い/ただ漠然と毎日を生きている人も/自分をより良く変えていけない人も/けたたましい笑い声を上げるオバサンも/僕を煙たそうに見上げるオジサンも/人を指…

しまっち
4週間前

エレベータの中

 仕事が夜10時半に終わって、それから帰りに梅田で堂山に寄る。久し振りだ。別に何も飲んで帰ろうとか思っているワケじゃない。今日発売の某ホモエロゲーを買って帰ろうか…

しまっち
4週間前

牢獄 第四章

はじめに 「牢獄」は、僕が大学生の頃、自分のウェブサイトに掲載していた自伝です。第四章は、僕と相方(本文中では「彼氏」と表記)の関係に終わりが見えた時のお話です…

しまっち
4週間前
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牢獄 第三章

はじめに 「牢獄」は、僕が大学生の頃、自分のウェブサイトに掲載していた自伝です。第三章は、僕が相方と付き合い、同居を始めてすぐに起きた短いお話です。  この文章…

しまっち
4週間前
3
新劇場版farmworkschema

新劇場版farmworkschema


 新劇場版farmworkschemaは、2013年に映像作品として作ることを念頭に置いて作りました。2005年にカバーさせていただいた曲を、4パターンのアレンジ、作曲・ボーカルの収録を全てiPadのGarage Bandで行い、映像を付けた作品群です。

 映像の完成後、DVDにまとめ、知人たちに配布しました。映像を制作したPCがHDDごと壊れてしまったため、映像の元データは消えてしまいました

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自作ゲーム『A23』イメージカット・修正版

自作ゲーム『A23』イメージカット・修正版

自作ゲーム『A23』イメージカットの修正版。髪とか目とか肌の輪郭線とか、色々直してみた。A4の300dpiで描いてるので、1度印刷してみても良いかな。

しかし、回り込まれた。

しかし、回り込まれた。

「……おや?」

 ──どうしたね。

「僕の……僕の、所持金が、半分になっている」

 ──それがどうかしたのかね?

「どうか……って、何時の間に?全然気付かなかった」

 ──気付かないはずはないだろう。君は、死んだのだから。

「え……?し、死んだ?」

 ──そうだ。今、君はなぜ自分がこの城にいるか、理解ってないんじゃないか?

「死んだって……何を言ってるんだ。僕はちゃんと生きている」

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2023年制作分

2023年制作分


 2023年にDTMで制作した、自作曲をまとめました。使用DAWは「Cubase 13 Pro」、VST音源は「HALion Sonic SE(Steinberg)」「Orchestral Essentials 1・2(Project Sam)」「Synthesizer V Studio Pro(Sonicwire)」を使用しています。

 ボーカルは、以前はUSB接続で外部ミキサー「YAMAH

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村上春樹『羊をめぐる冒険』

村上春樹『羊をめぐる冒険』

村上春樹『羊をめぐる冒険(上)(下)』(講談社文庫)、再読了。3部作の完結編。

余りにも好きで、読んだのは随分昔なのに、文章を丸々覚えているところがあったりして、懐かしい気持ちになった。そして寂しい気持ちにもなった。物語が終わるのは、すべからく寂しいものだ。

何事にも終わりが必ずあって、人は常にその終わりと向き合っているべきなのだと思う。

終わりの無いものなんて、つまらない。終わりがあるから

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村上春樹『1973年のピンボール』

村上春樹『1973年のピンボール』

『1973年のピンボール』村上春樹(講談社文庫)、再読了。

前作『風の歌を聴け』のような勢いもなく、次作『羊をめぐる冒険』のような圧倒感もない、三部作のちょうど間で。読み直しながら「うーん、なんかウダウダした感じだったよねえ、確か」と思いながら読んだので長くかかったけど、後半から一気に良くなって、読み終わると何だか清々しい気持ちになった。

僕もジェイズ・バーに行きたい。一人カウンターでビールを

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村上春樹『風の歌を聴け』

村上春樹『風の歌を聴け』

今日書店で買った村上春樹『風の歌を聴け』(講談社文庫)を、即日読了。

初めて読んだのは働いていた時、仕事の師から借りて夢中で読んだ。読み直したくて、やっと手に入れた次第。

初期村上春樹一式(『風の歌を聴け』〜『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』)を買ってきたので、しばらく楽しめそうだ。

それにしても、本って本当に不思議。読む度に感じ方が変わるし、本の内容だけじゃなくて、読んでいた頃

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おじいさんの時計

おじいさんの時計

 おじいさんの大きな古時計は、おじいさんが生まれた朝に買ってきた時計でした。おじいさんが子供の頃も、結婚式の日も、ずっと時計は時間をカチカチ刻み続けていました。

 その日、おじいさんは天国に旅立とうとしていました。おじいさんはもう起きあがることも喋ることも出来ません。ベッドに横になったまま、かすかな寝息を立てているだけでした。

 時計は思いました。これまで自分を大切に使ってくれたおじいさんに、

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銀河回転寿司999

銀河回転寿司999

[スシロー]
 わー。
 これが銀河回転寿司かぁ。

[メーテル]
 そうよ、スシロー。
 これが銀河回転寿司。
 人が己の欲するものを求め、
 それを欲するがままに
 手にすることが許される世界。
 スシローは初めてだったわね?

[スシロー]
 ああ、メーテル。
 こんなの初めてだよ!
 すごい……寿司が周ってる。
 アッハハ、こりゃいいや!

[メーテル]
 スシローも欲しいものを
 

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ファジイな痛み

ファジイな痛み

どうしてか言えば良かったのかな

 僕はPSY・S(サイズ)というアーティストが好きだ。中学生時代、これを聞きながら僕は青春時代を過ごしたのだ。ちょうど初めて人を……男性を好きになった頃。好きになった相手は、同じクラスの同級生だった。

 その頃、僕は成基学園という京都にある有名進学塾に通っていた。だから殆ど毎日を京都で過ごしていた。塾の先生は物凄く魅力的で、個性的な先生が集まっていて、授業の水準

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匂い

匂い

 部屋の中で干した洗濯物の匂い/かび臭くて、水の妙な匂いがする/あんなに透き通っている水の匂いがこんなだなんて、裏切られたようなそんな気持ちになるからこの匂いは嫌い/……嘘つき。

 久し振りに付けた、クーラーの匂い/部屋の中を腐らせていくような、折角の雰囲気を一気にブチ壊してくれるような、そんな気持ちになるからこの匂いは嫌い/みんなが楽しい時に水を差すような、まるでアイツのよう。

 セックスの

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嫌悪

嫌悪

 嫌い/大嫌い/ただ漠然と毎日を生きている人も/自分をより良く変えていけない人も/けたたましい笑い声を上げるオバサンも/僕を煙たそうに見上げるオジサンも/人を指差して笑う奴も/一人では何も出来ない奴も/みんな嫌い。

 ここは僕が嫌いなモノを書いていく場所/僕が自分で自分をスッキリさせる場所/どうしてあなたはここを見るの?/どうして僕が嫌いなモノを見るの?/大して見たくもないんだったら、とっとと別

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エレベータの中

エレベータの中

 仕事が夜10時半に終わって、それから帰りに梅田で堂山に寄る。久し振りだ。別に何も飲んで帰ろうとか思っているワケじゃない。今日発売の某ホモエロゲーを買って帰ろうかと思ったのだ。

 夜の梅田は嫌いだ。特に東側。雑然と飲み屋が並び、客引きが群れをなし、変なお姉さんがたむろっている夜の堂山。サイアクだ。僕に盛んに声をかけてくる客引き、足元から顔をなめ上げるように見る女。何もかもがムカつくし、何より今の

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牢獄 第四章

牢獄 第四章

はじめに 「牢獄」は、僕が大学生の頃、自分のウェブサイトに掲載していた自伝です。第四章は、僕と相方(本文中では「彼氏」と表記)の関係に終わりが見えた時のお話です。

 この文章を書いたのは、2000年11月30日と、2001年2月17日です。現在の僕ではないことを、あらかじめご承知おきください。この文章は、当時僕が個人で運営していた「プラスティック・マインド(略してプラマイ)」というウェブサイトに

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牢獄 第三章

牢獄 第三章

はじめに 「牢獄」は、僕が大学生の頃、自分のウェブサイトに掲載していた自伝です。第三章は、僕が相方と付き合い、同居を始めてすぐに起きた短いお話です。

 この文章を書いたのは、1998年11月24日です。現在の僕ではないことを、あらかじめご承知おきください。

子供僕にはどうやっても満たせない

 悲しい夢を見た。彼氏が、子供欲しさに女性と結婚する夢だった。

 そんなことある訳がない。そう思いな

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