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京のできごと

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#26 きのうの京都府知事選雑感。

#26 きのうの京都府知事選雑感。

左京区は前回知事選では京都府全選挙区で唯一、共産系候補が多く得票した地域。しかも植物園問題を抱える地区なのでどうなるか注目していたのだけれど、結果的には西脇さんが多く得票した(得票率では「西脇氏53.5% 梶川氏46.5%」ともっとも拮抗してはいたが)。つまり植物園問題は有権者にとってさほど争点になってなかったとみていいだろう。

多くの有権者にとって直近の課題はコロナ対策であり、それについて西脇

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#25 1971年と、観光と、哲学と。

#25 1971年と、観光と、哲学と。

「批評なんてしているヒマがあったら自分で動いて実践しろ」「考える前に飛べ」「 文系なんて就職先もないし未来がない。ムダな教科である」「思想や哲学とかいう人ってなんかめんど臭いし胡散臭いよね」

というのが昨今のメディアのみならず、社会全体の趨勢だと思います。そして平成の30年間というのは、そのようにして論理とか思想とか批評とか哲学をどんどん社会から排除していった歴史でもあったとも思うわけです。

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#24 AIと羽生さんと奥田民生

たとえば将棋だとAIは悪手含めあらゆる局面で、つねにすべての選択肢を瞬時にはじき出し、そこから最適解を選び出す。いっぽうで羽生さんみたいな名人は経験から悪手は排除して最適解に近いものだけを即座に選べるようになる。だから「経験積めば積むほど選択肢は減る」という言い方を彼はしている。これがいわゆる職人技と呼ばれるもののこと。

だけど最適解だけでやってると進化はない。たまに悪手を打ってみることが大事で

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#23 アルスシムラの卒業制作展に行ってきた。

良いことが重なった日は、朝のできごとがなんだかずっと昔のことみたいに感じたりする。今日が、まさにそんな日でした。
まず、朝。次男坊の保育園最後の生活発表会へ。柄になく緊張するなんて言ってたわりに「エルマーとりゅう」の主役であるエルマーをニッコニコで演じたり、歌の途中であくびをしたり、ずいぶんな余裕と貫禄を見せつけてくれたのでした。
発表会の待ち時間に読む暇つぶしのための本として新約聖書を選んだりす

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#22 都市は有機体である。

都市は有機体である。そう仮定する。そうすると、そこに住む人たちは血液であり、大小複雑に張り巡らされた道を東へ西へと行き来しながら、街に栄養や酸素をせっせと運んでいることになる。では都市にとっての建物はなんだろう?
そんなことを考えさせられたのが、京都市文化財保護課で進めている「京都を彩る建物や庭園」という事業のパンフレット作成に伴う取材と原稿執筆のお仕事でした。「京都を彩る建物や庭園」に認定された

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#21 それがともだち

2016年2月13日(土)

NHKの番組「おかあさんといっしょ」で8年にわたって歌のお姉さんを続けてきた、たくみお姉さんがいよいよ卒業だそうです。いまは6歳になる長男が、ずっと好きでよく夕方になると一緒に見てたなあ。

http://thetv.jp/news_detail/72516/

たくみお姉さんの歌ではこの「それがともだち」という歌が一番好きだった。幼稚園に入りたてでうまくみんなの中に

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#20 筋書きの向こうへ

11月13日(木)

よくテレビの野球中継なんかで「監督、今日は筋書き通りの試合展開だったんじゃないですか?」みたいなお決まりの問いがあって、監督が「出来過ぎです」とかって謙遜するようなやりとりありますよね。あれ、でもそういう試合ってたいていあまりおもしろくない試合であることのほうが多いんじゃないかなと思うんです。

なにをするにしたってまずは筋書きがないと始まらないから、プレーヤーだったりディ

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#19 だいじなことはめんどくさい

11月12日(水)

宮﨑駿さんが「だいじなことはめんどくさい」っていうような言い方をしていました。細かい手の動きや走る少女の髪の毛を一本一本描きながら「めんどくさい、めんどくさい」って呪文のように言っているのを以前にテレビで見たんです。これ、まったく同じことを、自分も企画書を書きながらやっていたなあと嬉しくなったのを覚えています。

もう自分の頭のなかでストーリーは書きあがっているんです。い

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#18 「さよなら私」がおもしろい

11月11日(火)

火曜日はドラマ「さよなら私」の日なのでちょっとソワソワします。これじつはたまたま予告を見ておもしろそうだなあと思って何気なく見たらハマってしまいました。ふたりの人物が階段から同時に転げ落ちることでからだとこころが入れ替わってしまうという、物語の設定は「転校生」という、もういまから30年くらい前に大林さんが撮った映画がベースになっています。しかもその映画「転校生」で主役を演じて

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#17 「ソースおれ」も悪くない

11月10日(月)

このところ伏見稲荷とか北野天満宮とかにいくと、もはや日本人より外国人の観光客のほうが多いんじゃないだろうか?と冗談めかして言っていたら、今年度上半期の関西空港の国際線の外国人旅客数がこれまでの最多となり、日本人の旅客数を上回ったというニュースがありました。上半期に外国人の旅客数が日本人を上回ったのは初めてなんだそうです。

街に出て、ごはんを食べたり、人と出会ったり、そこ

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sabbath

11月9日(日)

日曜日は日記もお休みです。

それではみなさん今日もお元気で。I hope you enjoy Kyoto!

#16 自分を型にはめたほうが個性は出やすい

11月8日(土)

金曜日に東映の高橋剣さんと「京都ヒストリカ国際映画祭」について、ちょっと対談をしてきました。ちょっとといっても気づいたら3時間以上経っていて、そのあともレコーダーはオフにして、近所の居酒屋さんでさらに2時間以上話をしました。楽しかったです。これはENJOY KYOTOのWebのほうでコンテンツになると思いますのでよかったらぜひ。

京都ヒストリカ国際映画祭では、パトリス・ル

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#15 マイナスを肯定すると無敵になる

11月7日(金)

昨夜、ENJOY KYOTOのIssue7にも登場いただいている陶々舎の中山福太郎さんという茶人とイタリアンを食べながらお話をしていました。ぼくなりの「わびさび」をなんとなく発見したのでそれを聞いていただいてたんです。で、ぼくの回答というのはひとことでいうと「マイナスをプラスに転じる」それがわびさびではないか?ということでした。

たとえば「若さ」「花盛りの春」「新緑」「新品

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#14 可能性という糸を垂らす

11月6日(木)

よくね「魚釣りが好きなんだから釣れたかどうかなんて関係ない」に代表される、自分が楽しいからやってるんだから、それでいいじゃないか!というようなもの言い、ありますよね。たしかにその通りだし、そこにはなんの文句もありませんよ。でもです。もしその池には魚が一匹もいないということが、あらかじめわかっていたら、それでも「いいんだよおれは釣りが好きなんであって成果は関係ないんだ」と言うでし

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