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#47 活動中は稼げない!?

そうです。「地域おこし協力隊」は「地域おこし協力隊」として活動している時間に稼ぐことはできません。なぜなら、同じ時間に、「地域おこし協力隊」としての給料と、イベントか何かをして得たお金の二重取りになるからです。

たとえば、カフェをしたい「地域おこし協力隊」が、「地域おこし協力隊」としての活動時間を使い、空き家の一角で地域の人へ100円コーヒーショップをするとします。ある日、地域の人が5人来てくれました。5杯コーヒーが売れました。さて、この500円はどうなるのでしょうか?

たとえば、ヨガを教えられる「地域おこし協力隊」が、「地域おこし協力隊」としての活動時間を使い、地域の公民館でヨガのワークショップを開きました。参加費一人1,200円。8人参加者がいました。さて、この9,600円はだれのお金になるのでしょうか?

500円でも9,600円でも、この場合、「地域おこし協力隊」がもらってはいけません。収入にしてはいけないのです。なぜなら、その時間は「地域おこし協力隊」としての活動時間であり、「地域おこし協力隊」としての給料が発生しているからです。

市役所の農業振興課の職員が、地域のためだからと、勤務時間に地域の野菜を売ってその売り上げを自分の収入としますか?と同じことです。

万が一、「いや、私の自治体、活動時間中に稼いでもいいんだけど!?」という方がいらっしゃったら是非ともコメントを残していただければと思います!私も全国津々浦々、全ての「地域おこし協力隊」事情を知っているわけではないので。少なくとも私の自治体は、「地域おこし協力隊」の活動時間中に稼ぐことはできませんでした。

実際、私が現役協力隊のとき、私と同じ自治体の他の地区の協力隊が、協力隊の活動時間でワークショップを開き、参加者から参加費をもらっていました。しかしその参加費は、市に報告し活動費に収入として計上することになったと聞きました。

また、私も地域の方を対象にビアガーデンを企画したことがあります。支援していた「カフェが併設されたコミュニティスペース」で、その運営団体の方たちと一緒に行いました。

食べ物飲み物のメニューを考え、周知方法を考え、自治会長にも話を通し、備品準備、材料購入、仕込み準備、そして、当日、会場セッティング
、調理、食べ物飲み物を提供、地域の方に来てもらい、買っていただく。コミュニティスペースでわいわいと、それなりに盛況でした。

では、この時の売り上げは、というと、その年度の活動費に収入として計上しました。私も「地域おこし協力隊」として取り組みましたので、その時間は活動時間とし、売り上げは私の収入とはなりません。もちろん、運営団体の方たちの収入ともなりません。ただ、材料費や備品費は私の活動費から使えました。(※R6年度からこのような活動費の使い方はできなくなりました。)

そして、これはビアガーデンでしたので、お酒も提供しました。お酒に関しては、「カフェが併設されたコミュニティスペース」の運営団体の方達が準備調達しました(お金を出して仕入れたという意味です)。これは「地域おこし協力隊」の活動費を使っていません、というかお酒なので使えません。なので、お酒の売り上げは運営団体の方たちのものとなりました。

当時の私のメインミッションは、この「カフェが併設されたコミュニティスペース」の支援で、どうやったら地域の人がこのスペースに来てくれるか、どうやったらこのスペースを起点とし地域が賑わうか、というのが大きな課題でした。それで、このような食べ物飲み物イベントをやってみたのです。

なんで、ビアガーデンかって?
ま、一つには私が飲みたかったから笑
がしかし、当日はそんな暇はねぇ‼というオチ。

しかも、この「カフェが併設されたコミュニティスペース」にはビールサーバーがもともとあったんです。そう、正確に言うと「居酒屋とカフェが併設されたコミュニティスペース」なのでした。

誤解のないように!子ども向けの健全な企画もしたことがあります笑
地域の子ども対象に、ランチ付きのとあるワークショップも企画しました。そのランチの材料費やワークショップの備品費も活動費を使いました。そしてランチ代は参加者から徴収しました。その徴収したランチ代も活動費に計上しました。

ということで、「地域おこし協力隊」の活動中に得たお金は、活動費に収入として計上するというのが基本です。

ということは、「地域おこし協力隊」の活動外で得たお金は、活動費に収入として計上しなくてよい、「地域おこし協力隊」本人の収入としてよい、という意味です。

そしてそして、前述したような、ビアガーデンや子ども向けのワークショップも「地域おこし協力隊」の活動外とすることもできるのです。そうしたら、その時得たお金は自分の収入としてもいいのです。

ですがやはり、準備時間、備品費、材料費などを諸々考えると、収支があいません。人件費までもカバーできる黒字にはなりません。せめて黒字になったとしても、普通に「地域おこし協力隊」の活動時間としてカウントしていたほうが金額的にはいいのです。

前回、「起業」についてお話した時、私には100円でも500円でも1000円でも利益を生み出すようなことができなかったとお伝えしたのは、こういうことです。

このあたりについては、うまくやっている協力隊もいると思います。
次回も、もう少しこの話を続けたいと思います。

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