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神の子羊は雄? それとも 雌?
日本にいると世界の歴史におけるヒツジの意味と重要さを実感することは困難です。
文化は言語の共有が基盤であるのに対し、文明は技術・技能の共有が基盤にあります。
この考えに基づくと、日本文化は日本語を共有する事が基盤にあり、稲作技術が導入され普及するのに伴って日本文化と日本語が充実してきたのではないでしょうか。 その結果、神前に捧げる最も尊いもののシンボルが、稲作の成果である米とお神酒に収斂さ
オンライン授業が招く教育改革
今回の新型コロナウィルのパンデミックは、人々の生死に直接かかわるため世界的に大きな関心が集まっており、ヨーロッパやアメリカを始め、世界の都市や国で外出禁止令が出され、幅広い社会活動に大きな影響を与えています。その中で、感染の拡大を防ぐために学校が休校になったため、オンラン授業が急速に導入されつつあります。そこで、本稿では、学校のオンライン授業が今後どのような影響をもたらすかについて考えてみること
もっとみる新型コロナウィルス考
現代社会は、人と物が地球上のどこにでも自由に移動できること大原則として経済発展を遂げてきましたし、そもそも人類の歴史は、現代人の先祖がアフリカ大陸から出て以来、移動の歴史であるとも言えます。
その結果、現在では観光が大きな産業になるとともに、便利な製品や新しい情報が極めて短時間で世界中にいきわたり、便利さや楽しさを世界中で享受できる世の中が近づいてきたように思いました。
けれども、そ
宗教と家畜の関係は日本人には理解しにくい
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の共通の聖典である旧約聖書は、羊を中心とした遊牧民の世界を描いたものであり、聖書における羊飼いは、羊のように弱く自分では行く道がわからない人たちを、守り正しい道に導いて下さる神様に例えられています。実際にアブラハムは、その生涯のほとんどを遊牧民として過しました。
世界の宗教人口を見てみると、キリスト教(22億人、30.4%)、イスラム教(15億人,22.2%)
ミルクの利用がなぜインドとミャンマーで異なるのか?
ミルクの利用がなぜバングラディシュとミャンマーで大きく異なっているかについては、色々な側面から考える必要があると思います。
まず言語学的にみると、そもそもビルマ語、タイ語、ラオ語、クメール語などは古代インドの言語であるサンスクリット語から派生したのものですので、文化的にはインド(バングラディッシュを含む)と東南アジア諸国の間は共通点が多い地域です。
一方、ミルクの利用と点からみると、インドを
日本の大学における農学教育の現状と課題
6 年に東京帝国大学(現在の東京大学)が日本における最初の大学として発足した。この時以来 110 年が経過したが、その間に日本の大学を取り囲む社会・経済状況は何度か大きく変化し、社会が大学に期待する機能もまた時と共に変化してきた。永井(1965)によると日本の大学システムは3期に分けられる。即ち第1期は、明治期~大正初期(1868-1918)、第2期は大正期~第2次世界大戦終結まで(1918-19
もっとみるランド・グラント大学が日本の大学に与えた影響
1. アメリカのランドグラント大学をモデルとした北海道の開拓
明治初期の北海道は道南地方や沿岸部を除いて大半が未開地で、この地の開拓は政府にとって緊急の課題となっていた。特に南下政策をとるロシアとの間では樺太(サハリン)の帰属をめぐり江戸時代末期からしばしばトラブルが生じており、土地を開き国民を定着させる必要があった。このことは単に北海道の開発を図るというだけでなく、外交上の問題としても重要